面接で何を話すかばかりに気を取られ、自信が持てない就活生や転職者は多いのではないでしょうか。
実は、面接官は話す内容と同じくらい「話し方」を重視しており、人柄やコミュニケーション能力を判断しています。
この記事では、人事の心をつかむ話し方の基本テクニック7選を、自己紹介や志望動機などシーン別の例文付きで徹底解説します。
明日から使える実践的なコツを身につけ、自信を持って内定を勝ち取りましょう。
なぜ面接では「話し方」が重要なのか

面接対策と聞くと、多くの人が「何を話すか」という内容ばかりに気を取られがちです。
しかし、採用担当者は応募者のスキルや経験と同じくらい、「どのように話すか」という「話し方」を重視しています。どんなに素晴らしい経歴や熱意を持っていても、それが伝わらなければ意味がありません。
ここでは、なぜ面接において話し方が合否を左右するほど重要なのか、その理由を2つの側面から解説します。
第一印象は数秒で決まる
人の第一印象は、出会ってからわずか数秒で決まると言われています。これは「初頭効果」と呼ばれる心理効果で、最初に与えられた情報が後の評価にも強く影響を及ぼす現象です。面接においては、入室してから自己紹介を始めるまでの短い時間で、あなたの印象の大部分が形成されてしまいます。
この第一印象を大きく左右するのが、言語情報以外の「非言語的コミュニケーション」です。心理学者アルバート・メラビアンが提唱した法則では、感情や態度が矛盾した情報として発せられた際、相手がどの情報を重視するかについて、視覚情報(表情、身だしなみ、視線)が55%、聴覚情報(声のトーン、大きさ、話す速さ)が38%、言語情報(話の内容そのもの)が7%の影響を与えるとしています。これは「話の内容が7%しか重要でない」という意味ではありませんが、自信なさげに小さな声で「御社が第一志望です」と伝えても、その熱意が信じてもらえないように、「話し方」が話の内容の説得力を大きく変えてしまうことを示しています。
明るい表情、ハキハキとした声、落ち着いた口調といったポジティブな「話し方」は、「自信がある」「誠実そう」「コミュニケーション能力が高そう」といった好印象を瞬時に与え、その後の質疑応答もスムーズに進みやすくなるのです。
人柄やコミュニケーション能力が伝わる
採用担当者は、短い面接時間の中で「この応募者は自社で活躍できる人材か」「既存の社員と良好な関係を築けるか」を見極めようとしています。その判断材料として、「話し方」は応募者の人柄や潜在的な能力を推し量るための重要な手がかりとなります。
例えば、質問の意図を正確に理解し、結論から分かりやすく話せる人は「論理的思考力が高い」と評価されます。一方で、質問とずれた回答をしたり、話が長々と続いてしまう人は「相手の話を聞けない」「要点をまとめるのが苦手」という印象を与えかねません。これらは入社後の「報告・連絡・相談」といった基本的な業務遂行能力に直結するため、厳しくチェックされるポイントです。
また、言葉遣いの丁寧さからは誠実さや社会人としての基礎力が、声のトーンや表情の豊かさからは仕事への熱意やポジティブな人柄が伝わります。面接は単なる質疑応答の場ではなく、採用担当者との「対話」の場です。話し方を通じて、円滑な人間関係を築けるコミュニケーション能力を示すことが、内定を勝ち取るための鍵となります。
話し方の要素 | 面接官が判断するポイント(一例) |
---|---|
声の大きさ・トーン | 自信、積極性、熱意、人柄の明るさ |
話すスピード | 落ち着き、冷静さ、思考の整理能力 |
話の構成(結論ファーストなど) | 論理的思考力、説明能力、頭の回転の速さ |
言葉遣い・敬語 | 社会人としての基礎力、誠実さ、丁寧さ |
表情・アイコンタクト | コミュニケーション能力、協調性、素直さ |
面接で好印象を与える話し方の基本テクニック7選
面接官は、応募者の回答内容だけでなく、その「話し方」から人柄やコミュニケーション能力、仕事への適性などを判断しています。
ここでは、面接官に「この人と一緒に働きたい」と思わせる、好印象を与える話し方の基本テクニックを7つ厳選してご紹介します。明日からすぐに実践できるものばかりですので、ぜひ参考にしてください。
テクニック1:結論ファーストで分かりやすく伝える
面接官は多忙な業務の合間を縫って面接をしています。そのため、質問に対して冗長な説明から入るのではなく、まず結論から簡潔に述べる「結論ファースト」を徹底しましょう。これはビジネスにおける基本的なコミュニケーションスキルであり、論理的思考力と要約力をアピールすることにも繋がります。
質問の意図を正確に汲み取り、「はい、私の強みは〇〇です。」「その理由は3点あります。」のように、まず話の着地点を明確に提示してください。その後に、具体的な理由やエピソードを続けることで、面接官はストレスなく話の全体像を理解できます。
結論ファーストの話し方の例
質問:「あなたの長所を教えてください。」
悪い例:「学生時代に、飲食店のアルバイトをしておりまして、そこではキッチンとホールの両方を担当していました。最初は覚えることが多くて大変だったのですが、売上向上のために新しいメニュー提案のキャンペーンを企画しまして…」
→背景から話し始めると、何が言いたいのかが伝わりにくくなります。
良い例:「私の長所は、周囲を巻き込みながら目標を達成する『主体性』です。学生時代の飲食店アルバイトでは、売上向上という目標に対し、新人でも意見を出しやすい環境を整え、スタッフ全員で新メニューを考案する企画を立ち上げました。結果として、前年同月比120%の売上を達成することに成功しました。」
→最初に長所(結論)を明確にすることで、続くエピソードがその根拠として機能し、説得力が増します。
テクニック2:聞き取りやすい声のトーンとスピードを意識する
話の内容がどれだけ素晴らしくても、声が小さかったり早口だったりすると、面接官に内容が正確に伝わらず、「自信がなさそう」「落ち着きがない」といったネガティブな印象を与えかねません。聞き取りやすい声は、それだけで信頼感や安心感に繋がります。
声のトーン:明るくハキハキと
普段話す声よりも、少しだけ高いトーンを意識しましょう。よく「ドレミファソ」の「ソ」の音が、相手にとって最も聞き取りやすく、明るい印象を与えると言われています。口角を少し上げるだけでも声のトーンは自然と明るくなります。
スピード:相手の反応を見ながら調整
緊張するとつい早口になりがちですが、意識的にゆっくりと話すことを心がけてください。面接官がうなずくタイミングや表情を見ながら、相手が理解できているかを確認するくらいの余裕を持つのが理想です。自信がある内容ほど、落ち着いて丁寧に伝えましょう。
ボリューム:相手にしっかり届ける
面接室の広さや面接官との距離にもよりますが、ボソボソと話すのは厳禁です。背筋を伸ばし、お腹から声を出すイメージで、相手の耳にしっかりと届く声量を意識してください。スマートフォンの録音機能を使って自分の話し方を確認し、客観的に聞き取りやすいかどうかをチェックするのも効果的な練習方法です。
テクニック3:PREP法で論理的な話の構成を組み立てる
PREP(プレップ)法は、説得力のある分かりやすい文章や話を構成するためのフレームワークです。特に自己PRや志望動機など、自分の考えを論理的に伝えたい場面で非常に有効です。この型に沿って話すだけで、思考が整理され、言いたいことが明確に伝わります。
構成要素 | 内容 | 役割 |
---|---|---|
P:Point(結論) | 話の要点・結論 | 質問に対する答えを最初に提示する。 |
R:Reason(理由) | 結論に至った理由・根拠 | 「なぜなら〜」と結論を裏付ける理由を説明する。 |
E:Example(具体例) | 理由を補強する具体例・エピソード | 経験談や具体的な数値を交えて、話に信憑性を持たせる。 |
P:Point(結論) | 結論を再度強調 | 「以上の理由から〜」「この強みを活かして〜」と締めくくる。 |
このPREP法を意識するだけで、「話が分かりやすい」「論理的思考力が高い」という評価に繋がります。事前に回答を用意する際は、このフレームワークに沿って内容を整理しておくことをお勧めします。
テクニック4:ポジティブな言葉遣いで意欲を示す
同じ内容を伝える場合でも、言葉の選び方一つで相手に与える印象は大きく変わります。特に、自分の弱みや失敗談について話す際は、ネガティブな表現で終わらせるのではなく、そこから何を学び、どう改善しようとしているのかをポジティブな言葉で伝えることが重要です。
この「リフレーミング(言い換え)」のスキルは、課題解決能力や成長意欲のアピールに直結します。
ネガティブ→ポジティブ言い換え例
ネガティブな表現 | ポジティブな言い換え | 与える印象 |
---|---|---|
頑固で人の意見を聞かない | 自分の意見に責任を持ち、最後までやり遂げる信念がある | 責任感、遂行力 |
優柔不断で決断が遅い | 物事を多角的に捉え、慎重に判断することができる | 思慮深さ、リスク管理能力 |
〇〇という失敗をしました | 〇〇という経験から、△△の重要性を学びました | 学習能力、改善意欲 |
このようにポジティブな言葉を選ぶことで、前向きで意欲的な人柄を伝えることができます。常に向上心を持ち、企業の力になりたいという姿勢を示しましょう。
テクニック5:適度な「間」で自信と落ち着きを演出する
話と話の間に生まれる沈黙、つまり「間」を効果的に使うことで、話に深みと説得力を持たせることができます。矢継ぎ早に話すと、聞き手は内容を整理する時間がなく、話し手も「焦っている」「一方的だ」という印象を与えてしまいます。
特に、以下のようなタイミングで1〜2秒ほどの「間」を意識的に取ると効果的です。
- 最も伝えたいキーワードを話す直前
- 一つのエピソードを話し終えた後
- 面接官からの質問に答える前
質問を受けてすぐに話し始めるのではなく、一呼吸おいてから「はい、そのご質問ですが…」と答えるだけで、落ち着いていて思慮深い印象を与えることができます。沈黙を恐れず、自信の表れとして「間」を戦略的に使いこなしましょう。
テクニック6:豊かな表情とアイコンタクトで熱意を伝える
コミュニケーションは、言葉の内容(言語情報)だけで成り立つものではありません。表情や視線、ジェスチャーといった非言語情報(ノンバーバルコミュニケーション)が、相手に与える印象を大きく左右します。
表情:基本は「穏やかな笑顔」
緊張で顔がこわばってしまうかもしれませんが、口角を少し上げることを意識するだけで、表情は格段に柔らかくなります。面接官の話を聞くときは穏やかな表情でうなずき、自分の強みや入社意欲を語るときは熱意のこもった真剣な表情を見せるなど、話の内容に合わせて表情を変化させることで、感情豊かでコミュニケーション能力の高い人物だと評価されます。
アイコンタクト:誠実さを伝える「目」の力
相手の目を見て話すことは、コミュニケーションの基本です。自信のなさから視線が泳いだり、下を向いてしまったりすると、信頼を得ることはできません。面接官の目(緊張する場合は眉間やネクタイの結び目あたりでも可)を真っ直ぐ見て、誠実に話す姿勢を伝えましょう。面接官が複数いる場合は、話している相手だけでなく、他の面接官にも均等に視線を配ることを忘れないでください。
テクニック7:正しい敬語を使いこなし誠実さを示す
正しい敬語を使えることは、社会人としての基礎的なビジネスマナーです。言葉遣いが乱れていると、「常識がない」「入社後の教育が大変そうだ」と判断されかねません。特に、尊敬語と謙譲語の使い分けや、間違いやすい表現には注意が必要です。
面接で間違いやすい敬語の例
間違いやすい表現 | 正しい表現 | ポイント |
---|---|---|
貴社(書き言葉) | 御社(話し言葉) | 履歴書などでは「貴社」、面接では「御社」と使い分ける。 |
〇〇様でございますね | 〇〇様でいらっしゃいますね | 「ございます」は丁寧語。「いらっしゃいます」が正しい尊敬語。 |
拝見させていただきました | 拝見いたしました | 「拝見する」自体が謙譲語のため、「させていただく」は二重敬語になる。 |
了解しました | 承知いたしました/かしこまりました | 「了解」は目上の方に使うには不適切な場合がある。 |
完璧な敬語を使いこなす必要はありませんが、基本的な部分を押さえておくだけで、丁寧で誠実な印象を与えることができます。自信がない場合は、より丁寧な「です・ます調」で話すことを基本とすれば大きな失敗は避けられるでしょう。
【シーン別】すぐに使える面接の話し方と例文

ここでは、面接の各シーンで即座に活用できる話し方のポイントと具体的な例文をご紹介します。自己紹介から逆質問まで、それぞれの場面で面接官に好印象を与えるためのコツを掴みましょう。前章で解説した基本テクニックを意識しながら、自分自身の言葉で語れるように準備しておくことが合格への鍵です。
自己紹介の話し方と例文
自己紹介で意識すべきポイント
自己紹介は、あなたの第一印象を決定づける重要な場面です。面接官は、あなたがどんな人物で、自社で活躍できるポテンシャルがあるかを短時間で見極めようとしています。以下のポイントを押さえ、簡潔かつ魅力的に自分を伝えましょう。
- 時間は1分程度にまとめる:指定がなければ1分を目安に、長くても2分以内には収めましょう。要点を絞り、冗長にならないように注意が必要です。
- 基本情報と強みを簡潔に伝える:氏名と最終学歴(または現職・前職)に加えて、応募職種で活かせる自身の強みや経験をひと言添えることで、相手の興味を引きつけます。
- 明るくハキハキと話す:自信のある態度と聞き取りやすい声は、ポジティブでコミュニケーション能力が高いという印象を与えます。背筋を伸ばし、面接官の目を見て笑顔で話すことを心がけましょう。
【例文】自己紹介
<新卒の場合>
〇〇 〇〇と申します。本日は、面接の機会をいただき、誠にありがとうございます。〇〇大学〇〇学部で、主にマーケティングにおける消費者行動分析を専攻しておりました。特に、ゼミでの地域活性化プロジェクトでは、SNSを活用したプロモーション企画を立案・実行し、前年比150%のイベント集客を達成した経験がございます。この経験で培った企画力と実行力を活かし、貴社のマーケティング職として売上向上に貢献したいと考えております。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
<中途・経験者の場合>
〇〇 〇〇と申します。本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございます。現職では株式会社〇〇にて、法人向けSaaS製品の営業として5年間従事してまいりました。新規顧客開拓を得意とし、担当エリアの売上を3年間で200%成長させた実績がございます。特に、顧客の潜在的な課題をヒアリングし、的確なソリューションを提案する「課題解決型営業」には自信があります。これまでの経験で培った営業力と顧客折衝能力を活かし、貴社のさらなる事業拡大に貢献できると確信しております。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
志望動機の話し方と例文
志望動機で伝えるべき3つの要素
志望動機は、企業への熱意や入社意欲をアピールする絶好の機会です。「なぜ他の企業ではなく、この会社なのか」を明確に伝えることが重要です。以下の3つの要素を論理的に繋げて、説得力のある志望動機を構成しましょう。
- Why(なぜこの業界・企業なのか):企業の事業内容、製品・サービス、企業理念などに魅力を感じた具体的な理由を述べます。自身の経験や価値観と結びつけて語ることで、オリジナリティが生まれます。
- Can(何ができるのか):自身のスキルや経験が、その企業でどのように活かせるのかを具体的に示します。実績を交えながら、即戦力として貢献できることをアピールします。
- Will(何をしたいのか):入社後に挑戦したいことや、実現したいキャリアプランを伝えます。企業の成長にどう貢献していきたいかという未来志向のビジョンを語ることで、高い意欲を示せます。
【例文】志望動機(営業職)
私が貴社を志望する理由は、業界の常識を覆す革新的なサービスで社会課題の解決を目指す企業理念に深く共感したからです。前職のIT業界で、多くの中小企業がDX化の遅れに悩んでいる現状を目の当たりにしてきました。その中で、貴社の「誰でも簡単に使える」をコンセプトにした〇〇(製品名)は、まさに現場が求めるソリューションだと感じ、その価値を世の中に広めたいと強く思うようになりました。
私は前職で培ったヒアリング力と課題解決提案力に自信があります。この強みを活かし、お客様一社一社の課題に寄り添いながら、貴社製品の導入を推進することで、お客様の事業成長に貢献できると考えております。将来的には、営業として得た現場の声を製品開発にもフィードバックし、サービス全体の価値向上にも貢献していきたいです。
自己PR・長所の話し方と例文
自己PR・長所を効果的に伝える構成(PREP法+STARメソッド)
自己PRや長所は、具体的なエピソードを交えて話すことで、信憑性と説得力が格段に増します。話の構成には、結論から話す「PREP法」を応用し、エピソード部分には「STARメソッド」を用いるのが効果的です。
- Point(結論):「私の強みは〇〇です。」
- Reason(理由):「なぜなら、〇〇という経験で成果を出したからです。」
- Example(具体例):ここでSTARメソッドを使ってエピソードを語ります。
- Situation(状況):どのような状況でしたか?
- Task(課題):どのような目標や課題がありましたか?
- Action(行動):その課題に対し、あなた自身がどう考え、行動しましたか?
- Result(結果):行動の結果、どのような成果が出ましたか?(具体的な数字で示すと良い)
- Point(結論):「この〇〇という強みを活かし、貴社で〇〇のように貢献したいです。」
【例文】自己PR(強み:主体性)
私の強みは、目標達成のために自ら課題を見つけ、主体的に行動できることです。
(Reason/Example)
現職でWebメディアの編集を担当していた際、担当ページのPV数が伸び悩むという課題がありました(Situation/Task)。私はその原因が、従来のキーワード選定と記事構成にあると考え、部署の目標とは別に、個人で「3ヶ月でPV数150%向上」という目標を設定しました。そして、競合サイトの徹底的な分析や、SNSでのトレンド調査を行い、新たな切り口でのキーワードリストと読者の潜在ニーズに応える記事構成案を作成。上司に提案し、チームを巻き込みながら記事の品質改善を実行しました(Action)。その結果、3ヶ月後には目標を上回るPV数170%を達成し、サイト全体の集客にも大きく貢献することができました(Result)。
(Point)
このように、現状に満足せず、常に改善点を見つけて主体的に行動する姿勢は、変化の速いWeb業界で事業を推進する貴社においても、必ず貢献できるものと考えております。
短所・失敗談の話し方と例文
短所・失敗談をポジティブに転換する伝え方
短所や失敗談を質問する意図は、候補者が自分自身を客観的に分析できているか、そして課題に対して誠実に向き合い、改善する姿勢があるかを確認するためです。ただ欠点を話すのではなく、ポジティブな印象に転換することが重要です。
- 短所は長所の裏返しと捉える:例えば「心配性」は「慎重で計画性がある」、「頑固」は「意志が強く、最後までやり遂げる」のように、ポジティブな側面とセットで伝えます。
- 改善努力を具体的に語る:短所を自覚した上で、それを克服・改善するためにどのような努力や工夫をしているかを具体的に述べます。
- 失敗から得た学びを伝える:失敗談では、失敗の事実だけでなく、その経験から何を学び、次にどのように活かしたのか(活かそうとしているのか)を明確に語ることが評価に繋がります。
【例文】短所(集中しすぎるところ)
私の短所は、一つの物事に集中しすぎると、周りが見えなくなってしまうことがある点です。以前、プロジェクトの資料作成に没頭するあまり、他のメンバーからの急な相談への対応が遅れてしまったことがありました。
この経験から、自分の作業だけに集中するのではなく、チーム全体で成果を出すことの重要性を再認識しました。それ以来、意識的にタスクを始める前に全体のスケジュールを確認し、ポモドーロ・テクニックなどを活用して定期的に休憩を挟み、周囲とのコミュニケーションを取る時間を確保するように心がけています。この工夫により、個人の業務効率を保ちつつ、チームへの貢献度も高めることができました。
逆質問の話し方と例文
逆質問で意欲を示すためのポイント
面接終盤の「何か質問はありますか?」という逆質問は、あなたの入社意欲や企業理解度を示す最後のチャンスです。「特にありません」と答えるのは、意欲がないと見なされる可能性が高いため避けましょう。事前に企業研究を深め、質の高い質問を準備しておくことが大切です。
カテゴリ | 良い質問の例 | NGな質問の例 |
---|---|---|
仕事内容について | 本日お話を伺った〇〇の業務において、最も重要となるスキルやスタンスは何だとお考えでしょうか。また、入社までに特に学習しておくべきことがあれば教えていただけますでしょうか。 | 具体的にどんな仕事をするのですか?(求人票や会社説明会で分かるレベルの質問) |
組織・チームについて | 配属予定の部署では、どのような経歴を持つ方が多く活躍されていますか。また、チームで成果を出すために、どのようなコミュニケーションを大切にされていますか。 | 職場の雰囲気は良いですか?(主観的で答えにくい質問) |
キャリアパス・評価について | 貴社で高い評価を受け、活躍されている方には、どのような共通点がありますでしょうか。私も〇〇様のように成果を出し、将来的にはチームを牽引する存在になりたいと考えております。 | 給料は上がりますか?残業はどのくらいありますか?(待遇面の質問は、内定後や最終面接の終盤が適切) |
事業戦略・今後の展望について | 中期経営計画を拝見し、〇〇事業の海外展開に大変魅力を感じました。今後、この事業を推進する上で、現在見えている課題や、新入社員に期待することがあればお聞かせください。 | 会社の強みは何ですか?(自分で調べるべき質問) |
逆質問をする際は、「質問の意図」を最初に述べると、面接官も答えやすくなります。例えば、「入社後の働き方をより具体的にイメージしたく、質問させていただきます」といった前置きを添えると、丁寧で意欲的な印象を与えられます。
これはNG!面接で評価を下げてしまう話し方の特徴

面接で好印象を与えるテクニックを実践することも大切ですが、同時に「評価を下げてしまう話し方」を避けることも非常に重要です。どれだけ素晴らしい経歴やスキルを持っていても、話し方一つで採用担当者にマイナスの印象を与えてしまうケースは少なくありません。
ここでは、多くの就活生や転職者が陥りがちなNGな話し方の特徴を具体的に解説します。自分に当てはまるものがないか、客観的にチェックしてみましょう。
話が冗長で要点が掴めない
質問に対して、結論から話さずに経緯や背景から長々と説明してしまうと、採用担当者は「結局、何が言いたいのだろう?」とストレスを感じてしまいます。限られた面接時間の中で、的確に回答できない応募者は、コミュニケーション能力や論理的思考力が低いと判断されかねません。
具体的なNG例
面接官から「学生時代に最も力を入れたことは何ですか?」と質問された際に、「私が大学に入学したのは2020年で、当時はコロナ禍でして、サークル活動もオンラインが中心でした。私が所属していたのはテニスサークルだったのですが、最初はなかなか対面で集まれず…」といったように、質問の答えとは直接関係のない周辺情報から話し始めてしまうケースです。
改善のポイント
常に「結論ファースト」を徹底しましょう。まず質問に対する答えを簡潔に述べ、その後に具体的なエピソードや理由を補足する「PREP法」を意識するだけで、話が驚くほど分かりやすくなります。話す前に頭の中で要点を整理し、「一文で答えるなら何か?」を考えてから話し始める習慣をつけましょう。
声が小さく自信がなさそうに見える
声の大きさやトーンは、自信や熱意を伝える上で非常に重要な要素です。ボソボソとした小さな声や、語尾が消え入るような話し方は、採用担当者に「自信がない」「入社意欲が低いのではないか」という印象を与えてしまいます。話している内容が良くても、説得力が半減してしまうため非常にもったいないです。特に、マスクをしていると声がこもりやすいため、対面面接では普段以上にハキハキと話す意識が求められます。
具体的なNG例
- 面接官に何度も「すみません、もう一度お願いします」と聞き返される。
- 話の最後になるにつれて声が小さくなり、語尾が聞き取れない。
- 口の中でモゴモゴと話しているような印象を与える。
改善のポイント
面接官にしっかりと声を届けるためには、少し背筋を伸ばし、お腹から声を出す「腹式呼吸」を意識するのが効果的です。普段より少しだけ高いトーンで、口をはっきりと開けて話す練習をしましょう。スマートフォンなどで自分の話す声を録音し、客観的に聞き返してみるのもおすすめです。
早口で一方的に話してしまう
緊張すると、つい早口になってしまう人は多いかもしれません。しかし、早口でまくし立てるように話すと、聞き手である面接官は内容を理解するのが難しくなり、「落ち着きがない」「自分のことしか考えていない」という印象を抱く可能性があります。面接はプレゼンテーションの場であると同時に、双方向のコミュニケーションの場です。相手の反応を無視して一方的に話し続けるのは避けましょう。
具体的なNG例
- 面接官が相槌を打つ隙もないほど、息継ぎなしで話し続ける。
- 質問が終わるか終わらないかのタイミングで、食い気味に話し始める。
- 用意してきた回答を、暗記した文章を読み上げるように一気に話してしまう。
改善のポイント
意識的に「間」を置くことが大切です。句読点を意識し、一文一文を区切って話すように心がけましょう。話の合間に少しだけ間を置くことで、自信と落ち着きを演出でき、面接官も話の内容を整理する時間ができます。相手の表情や頷きを確認しながら、会話のキャッチボールを楽しむくらいの余裕を持つことが理想です。
ネガティブな表現や他責にする発言が多い
特に転職理由や失敗談を語る際に注意したいのが、ネガティブな表現です。前職への不満や、失敗の原因を周りの環境や他人のせいにするような発言は、「他責思考な人物」「環境適応能力が低い」といったマイナス評価に直結します。採用担当者は、困難な状況をどのように乗り越え、何を学んだのかというポジティブな視点を知りたいと考えています。
具体的なNG例
- 「前職は上司の指示が曖昧で、正当な評価もされなかったため辞めました」
- 「プロジェクトが失敗したのは、協力会社の対応が遅かったからです」
- 「私の短所は、集中力がないところです」(改善努力に触れずに言い切ってしまう)
改善のポイント
事実は変えずに、表現をポジティブなものに変換する「リフレーミング」という手法が有効です。例えば、退職理由であれば不満を述べるのではなく、「より〇〇な環境で自分のスキルを活かしたい」といった前向きな動機に転換しましょう。失敗談も、原因分析と具体的な改善行動、そしてその経験から得た学びをセットで語ることが重要です。
NG表現(ネガティブ・他責) | 好印象な言い換え(リフレーミング) |
---|---|
仕事の裁量権が全くありませんでした。 | より主体的に企画段階から関わり、自身のアイデアを活かせる環境で挑戦したいと考えております。 |
周りの協力が得られず、目標を達成できませんでした。 | 関係者を巻き込む調整力に課題がありました。この経験から、日頃から密な情報共有を行う重要性を学びました。 |
飽きっぽくて、物事が長続きしません。 | 好奇心旺盛で、様々なことに挑戦したいという意欲があります。今後は一つの分野を深く探求する専門性も高めていきたいです。 |
質問の意図を理解せず見当違いの回答をする
採用担当者の質問の意図を正確に汲み取れず、的外れな回答をしてしまうと、「傾聴力がない」「読解力に欠ける」と評価されてしまいます。これは、準備してきた回答をそのまま話そうとするあまり、質問の微妙なニュアンスを聞き逃してしまうことが原因で起こりがちです。仕事においても、クライアントの要望や上司の指示を正しく理解する能力は不可欠であり、面接の時点で懸念を抱かれてしまいます。
具体的なNG例
- 「あなたの長所を教えてください」という質問に対し、長所には触れずに自己PR全体を話し始めてしまう。
- 「チームで困難を乗り越えた経験は?」という質問に対し、個人で成果を出した成功体験を話してしまう。
- 「5年後、どのようなキャリアを築きたいですか?」という抽象的な質問に対し、「課長になりたいです」と役職名だけで答えてしまう。
改善のポイント
まずは焦らず、最後まで質問をしっかりと聞くことが大前提です。質問を聞き終えたら、一呼吸おいて「何が問われているのか?」を考えましょう。もし質問の意図が掴みきれない場合は、「〇〇という点についてお答えすればよろしいでしょうか?」と正直に確認することも有効です。見当違いの回答をするよりも、誠実な印象を与えることができます。
オンライン面接で特に気をつけたい話し方のポイント
近年、企業の採用活動で急速に普及したオンライン面接(Web面接)。場所を選ばず参加できるメリットがある一方、対面の面接とは異なる難しさがあります。それは、画面越しでは熱意や人柄が伝わりにくく、通信環境や機材トラブルといった予期せぬ事態も起こりうるためです。しかし、ポイントさえ押さえれば、オンラインならではのデメリットを克服し、むしろ好印象を与えることも可能です。ここでは、オンライン面接を成功に導くための話し方と、その効果を最大限に引き出すための準備について詳しく解説します。
対面とは違う!オンライン面接で意識すべき3つの壁
オンライン面接には、対面面接にはない特有の「壁」が存在します。これらの壁を事前に理解し、対策を講じることが、話し方のテクニックを活かす上での大前提となります。
壁の種類 | 具体的な事象 | 対策の方向性 |
---|---|---|
通信の壁 | 音声の途切れ、映像のフリーズ、タイムラグ(遅延)などが発生し、スムーズな会話が妨げられる。 | 安定した通信環境の確保と、タイムラグを考慮したコミュニケーションを意識する。 |
感情の壁 | 画面越しでは細かな表情や声のニュアンス、場の空気が伝わりにくく、熱意や意欲が誤解される可能性がある。 | 通常よりもハキハキとした発声や、意図的に大きなリアクションを心がける。 |
環境の壁 | 自宅の背景や照明、周囲の雑音などが、意図せず自身の評価に影響を与えてしまうことがある。 | 面接に集中できる静かな環境を整え、カメラ映りや背景にも配慮する。 |
【事前準備編】話し方を最大限に活かす環境設定
オンライン面接では、あなたの話す内容と同じくらい「どのように聞こえるか」「どのように見えるか」が重要です。最高のパフォーマンスを発揮するために、以下の準備を徹底しましょう。
安定した通信環境を確保する
面接中の通信トラブルは、話の流れを止めてしまい、あなたと面接官双方の集中力を削いでしまいます。可能な限り有線LAN接続を利用するのが最も確実です。Wi-Fiを利用する場合は、ルーターの近くで接続し、同居家族に大容量の通信を控えてもらうなどの協力をお願いしましょう。また、多くの人がインターネットを利用する時間帯を避けるなどの工夫も有効です。
マイクとカメラの性能を確認・設定する
声が聞き取りづらかったり、顔が暗く見えたりすると、それだけでマイナスの印象を与えかねません。事前に使用するツール(Zoom、Google Meet、Microsoft Teamsなど)で友人や家族とテスト通話を行い、音声と映像のチェックを必ず行いましょう。
- マイク:パソコン内蔵のマイクは環境音を拾いやすいことがあります。クリアな音声を届けるために、マイク付きイヤホンやヘッドセットの使用を推奨します。
- カメラ:パソコン内蔵のカメラで問題ありませんが、画質が低い場合は外付けのWebカメラを検討するのも一つの手です。
カメラ映りを最適化する(目線・角度・照明)
画面に映るあなたの姿が、第一印象を大きく左右します。以下の3点を意識して、カメラ映りを調整してください。
- 目線と角度:カメラのレンズが自分の目線の高さか、少し上に来るように調整します。PCスタンドや本を下に置いて高さを出すと、自然な角度になり、自信のある印象を与えられます。見下ろす角度や、下から見上げる角度は避けましょう。
- 照明:顔が明るくはっきりと映るように、正面から光を当てるのが基本です。部屋の照明だけでは暗い場合、デスクライトやリングライトを活用しましょう。窓を背にする「逆光」は顔が影になってしまうため絶対に避けてください。
背景はシンプルに整える
背景に余計なものが映り込んでいると、面接官の注意が散漫になってしまいます。背景は白い壁や無地のカーテンなど、できるだけシンプルな場所を選びましょう。難しい場合は、無地のバーチャル背景を利用するのも手ですが、企業によっては好まれない場合もあるため、事前に企業の雰囲気を調べておくと安心です。整理整頓された本棚なども、知的な印象を与えられる場合があります。
【実践編】オンラインで熱意を伝える話し方のコツ
環境が整ったら、いよいよ実践です。対面以上に「伝える」意識を持って、以下のポイントを実践してみましょう。
普段より1.2倍ハキハキと話す
マイクを通した音声は、対面で聞くよりもこもって聞こえがちです。普段よりも少しだけ声のトーンを上げ、一音一音を明確に発音する「分離発声」を意識しましょう。口をはっきりと動かすことで、表情も豊かになり、熱意が伝わりやすくなります。
対面以上に「間」と「結論ファースト」を徹底する
オンラインでは通信のタイムラグが発生しやすいため、相手の発言にすぐ被せて話すと、会話が衝突してしまうことがあります。面接官が話し終えたのを確認し、一呼吸おいてから話し始めるくらいの「間」を意識すると、落ち着いた印象を与えられます。また、いつ通信が不安定になるか分からない状況では、最初に結論を伝える「結論ファースト」がより一層重要になります。
リアクションは大きく、分かりやすく
画面越しでは、些細な表情の変化は伝わりません。面接官が話しているときは、普段より少し大げさにうなずいたり、相槌を打ったりすることで、「しっかりと聞いています」という姿勢をアピールできます。驚いた表情や笑顔なども、意識的に大きく表現することで、あなたの感情や人柄が伝わりやすくなります。
カメラのレンズを「相手の目」と捉える
オンライン面接で最も難しいのがアイコンタクトです。画面に映る面接官の顔を見ていると、相手からは目線が下に落ちているように見えてしまいます。話すときはカメラのレンズを見てください。これがオンライン上でのアイコンタクトです。時折、画面に目を移して相手の反応を確認しつつも、基本的にはレンズに向かって話すことを徹底しましょう。これにより、自信と誠実さが伝わります。
これはNG!オンライン面接で評価を下げてしまう行動
良かれと思ってやったことや、無意識の行動がマイナス評価に繋がることもあります。特に注意したいNG行動をまとめました。
NG行動 | なぜNGか・与える印象 | 改善策 |
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カンペの棒読み | 目線が不自然に動くため、すぐに分かります。熱意が感じられず、コミュニケーション能力を疑われます。 | キーワードを箇条書きにしたメモを手元に置く程度に留め、自分の言葉で話す練習を重ねる。 |
ツールの操作にもたつく | 「準備不足」「ITリテラシーが低い」という印象を与えてしまいます。 | 事前に使用するツールを実際に操作しておく。特に画面共有の機能は一度試しておく。 |
生活音や通知音が入る | 面接への集中力を欠いている、配慮が足りないと思われます。 | 静かな部屋を確保し、スマートフォンやPCの通知はすべてオフにする。同居家族にも事前に伝えておく。 |
下を向いて話す | 自信がなさそうに見え、暗い印象を与えます。手元の資料に頼りすぎている可能性も。 | カメラの高さを目線に合わせ、レンズを見て話すことを意識する。背筋を伸ばし、良い姿勢を保つ。 |
まとめ
面接では、話す内容だけでなく「話し方」が合否を大きく左右します。
なぜなら、第一印象や人柄、コミュニケーション能力は、声のトーンや話の構成といった非言語的な要素から伝わるからです。
本記事で紹介した結論ファーストやPREP法などのテクニックは、練習すれば誰でも習得可能です。
自信を持って話せるよう準備を重ね、あなたの熱意と魅力を最大限に伝え、希望する企業からの内定を勝ち取りましょう。
