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【書類選考で落ちない職務要約の書き方とは?】人事の心を掴むサンプル例文を公開

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職務経歴書の中でも特に重要な「職務要約」。書き方がわからなかったり、書類選考がなかなか通過できなかったりする原因は、この職務要約にあるかもしれません。なぜなら、採用担当者はまず職務要約を読み、その先の経歴詳細を読むかどうかを数秒で判断しているからです。この記事を読めば、採用担当者の視点を理解し、書類選考の通過率を上げる職務要約の書き方がわかります。自身のキャリアの棚卸しから、応募企業に響くアピール方法までを5つのステップで具体的に解説。さらに、営業職・事務職・ITエンジニアなどの【職種別】や、第二新卒・未経験応募などの【状況別】に、今すぐ使える豊富なサンプル例文を公開します。NG例も参考に、あなたの職務要約を「会ってみたい」と思わせる武器に変えましょう。

目次

職務要約とは 人事担当者が最も重視する項目

転職活動において、職務経歴書はあなたのキャリアをアピールするための最も重要な書類です。その中でも、冒頭に記載する「職務要約」は、採用担当者が最初に目を通す、いわば職務経歴書の「顔」であり「予告編」です。多くの応募書類に目を通す多忙な採用担当者は、この職務要約を読んで、あなたの経歴全体に目を通すかどうかを判断します。つまり、職務要約の出来栄えが、書類選考の通過率を大きく左右すると言っても過言ではありません。この章では、まず職務要約が持つ役割と、なぜそれが書類選考で重要視されるのかについて詳しく解説します。

職務経歴書における職務要約の役割

職務要約は、単に経歴を短くまとめたものではありません。採用担当者に対して、あなたが「どのような経験を持ち、何ができる人物なのか」を瞬時に伝えるための戦略的なプレゼンテーションツールです。職務要約が担う主な役割は、以下の3つに整理できます。

役割具体的な内容
職務経歴のダイジェストこれまでのキャリアの概要を200〜300字程度で簡潔に伝え、採用担当者に「この先も読んでみたい」と思わせる導入の役割を果たします。
強み・スキルのハイライト数ある経験やスキルの中から、応募先企業で最も活かせると考えられるものを強調して提示します。自身の市場価値を効果的にアピールする場です。
採用担当者の負担軽減毎日多くの書類を確認する採用担当者が、短時間で応募者の能力や経験の要点を把握し、自社とのマッチ度を判断するための手助けとなります。

このように、職務要約はあなたの職務経歴書を読んでもらうための「つかみ」であり、あなたという人材の魅力を凝縮した広告塔の役割を担っているのです。

なぜ職務要約が書類選考の合否を左右するのか

採用担当者は、1日に数十通、多いときには100通以上の応募書類を確認します。そのため、1通の職務経歴書にかけられる時間は、わずか数分程度と言われています。その限られた時間の中で、まずチェックするのが職務要約です。

ここで「会ってみたい」「もっと詳しく知りたい」と思わせることができなければ、その後の詳細な職務経歴や自己PRを読んでもらえないまま、不採用となってしまう可能性があります。職務要約は、あなたの第一印象を決定づける極めて重要なパートなのです。

また、職務要約を簡潔かつ魅力的にまとめるスキルは、ビジネスにおける「要約力」や「論理的思考力」の証明にもなります。要点を的確に捉え、相手に分かりやすく伝える能力は、どのような職種においても求められる基本的なビジネススキルです。分かりにくい、あるいは要領を得ない職務要約は、それだけでビジネスパーソンとしての評価を下げてしまうリスクをはらんでいます。

さらに、採用担当者は職務要約を通して、応募者が「自社の求める人物像を正しく理解しているか」を見ています。企業のニーズと自身の強みを結びつけてアピールできているかどうかが、マッチング度を判断する最初のフィルターとなります。ここで期待外れだと思われれば、その先の選考に進むことは難しくなるでしょう。だからこそ、職務要約は書類選考の合否を分ける最初の関門として、細心の注意を払って作成する必要があるのです。

魅力的な職務要約の書き方の基本構成

採用担当者は、毎日数多くの職務経歴書に目を通します。その中で、あなたの書類を「もっと詳しく読みたい」と思わせるためには、冒頭の職務要約で心を掴むことが不可欠です。魅力的な職務要約は、単なる経歴のダイジェストではありません。あなたという人材の価値を簡潔に伝える「プレゼンテーション資料」です。ここでは、採用担当者の視点を意識した、職務要約の基本となる3つの構成要素を詳しく解説します。

要素1 これまでの職務経歴の要点

まず最初に、あなたが「いつ、どこで、何をしていたか」というキャリアの全体像を簡潔に伝えます。採用担当者は、ここを読むだけであなたの経歴の骨子を瞬時に把握できます。具体的には、以下の情報を盛り込みましょう。

  • 直近の会社名(またはそれに準ずる経歴)
  • 在籍期間
  • 所属部署と役職
  • 担当した業務内容の概要

文章の冒頭で「〇〇大学を卒業後、〇〇株式会社にて〇年間、営業職として法人向けの新規開拓に従事してまいりました。」のように記述することで、キャリアのスタート地点と主軸が明確になります。複数の企業を経験している場合は、最もアピールしたい経歴や、在籍期間の長い企業の経験を中心に記載すると良いでしょう。

要素2 活かせる知識やスキルと具体的な実績

次に、職務要約の中で最も重要となる「アピールポイント」を伝えます。職務経歴を通じて培った専門知識やスキル、そしてそれを裏付ける具体的な実績を記述する部分です。採用担当者は、あなたが「何ができる人物なのか」「自社で活躍してくれるのか」をこの部分で判断します。

実績を伝える際は、「売上を伸ばしました」といった曖昧な表現ではなく、「前年比120%の売上を達成」「新規顧客を50社開拓」「業務効率化によりコストを15%削減」のように、具体的な数字を用いて定量的に示すことが極めて重要です。数字は客観的な事実であり、あなたの貢献度を説得力をもって示してくれます。応募先の職務で求められるスキルと自身の経験を結びつけ、即戦力として活躍できることをアピールしましょう。

スキル・知識具体的な実績・経験の記述例
法人営業スキル中小企業向けに自社開発の勤怠管理システムを提案。顧客の課題解決に注力した結果、担当エリアの売上目標を10四半期連続で達成しました。
プロジェクトマネジメント5名からなる開発チームのリーダーとして、新規Webサービスの立ち上げプロジェクトを管理。要件定義からリリースまで、3ヶ月の納期を前倒しで完遂しました。
PCスキル(Excel)ExcelのVBAやマクロを活用し、手作業で行っていた月次レポート作成業務を自動化。毎月約10時間の作業時間削減に成功しました。

要素3 入社意欲と貢献できること

職務要約の締めくくりとして、これまでの経験やスキルを応募先企業でどのように活かし、貢献していきたいかという前向きな意欲を示します。単なる自分の強みのアピールで終わらせず、「だからこそ貴社で貢献できる」という流れを作ることで、採用担当者の心に響きます。

そのためには、企業のウェブサイトや求人情報などを読み込み、事業内容や企業理念、求める人物像を深く理解することが不可欠です。「これまでの法人営業で培った課題解決能力を活かし、貴社の主力事業である〇〇の更なるシェア拡大に貢献したいと考えております。」のように、企業研究に基づいた具体的な言葉で締めくくることで、入社への熱意と志望度の高さが伝わります。

採用担当者に響く職務要約の書き方 5つのステップ

採用担当者の目に留まり、次の選考に進むための職務要約は、戦略的に作成する必要があります。ここでは、誰でも魅力的な職務要約を作成できる5つのステップを具体的に解説します。この手順に沿って進めることで、あなた自身の強みを効果的にアピールできるでしょう。

ステップ1 自身のキャリアを棚卸しする

職務要約を書く前の準備として、まずは自身のこれまでのキャリアを客観的に振り返る「キャリアの棚卸し」が不可欠です。これを行うことで、アピールできる強みやスキル、実績を明確に言語化できるようになります。記憶に頼るだけでなく、過去の業務日報や作成資料、評価シートなどを見返しながら、以下の項目を具体的に書き出してみましょう。

項目書き出す内容の例
期間・所属2020年4月〜現在、株式会社〇〇 営業部
業務内容法人向けSaaSサービスの新規開拓営業。主に中小企業を対象としたインサイドセールスとフィールドセールスを担当。
役割・役職チームリーダーとして3名のメンバーのマネジメントも兼務。
実績・成果2022年度:個人売上目標120%達成(チーム内1位)。新規顧客獲得数50社。
習得スキルSalesforceを用いた顧客管理、課題解決型の提案スキル、新規開拓営業の戦略立案。
工夫した点顧客の潜在ニーズを引き出すため、業界ごとのヒアリングシートを独自に作成し、成約率を前年比15%向上させた。

この作業を通じて、自分では当たり前だと思っていた業務の中に、アピールすべき強みが隠れていることに気づくはずです。

ステップ2 応募先企業が求める人物像を分析する

次に、応募先企業がどのような人材を求めているのかを徹底的に分析します。自己PRが独りよがりなものにならないよう、企業のニーズと自身の強みを合致させることが重要です。特に、求人情報の「仕事内容」「応募資格」「歓迎スキル」「求める人物像」の項目は熟読しましょう。企業の採用サイトや社長メッセージ、プレスリリースなどから、企業文化や事業の方向性を読み解くことも有効です。

例えば、「主体的に行動できる方」とあれば、指示待ちではなく自ら課題を見つけて解決した経験を、「チームワークを大切にする方」とあれば、他部署と連携してプロジェクトを成功させた経験などをアピール材料としてピックアップします。

ステップ3 構成要素に沿ってアピールポイントを整理する

ステップ1と2で集めた情報を、職務要約の基本構成である「職務経歴の要点」「活かせる知識・スキルと実績」「入社意欲と貢献」の3つの要素に沿って整理します。ステップ2で分析した「企業が求める人物像」に響くであろう要素を、ステップ1で棚卸しした自身の経験の中から選び出し、戦略的に配置していきましょう。

この段階で、アピールしたいポイントが複数ある場合でも、最も伝えたいことに絞り込むのがコツです。特に、応募職種との関連性が高く、再現性のあるスキルや実績を優先的に選びましょう。

ステップ4 200字から300字で簡潔に文章化する

整理したアピールポイントを、いよいよ文章に落とし込みます。多忙な採用担当者が短時間で内容を把握できるよう、文字数は200字から300字程度に収めるのが理想的です。長すぎる要約は読んでもらえない可能性があります。

文章を作成する際は、以下の点を意識すると、より伝わりやすくなります。

  • 結論から書く:「〇〇として〇年間、〇〇の経験を積んでまいりました」のように、最初にキャリアの全体像を示します。
  • 実績は具体的に:「売上を伸ばしました」ではなく、「〇〇という施策により、売上を前年比115%に向上させました」のように、具体的な数字や固有名詞を用いて説得力を持たせます。
  • 一文を短く:読点(、)を多用した長い文章は避け、簡潔な文章を心がけます。

これらのポイントを踏まえ、ステップ3で整理した要素を繋ぎ合わせ、一つのストーリーとしてまとめ上げてください。

ステップ5 誤字脱字や表現を最終チェックする

完成した文章は、提出前に必ず最終チェックを行いましょう。誤字脱字や不自然な表現は、注意力散漫な印象を与え、評価を下げてしまう原因になります。自分一人での確認には限界があるため、以下の方法を試すことをお勧めします。

  • 声に出して読む:文章のリズムや言い回しの違和感に気づきやすくなります。
  • 時間を置いて読み返す:一度時間をおくことで、客観的な視点で文章を見直すことができます。
  • 第三者に読んでもらう:家族や友人、転職エージェントのキャリアアドバイザーなど、自分以外の人に読んでもらい、伝わりにくい部分がないかフィードバックをもらうと効果的です。
  • 校正ツールを活用する:Wordなどの文章作成ソフトに搭載されている校正機能や、オンラインの校正ツールを利用するのも良いでしょう。

完璧な職務要約で、自信を持って書類選考に臨みましょう。

【職種別】すぐに使える職務要約の書き方とサンプル例文

職務要約でアピールすべきポイントは、応募する職種によって大きく異なります。採用担当者は、その職種で求められるスキルや経験を持っているかを短時間で見極めようとします。ここでは、主要な5つの職種別に、評価される書き方のポイントとすぐに使えるサンプル例文を紹介します。ご自身の経歴に合わせてカスタマイズしてご活用ください。

営業職の職務要約サンプル

営業職の職務要約では、実績を具体的な数値で示すことが最も重要です。どのような商材を、誰に対して、どのように販売し、どのような成果を上げたのかを明確に伝えましょう。再現性のあるスキルとしてアピールできます。

書き方のポイント

項目記載内容の例
経験業界・商材IT業界でのSaaSプロダクト、不動産業界での個人向け住宅など
顧客ターゲット法人(新規/既存)、個人、中小企業、大手企業など
営業スタイル反響営業、テレアポ、紹介、代理店営業など
具体的な実績売上目標達成率(例:120%を8期連続達成)、新規顧客獲得件数(例:年間50社)、社内順位(例:50人中1位)

サンプル例文

大学卒業後、株式会社〇〇にて法人向けSaaSプロダクトの新規開拓営業に5年間従事してまいりました。主に中小企業をターゲットとし、テレアポからクロージングまで一貫して担当。顧客の課題解決を第一に考えた提案を心がけ、3年連続で売上目標120%以上を達成いたしました(2023年度は135%達成)。特に、ヒアリングで得た顧客ニーズを開発部門にフィードバックし、新機能開発に繋げた経験は、顧客満足度の向上と解約率の低下に貢献できたと自負しております。これまでの課題解決型の提案営業で培ったスキルを活かし、貴社の事業拡大に貢献したいと考えております。

事務職の職務要約サンプル

事務職では、業務の正確性、効率性、そして対応範囲の広さが評価されます。どのような業務を担当し、どのように工夫して業務改善に繋げたのかを具体的に示しましょう。PCスキルや保有資格も重要なアピールポイントです。

書き方のポイント

項目記載内容の例
担当業務営業事務、経理事務、人事労務、総務など
PCスキルWord、Excel(VLOOKUP、ピボットテーブル)、PowerPoint、Accessなど
業務改善の実績RPAやマクロ導入による業務効率化(例:月間20時間の工数削減)、マニュアル作成による業務標準化など
対応力電話・来客対応、部署間の連携、サポート経験など

サンプル例文

約5年間、メーカーの営業事務として、受発注管理、請求書発行、売上データ集計、電話・メール対応など幅広く担当してまいりました。Excelの関数やマクロを活用し、手作業で行っていた月次レポート作成業務を自動化することで、毎月約10時間の工数削減を実現しました。また、営業担当がスムーズに業務を進められるよう、先回りしたサポートを常に意識してまいりました。MOS Expertの資格も保有しており、正確かつ迅速な資料作成を得意としております。これまでの経験で培った事務処理能力と調整力を活かし、貴社の円滑な事業運営に貢献いたします。

ITエンジニアの職務要約サンプル

ITエンジニアの場合、技術スキル(言語、フレームワーク、DB、インフラなど)を具体的に記載することが不可欠です。どのようなプロジェクトで、どのポジション(役割)で、どのような技術を用いて開発に貢献したのかを明確にしましょう。

書き方のポイント

項目記載内容の例
担当領域Webアプリケーション開発、モバイルアプリ開発、インフラ構築・運用など
プロジェクト規模開発人数、プロジェクト期間など
担当フェーズ要件定義、設計、開発、テスト、運用・保守など
技術スタック言語(Java, PHP, Python)、FW(Spring, Laravel)、DB(MySQL)、クラウド(AWS, Azure)など

サンプル例文

Webアプリケーション開発エンジニアとして5年の実務経験がございます。現職では、ECサイトのバックエンド開発を主に担当し、JavaとSpring Bootを用いたAPI開発に従事してまいりました。5名チームのサブリーダーとして、メンバーのコードレビューや技術的なサポートも担当。パフォーマンス改善にも取り組み、バッチ処理の改修によって処理時間を30%短縮した実績がございます。プライベートではPythonを用いたデータ分析も学習しております。これまでの開発経験と継続的な学習意欲を活かし、貴社のサービス開発に貢献したいと考えております。

企画・マーケティング職の職務要約サンプル

企画・マーケティング職では、担当した商品やサービスに対して、どのような戦略・施策を実行し、どのような成果(売上、会員数、CVRなど)に繋がったのかを定量的に示すことが重要です。論理的思考力や分析力をアピールしましょう。

書き方のポイント

項目記載内容の例
担当商材・サービス化粧品、Webサービス、食品など
担当業務商品企画、Webマーケティング、SNS運用、広告運用、SEO対策など
使用ツールGoogle Analytics, Salesforce, Adobe Photoshopなど
具体的な実績担当商品の売上〇%アップ、Web広告経由のCVRを〇%改善、SNSフォロワー数を〇万人増加など

サンプル例文

化粧品メーカーにて3年間、デジタルマーケターとして自社ECサイトの集客・販促企画を担当してまいりました。主にSEO対策とWeb広告運用を担当し、コンテンツSEOの強化によりオーガニック流入数を前年比150%に増加させました。また、リスティング広告のキーワードや広告文の改善を重ね、CPAを20%削減しながらCV数を1.3倍に伸ばした実績がございます。Google Analyticsを用いたデータ分析に基づき、仮説検証を繰り返すことで成果に繋げてきました。貴社でも、これまで培った分析力と実行力を活かし、デジタル領域での事業成長に貢献したいと考えております。

販売・サービス職の職務要約サンプル

販売・サービス職では、売上などの数値実績に加え、顧客満足度向上のための工夫や店舗運営への貢献、チームマネジメント経験などが評価されます。ホスピタリティやコミュニケーション能力が伝わるように記述しましょう。

書き方のポイント

項目記載内容の例
経験業態・商材アパレル、百貨店、ホテル、飲食店など
役割・ポジション店舗スタッフ、副店長、店長など
売上実績個人売上目標達成率、店舗売上昨年対比、リピート率など
店舗運営への貢献VMD(ビジュアルマーチャンダイジング)の改善、新人スタッフの育成、在庫管理の効率化など

サンプル例文

アパレルブランドの販売員として4年間勤務し、うち2年間は副店長として店舗運営に携わりました。お客様一人ひとりに寄り添った接客を心がけ、個人売上目標は24ヶ月連続で達成。顧客アンケートではお褒めの言葉を多数いただきました。副店長としては、売上管理やスタッフ育成に加え、VMDの改善提案を積極的に行い、店舗全体の売上を前年比115%まで引き上げることに貢献しました。お客様に喜んでいただくことにやりがいを感じており、これまでの経験で培った高いレベルの接客スキルと店舗マネジメント能力を、貴社のブランド価値向上に活かしていきたいと考えております。

【状況別】応用編 職務要約の書き方とサンプル例文

職務経歴は人それぞれです。ここでは、応募者の状況に応じた職務要約の書き方と、人事担当者の心に響くサンプル例文を3つのパターンに分けて解説します。ご自身のキャリアに合わせて、アピールポイントを効果的に伝えましょう。

第二新卒・経験が浅い場合の書き方とサンプル

社会人経験が3年未満の第二新卒や経験が浅い方は、実績やスキルの豊富さよりも「ポテンシャル」と「仕事への意欲」をアピールすることが重要です。短い期間であっても、その中で何を学び、どのように仕事に取り組んできたかを具体的に示すことで、今後の成長性を期待させることができます。

書き方のポイント

  • ポテンシャルをアピールする:実績が少ない分、学習意欲や素直さ、目標達成意欲といったポテンシャルを強調します。
  • 基本的なビジネススキルを示す:前職で習得したビジネスマナーやPCスキル(Word, Excel, PowerPointなど)も忘れずに記載しましょう。
  • 前向きな転職理由を伝える:キャリアアップへの意欲など、ポジティブな姿勢を示すことが大切です。

【サンプル例文】第二新卒・営業職

大学卒業後、株式会社〇〇にて法人営業として1年半、主に中小企業向けのITツール導入支援に従事してまいりました。担当顧客50社に対し、定期的な訪問とヒアリングを通じて潜在的な課題を抽出し、解決策を提案する中で、顧客との信頼関係構築力を培いました。入社1年目には、目標達成率110%を記録しました。この経験で培った課題発見力と粘り強い提案力を活かし、より顧客の事業成長に深く貢献できる貴社のソリューション営業として、一日も早く戦力となれるよう尽力いたします。

未経験職種へ応募する場合の書き方とサンプル

未経験の職種へキャリアチェンジを目指す場合、これまでの経験と応募職種との「共通点」を見つけ出し、そこで活かせる「ポータブルスキル」をアピールすることが鍵となります。なぜその職種に挑戦したいのか、その熱意と自己学習などの具体的な行動を示すことで、採用担当者の不安を払拭しましょう。

書き方のポイント

項目説明
ポータブルスキルの明示コミュニケーション能力、課題解決能力、論理的思考力、マネジメント能力など、業種・職種を問わず活かせるスキルを具体的にアピールします。
熱意と学習意欲の証明なぜその職種に就きたいのかという明確な理由と共に、資格取得やスクールでの学習、自主的な勉強など、意欲を行動で示していることを伝えます。
再現性の提示前職での成功体験を、応募職種でどのように再現し、貢献できるかを具体的に述べます。

【サンプル例文】事務職からWebマーケターへ

〇〇株式会社にて5年間、営業事務として勤務し、受発注管理や請求書作成、顧客対応を担当してまいりました。業務効率化のためにExcelのVBAを独学で習得し、手作業で行っていたデータ集計業務を自動化することで、月間10時間の工数削減を実現しました。この経験から、データ分析を通じて課題を解決することに強い関心を持ち、Webマーケターを志望しております。現在はWeb解析士の資格取得に向けて勉強中であり、前職で培ったデータ分析力と粘り強い改善提案力を活かして、貴社のサービスグロースに貢献したいと考えております。

管理職・ベテラン向けの書き方とサンプル

管理職や豊富な経験を持つベテラン層は、個人の実績だけでなく、チームや組織全体に与えた影響をアピールすることが求められます。マネジメント経験や事業推進能力、組織課題の解決実績などを具体的な数字を交えて示すことで、即戦力としての高い能力を証明しましょう。

書き方のポイント

  • マネジメント実績を具体的に示す:部下の人数、育成経験、チームの目標達成率、組織の風土改革など、マネジメントとしての成果を定量的に記述します。
  • 事業への貢献度をアピールする:担当プロジェクトの規模(予算、関わった人数など)や、売上・利益への貢献、コスト削減の実績などを明確に伝えます。
  • 経営視点を盛り込む:一担当者ではなく、組織全体や経営の視点から物事を捉え、課題解決に取り組んだ経験をアピールすると評価が高まります。

【サンプル例文】管理職・ITエンジニア

SIerにて15年間、システム開発に従事し、直近の5年間は金融機関向け基幹システム開発プロジェクトのプロジェクトマネージャーを務めてまいりました。最大20名のメンバーを率い、要件定義から設計、開発、テスト、導入まで全工程を統括。徹底した進捗管理と課題の早期発見により、総額5億円規模のプロジェクトを一度の遅延もなく完遂させました。また、若手エンジニアの育成にも注力し、チーム全体の技術力向上と生産性20%アップに貢献しました。これまでの大規模プロジェクトのマネジメント経験と技術的知見を活かし、貴社の開発部門の組織力強化と事業発展に貢献できると確信しております。

これはNG 評価が下がる職務要約の残念な書き方

どれだけ素晴らしい経歴を持っていても、職務要約の書き方一つで評価が大きく下がってしまうことがあります。採用担当者は毎日数多くの職務経歴書に目を通しており、分かりにくい、魅力が伝わらない要約はすぐに読み飛ばされてしまいます。ここでは、書類選考で損をしないために、絶対に避けるべき職務要約のNGパターンを3つご紹介します。ご自身の職務要約が当てはまっていないか、ぜひチェックしてみてください。

職務経歴の羅列になっている

職務要約は、職務経歴書全体の「あらすじ」です。にもかかわらず、職務経歴欄に書かれている内容をただ時系列で並べただけ、あるいは箇条書きにしただけの要約が散見されます。これでは、採用担当者はあなたが「何をしてきたか」は分かっても、「何が得意で、自社でどう活躍してくれるのか」を瞬時に理解することができません。読み手に解釈を委ねる不親切な要約は、アピール不足と判断されてしまいます。

大切なのは、応募先企業が求める人物像に合わせて、数ある経験の中からアピールすべきポイントを strategicに取捨選択し、要約することです。あなたの強みと企業のニーズが合致していることを明確に示しましょう。

悪い例良い例
2015年4月に株式会社〇〇に入社し、法人営業部に配属。新規開拓営業を担当しました。2018年からは既存顧客向けのルート営業も担当。2021年からはチームリーダーとして3名のマネジメントも経験しました。大学卒業後、株式会社〇〇にて6年間、法人向けITソリューションの営業に従事してまいりました。特に新規開拓を得意とし、徹底した市場分析と顧客へのヒアリングを通じて、3年間で累計50社の新規顧客を獲得しました。後半の3年間ではチームリーダーとして3名のメンバーを率い、チーム目標を6期連続で達成した経験もございます。これらの経験で培った課題解決力とマネジメント能力を活かし、貴社の事業拡大に貢献したいと考えております。

実績に具体的な数字がない

実績をアピールする際は、必ず「売上〇%アップ」「コスト〇円削減」「〇〇の導入により、作業時間を月間〇時間短縮」のように、定量的なデータを用いましょう。数字で示すことで実績の信頼性が増し、あなたのビジネスにおける貢献度を具体的にイメージさせることができます。もし数値化が難しい定性的な実績であっても、「〇名のチームを率いて」「前例のない〇〇という課題を解決した」など、規模や難易度が伝わる工夫をすることが重要です。

悪い例良い例
Webマーケティング担当として、自社サイトのアクセス数増加に貢献しました。また、SNS運用にも力を入れ、フォロワー数を増やすことに成功しました。Webマーケティング担当として、SEO対策とコンテンツマーケティングに従事し、メディアの月間PV数を10万から50万へと5倍に拡大させました。また、X(旧Twitter)の戦略的な運用により、1年間でフォロワー数を5,000人から20,000人へ増加させ、SNS経由の問い合わせ件数を前年比150%に向上させた実績がございます。

応募企業への熱意が感じられない

職務要約は、スキルや実績をアピールするだけの場ではありません。なぜこの会社で働きたいのか、という入社意欲を示すことも同样に重要です。どの企業にも当てはまるような汎用的な内容では、「自社でなくても良いのでは?」と思われてしまい、志望度が低いと判断されかねません。

この問題を避けるためには、徹底した企業研究が不可欠です。応募先企業の事業内容、企業理念、今後の事業展開などを深く理解した上で、「貴社の〇〇というビジョンに共感し、私の△△というスキルを活かして貢献したい」というように、自身の経験と企業の方向性を結びつけて記述しましょう。「即戦力として貢献できる」という自信と、「この会社で働きたい」という熱意の両方を伝えることで、採用担当者の心を動かすことができます。

悪い例良い例
これまで培ってきた人事としての経験を活かし、採用業務や労務管理などで貢献したいと考えております。新しい環境でさらにスキルアップを目指したいです。5年間、人事として採用から労務まで幅広く経験してまいりました。「個人の成長が企業の成長に繋がる」という貴社の理念に深く共感しております。私の持つ採用ブランディングの経験を活かし、貴社が注力されているDX人材の獲得に貢献できると確信しております。

まとめ

本記事では、書類選考の通過率を格段に上げるための職務要約の書き方について、具体的なサンプルを交えながら解説しました。職務要約は、数多くの応募書類に目を通す人事担当者が、あなたの第一印象を決める最も重要な項目です。ここでいかに自身の経験やスキル、そして入社意欲を簡潔に伝えられるかが、次の選考に進めるかどうかの分かれ道となります。

魅力的な職務要約を作成する鍵は、「これまでの職務経歴」「活かせる知識やスキル・実績」「入社意欲」という3つの基本構成を押さえ、5つのステップ(キャリアの棚卸し、企業分析、アピールポイントの整理、文章化、最終チェック)に沿って丁寧に作り上げることです。特に、実績を語る際は具体的な数値を盛り込むことで、説得力が飛躍的に高まります。

職種別・状況別のサンプル例文を参考に、あなた自身の言葉で、応募先企業が求める人物像に合致した内容にカスタマイズすることが不可欠です。一方で、単なる経歴の羅列や具体性のないアピールは、あなたの魅力を半減させてしまうため、必ず避けるようにしましょう。

この記事で紹介したポイントを実践し、人事担当者の心を掴む職務要約を作成すれば、書類選考の突破は決して難しくありません。あなたのこれまでのキャリアが正しく評価され、希望する企業への転職が成功することを心から応援しています。

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