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【面接で伝わる話し方の技術】緊張せずに話せるメソッド

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面接は、単に質問に答える場ではなく、応募者が自身の能力や熱意を企業に売り込み、内定を勝ち取るための「対話」であり「仕事の延長」です。応募書類(職務経歴書など)が「文字による表現」だとすれば、面接は「話すことによる表現」であり、その結果がすべてです。

多くの人が面接で力を発揮できないのは、準備不足からくる不安や、面接官の視点を欠いた自己中心的なコミュニケーションが原因です。本記事では、緊張をコントロールし、面接官に「この人と一緒に働きたい」と思わせる「伝わる話し方の技術」を、基礎から応用まで徹底的に解説します。

目次

第1章:面接成功の土台となる「マインドセットと基本構造」

面接で最高のパフォーマンスを発揮するためには、まず心構え(マインドセット)を整え、相手にストレスを与えない話し方の基本構造を身につけることが重要です。

1. 面接を「対話」として捉えるマインドセット

面接は、事前に用意した回答を一方的にまくし立てるプレゼンテーションではありません。面接官の表情や声の調子から、自分の話がきちんと伝わっているかを敏感に察知し、臨機応変に補足説明をしたり、相手の理解度を確認したりする「言葉のキャッチボール」を意識する姿勢が求められます。

コミュニケーション能力の評価: あらゆる仕事において最も重要なスキルの一つはコミュニケーション能力であり、面接はまさにそれを評価する場です。相手の状況に合わせた柔軟な対応ができない人は、面接で高く評価されることはありません。

謙虚さの中に自信を持つ: 面接では、高飛車な態度も弱々しい態度もいけません。自分のスキルや経験を過大評価・過小評価せず、謙虚な姿勢を示しながらも、自信を持って受け答えすることが大切です。

2. 論理的で簡潔な回答構造の徹底

面接官にストレスを与えず、話の要点を正確に伝えるためには、論理的な構造が必要です。

結論ファースト(CRFの原則): まず質問に対する答え(結論)を伝えることで、「この学生は何が言いたいんだ?」という面接官のストレスをなくします。論理的に話す基本として、「結論 (Conclusion)」→「理由 (Reason)」→「事実/裏づけ (Fact)」の3つのポイントを押さえる「CRFの原則」が有効です。

PREP法: 「結論 (Point)」→「理由 (Reason)」→「事例/具体例 (Example)」→「結論を繰り返す (Point)」という順序で話すPREP法は、集団面接や短時間の質問で簡潔かつ説得力のある話し方をしたい場合に特に効果的です。

STAR+Lメソッド(転職・経験者向け): 中途採用では「具体的な仕事の経験と実績」が求められるため、STAR(状況、課題、行動、結果)のフレームワークが非常に役に立ちます。さらに、面接での評価を上げるためには、Learning(学び)を追加したSTAR+Lが推奨されます。

    ◦ Result(結果)とLearning(学び)は特に重要で、意識しておかないと疎かになりがちです。最終的な実績や成果、そしてそこから何を学んだか(成長したか)を明確に語ることで、説得力が増します。

第2章:緊張を克服する「メンタルコントロールと非言語技術」

緊張は初対面の人に短時間で自分をアピールする場では自然なことです。重要なのは、その緊張をコントロールし、自信を持って振る舞う技術です。

1. 緊張を自信に変えるマインドセット

事前準備の徹底: 面接以外の部分で気が散ることがないよう、持ち物や会場までのルート確認など、あらかじめ漏れのない準備をしておくことが、不安の原因を取り除き、心に余裕を生みます。

自己鼓舞の言葉: 一流のスポーツ選手は自身を鼓舞するために「私はできる、できる」と唱えています。モチベーション維持のため、自分にフィットする言葉を見つけ、声に出して唱えることが大切です。

過去の成功体験の活用: 「リフレーミング」を活用し、過去の成功体験を思い出すことで、「自分にはできる」という確信を持つことができます。

不安の最小化: 面接官はあなたに「この人なら大丈夫か」という安心感を求めているため、「わからない」「自信がない」といった不安や自信のなさを見せる言動は、面接では避けることが必須です。

2. 面接官に好感を持たれる「話し方」の工夫

回答内容とともに、語調、態度、表情といった「見えない言葉」(ノンバーバルコミュニケーション)が採否の判断材料になります。

声と感情: 覚えてきたセリフを淡々と話すのではなく、感情を込めて想いを伝えてください。赤面したり声が震えたりしても、「伝われ」という熱い想いは必ず伝わります。声の大きさや響きを工夫し、好感を持たれる声を作るトレーニングが有効です。

語調のコントロール: 早口でまくし立てるような語調は不快感を抱かせます。早口な傾向がある人は、ゆっくり話すことを意識し、声が低い人は半音上げて語るようにすると良いでしょう。

表情と視線: 緊張すると口角が下がりがちになり、硬い表情に見えることがあります。口角を上げて、柔らかな表情で臨むことを意識しましょう。視線は、面接官の両目と鼻のトライアングルゾーン、もしくは頭部のさらに上を見ると、相手を凝視しすぎずに済みます。

息遣いと間(オンライン対策): 豊かな表現力は、息遣いや間の取り方が適切であることによっても左右されます。特にWeb面接ではディレイ(遅延)の問題が発生しやすいため、面接官の質問を聞いてからひと呼吸置いて間をあけることが推奨されます。

第3章:面接官に響く「回答コンテンツ」の技術

面接官の質問の意図を正確に理解し、自分の経験を企業が求める形にカスタマイズ(ハッシュタグを付ける)することが、内定獲得の鍵です。

1. 質問の意図とニーズの把握

面接官の質問には、必ず「採用する側が確認したいこと」という意図があります。

企業が求める人材の想定: 面接官は、自社で利益を上げる可能性が高い人物、すなわち「戦力になる可能性が高い学生」や「即戦力」を求めている視点を常に意識する必要があります。

ハッシュタグの付け替え: 自分の経験を、応募企業の「必須条件」や「歓迎条件」に応じてカスタマイズすることが重要です。同じ実績でも、A社には「営業経験」を、B社には「プロジェクトマネジメント」の経験として言い換えるなど、企業が求める人材像に合わせて「ハッシュタグ」を付け替える必要があります。

自己PRのカスタマイズ: 自己PRでは、単なる経歴の紹介ではなく、「一緒に働く仲間としてのメリット」をPRすることがポイントです。例えば、「忍耐力」をアピールする場合、骨折に耐えた経験ではなく、ビジネスで成果を上げるために必要な粘り強さにつなげる必要があります。

2. ネガティブ要素をポジティブな「ストーリー」に転換する技術

転職回数やブランク、キャリアの一貫性の欠如といった不利な要素は、面接官の不安を払拭するチャンスと捉えましょう。

ネガティブ要素の転換(全般): 「ネガティブな要素があるからダメだろうな」と諦める必要はありません。不利な状況を指摘された際には、それを「どう乗り越えたか」という**修正力(Reflection)推進力(Progressiveness)**を示す絶好の機会です。

転職回数が多い場合: 転職回数をごまかしてはいけません。様々な職場で培った「臨機応変な対応力」と「経験の豊富さ」をアピールする、開き直りともいえる強気な姿勢も一つの選択肢です。ただし、これは一部の会社でしか通用しない場合が多いことも認識しておく必要があります。

一貫性のないキャリア: 過去の職種に「一貫性がない」という事実は変わりませんが、それらの職種から何を学び、何を身につけたかという、経験の捉え方は自分次第です。一見一貫性がなく思える仕事の中に、「数値管理」といった共通点や業務の「エッセンス」を抽出することで、説得力のあるストーリーを作り上げることが可能です。

ブランク期間: 「特に何もしていなかった」「自分探しの旅に出ていた」といった回答は、仕事への意欲や責任感が感じられないため避けるべきです。ブランク期間は、「一定期間の海外経験を積むため」「資格取得のため」など、明確な理由と計画性を持って過ごした期間として説明し、それが転職後の業務にどう活かせるかを示す必要があります。

3. 応用的な質問への「思考」を伝える技術

面接官が知りたいのは、あなたの行動の裏側にある「思考」や「背景」です。

抽象的な質問への対応: 「仕事をするうえで大切にしていること」などの質問では、具体的な行動よりも、なぜその行動をとったのか、どういう意図でその選択肢を選んだのか、という「姿勢」や「考え方」を伝えることが重視されます。

企業への課題指摘: 応募企業の短所(弱み)を問われた際は、会社全体としての「弱み」を話し、SWOT分析などの手法で企業をまとめておくと有利です。単なる感想や批判ではなく、その課題に対し、入社後の自分がどのように改善できるかを語ることが重要です。

時事問題への対応: 「最近気になったニュース」を聞かれたら、単なる趣味やスポーツの話題ではなく、その業界・企業に関連するニュースを金融的、経済的なアプローチで私見(自分自身の見解)をプラスすることで、評価が格段に上がります。

第4章:状況別・面接を円滑に進める技術とマナー

面接は「対話」であるため、予期せぬ質問や状況に冷静かつ柔軟に対応できる能力が評価されます。

1. 予期せぬ事態への冷静な対処

質問が聞き取れない/忘れた場合: 質問の意味が分からなくなった場合、曖昧なまま話し続けるよりも、「申し訳ありませんが、緊張のあまり質問を忘れてしまいました。もう一度教えていただけますか」と素直に確認する方が遥かに失礼ではありません。

「わからない」質問が来た場合: 専門分野や時事系などで答えられないときは、知ったかぶりをせずに「申し訳ございませんが、わかりません」と正直に答えるべきです。ただし、帰宅後にその内容を調べ、レポートにまとめて送るくらいの行動力を見せることで、評価につながる可能性があります。

圧迫面接: 圧迫面接は、受験者の能力を深く確認したいという意図からくる場合もあれば、ストレス耐性や柔軟性を見る場合もあります。批判的な質問に対しては、感情的にならず、冷静に対応する姿勢が求められます。例えば、「あなたはこの職種に向いていないのではないですか?」と聞かれたら、素直に「どうして私がこの職種に向いていないと思われたのですか?」と質問の意図を聞くのが有効です。

不適切な質問: 採用と関係ないと思われる質問(車のナンバー、家族構成、思想など)を受けた際は、ハッキリと「今のご質問は、採用と何か関係がありますか」と質問の意図を聞くべきです。

2. オンライン面接・集団面接の特有の技術

オンラインでの「間」の調整: Web面接ではディレイ(遅延)の問題があるため、質問を聞いてからすぐに答えると冒頭が聞き取れないことがあります。ひと呼吸置いて間をあけることで、スムーズな会話が可能です。

ボディアクション: オンライン面接は対面と違い、意欲や熱意が伝わりにくいことがあるため、ややボディアクションをつけると良いでしょう(うなずきなど)。

集団面接での態度: 集団面接では、話をしていないときの態度や振る舞いも評価されています。姿勢を正し、隣りの学生の話にもきちんと耳を傾けるべきです。他の応募者と同じ回答になる場合でも、「前の方のご意見と同様ですが、私は…」と前置きし、自分なりの言葉や経験談を添えて伝えることで問題ありません。

3. 立ち居振る舞いとマナーの徹底

面接は受付から始まっており、面接室以外の場所でも面接中と心得ましょう。

身だしなみ: 最初の印象は記憶に残るものなので、身だしなみを整え、笑顔で元気にあいさつすることで、自分自身も落ち着けます。特に、靴はしっかり磨き、スーツやシャツに清潔感があるかを確認しましょう。

敬語と話し方: 最低限の敬語は使えるようにしておくことが、社会人としての常識があると評価される基準となります。また、受け答えのしかたとして、何を聞かれても答える前に必ず「はい」で受けることが、落ち着いた印象を与えます。

入退室: 入室から着席まで、そして退室までを事前に練習しておきましょう。面接官にアピールできる最後の瞬間は退室時です。ドアの前で立ち止まり、面接官の方を向き、120%の想いを込めてしっかりお辞儀をすることが大切です。

カバンの扱い: イスに座るときは、カバンをイスの横に置き(倒れるものはNG)、コートをカバンの上に置いてから座りましょう。

結論:伝わる話し方とは「相手への配慮」である

面接で伝わる話し方の技術とは、すなわち**「相手への配慮」**に尽きます。それは、面接官のニーズを深く理解し(質問意図の把握)、彼らが求める貢献度に合わせて自分の経験をカスタマイズし(ハッシュタグとSTAR+L)、そして、結論から簡潔かつ論理的に伝える(CRF/PREP)ことです。

話が苦手だと諦める必要はありません。コミュニケーション能力は、自分の頭で本気で考えて、日々心掛けることでしか改善されません。自分の能力や行動力をこれまでの仕事と絡めて語ることで、面接官に「採用して損はさせない」という安心感と確信を与えることができるでしょう。

面接の練習は、誰かに見てもらうよりも、自分の頭で本気で考え、鏡や録画機能を使って自分の話し方を客観視する(メタ認知)ことが、最も効果的な自己改善の道です。この「伝わる技術」を身につけ、自信を持って面接に臨んでください。

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