職務経歴書や人事評価の作成で、「成果指標の書き方が分からない」「自分の実績をうまくアピールできない」と悩んでいませんか?本記事では、あなたの実績が正しく評価されるための「成果指標の記載サポート」として、具体的な書き方のコツを3つのステップで徹底解説します。営業やマーケティング、エンジニア、バックオフィスといった職種別の豊富な例文集も用意しているため、すぐに自身の書類作成に活かせます。結論として、評価される成果指標の鍵は「具体的な数値」と、背景から結果までを論理的に示す「STARメソッド」にあります。数値化が難しい業務のアピール方法やNG例も網羅しているため、この記事を読めば、もう成果指標の書き方で迷うことはありません。
成果指標の記載がなぜ重要なのか

職務経歴書や人事評価シートを作成する際、「成果指標」の記載に頭を悩ませた経験はありませんか?単に業務内容を羅列するだけでなく、具体的な成果を指標として示すことは、あなたのビジネスパーソンとしての価値を証明するために不可欠です。変化の激しい現代において、企業は「過去に何をしてきたか」だけでなく、「その経験を活かして自社でどのような貢献ができるか」を重視しています。成果指標は、その貢献度を客観的に示すための最も強力なエビデンスとなるのです。
この記事では、まず最初に、なぜ成果指標の記載がこれほどまでに重要視されるのか、その理由を3つの側面から深く掘り下げていきます。この重要性を理解することが、評価される成果指標を作成するための第一歩です。
あなたの市場価値を「見える化」する最強の武器
成果指標とは、あなたのスキルや経験、そして仕事への取り組みがもたらした結果を、客観的な事実として「見える化」する作業です。例えば、「営業活動に尽力しました」という主観的な表現では、あなたの能力や貢献度は評価者に正しく伝わりません。しかし、「新規顧客を30社開拓し、担当エリアの売上を前年比120%に向上させました」と記載すれば、誰の目にも明らかな実績として認識されます。このように、自身の働きを具体的な数値や事実に落とし込むことで、曖昧だったあなたの市場価値は明確な輪郭を持ち、他者との差別化を図るための強力な武器となるのです。
評価者(採用担当者・上司)に貢献度を明確に伝える
採用担当者や評価者である上司は、日々多くの書類に目を通し、限られた時間の中で個々の能力や実績を判断しなければなりません。彼らが求めているのは、「頑張った」というプロセスのアピール以上に、「具体的にどのような成果を出したのか」という事実です。成果指標は、多忙な評価者に対して、あなたの貢献度を瞬時に、かつ説得力をもって伝えるための共通言語と言えます。
成果指標が記載されているかどうかで、評価者が受ける印象は大きく異なります。以下の表でその違いを確認してみましょう。
| 評価項目 | 成果指標の記載がない場合 | 成果指標の記載がある場合 |
|---|---|---|
| 評価者からの印象 | 業務内容は理解できるが、貢献度やスキルのレベルが不明確。人物像が掴みにくい。 | 具体的な貢献度が明確で、高い実績を持つ優秀な人材という印象を受ける。 |
| スキルの具体性 | 「コミュニケーション能力が高い」といった抽象的なアピールになりがち。 | 「顧客折衝によりクレーム率を50%削減」など、スキルが成果に結びついていることがわかる。 |
| 再現性の期待度 | 過去の経験が次の環境で活かせるか判断しにくい。 | 成果を出すためのプロセスが想像でき、自社でも同様の活躍をしてくれる期待が持てる。 |
このように、成果指標はあなたの信頼性を高め、次のステージ(採用や昇進)への期待感を醸成する上で極めて重要な役割を果たします。
自身のキャリアを戦略的に築くための羅針盤
成果指標を意識することは、他者からの評価を高めるだけでなく、あなた自身のキャリア形成においても大きな意味を持ちます。自身の業務を振り返り、「どのような行動が、どのような結果に繋がったのか」を言語化・数値化するプロセスは、最高の自己分析ツールとなります。これにより、自分の強み、得意な業務プロセス、そして今後の課題が明確になります。
例えば、「自分はデータ分析から仮説を立て、施策を実行して数値を改善することが得意だ」と客観的に把握できれば、次に目指すべき職種やポジションが具体的に見えてきます。成果指標の棚卸しは、これまでのキャリアを点検し、未来のキャリアプランを戦略的に描くための羅針盤となるのです。
そもそも成果指標とは?基本を理解しよう
職務経歴書や人事評価の場で「成果を具体的に記載してください」と言われ、戸惑った経験はありませんか。成果指標とは、あなたの仕事における成果や組織への貢献度を、客観的に示すための「ものさし」です。単に「頑張りました」「貢献しました」といった抽象的な表現ではなく、「何を」「どれだけ」達成したのかを具体的に示すことで、あなたのスキルや実績の価値を正しく評価してもらうために不可欠な要素となります。この章では、成果指標の基本となる考え方について、分かりやすく解説します。
定量的な成果指標と定性的な成果指標
成果指標は、大きく「定量的」なものと「定性的」なものの2種類に分けられます。どちらか一方が優れているというわけではなく、両方をバランス良く使い分けることで、あなたの実績を多角的にアピールできます。それぞれの特徴を理解し、自身の業務内容に合わせて使い分けましょう。
| 指標の種類 | 特徴 | 具体例 |
|---|---|---|
| 定量的な成果指標 | 売上高や契約件数、コスト削減率など、具体的な「数値」で示すことができる指標です。客観性が高く、誰が見ても成果の大きさが分かりやすいのが特長です。 | ・売上高〇〇円達成 ・新規契約件数〇〇件獲得 ・コストを前年比〇〇%削減 ・Webサイトのアクセス数を〇〇PV改善 ・顧客満足度アンケートで〇点向上 |
| 定性的な成果指標 | 業務プロセスの改善や顧客からの信頼獲得など、「数値」では表現しにくい質的な変化や状態を示す指標です。具体的なエピソードや第三者からの評価を交えて説明することで、説得力が増します。 | ・新しい業務フローを構築し、チームの残業時間を削減 ・後輩指導により、部署全体のスキルレベルを底上げ ・顧客から「対応が丁寧で分かりやすい」と感謝の言葉をいただいた ・社内勉強会を主催し、ナレッジ共有の文化を醸成 |
KPIとKGIの違いも押さえておくと便利
成果を語る上で、ビジネスの目標設定でよく使われる「KPI」と「KGI」という言葉を知っておくと、より論理的に自分の実績を説明できます。これらは、目標達成までの道のりを明確にするための重要な指標です。
KGI(Key Goal Indicator)は「重要目標達成指標」と訳され、組織やプロジェクトが最終的に目指すゴールそのものを指します。一方、KPI(Key Performance Indicator)は「重要業績評価指標」と訳され、その最終ゴールであるKGIを達成するための中間的な目標(プロセス)が、順調に進んでいるかを計測するための指標です。KGIという山の頂上を目指すために、KPIというチェックポイントを一つひとつクリアしていくイメージを持つと分かりやすいでしょう。
| 指標の種類 | 意味 | 視点 | 具体例(営業職の場合) |
|---|---|---|---|
| KGI (重要目標達成指標) | 最終的に達成すべきゴールを示す指標。 | 「結果」に着目 (What) | ・年間売上1億円を達成する ・担当エリアの市場シェアを15%にする |
| KPI (重要業績評価指標) | KGI達成のための中間プロセスを計測する指標。 | 「過程」に着目 (How) | ・月間の新規アポイントを20件獲得する ・商談からの受注率を30%に維持する ・顧客単価を50万円にする |
自身の業務が、どのKPIやKGIに貢献したものなのかを意識することで、単なる作業報告ではなく、組織の目標達成にどう貢献したかという、より高い視座での成果アピールが可能になります。
評価される成果指標の書き方 3つのステップ
職務経歴書や人事評価シートで成果指標を記載する際、ただ実績を羅列するだけでは、あなたの本当の価値は伝わりません。採用担当者や評価者に「この人はすごい!」と思わせるには、戦略的な書き方が不可欠です。ここでは、誰でも実践できる「評価される成果指標の書き方」を3つのステップに分けて、分かりやすく解説します。
ステップ1 実績を具体的な数値で表現する
成果をアピールする上で最も重要なのが「具体性」です。特に「数値」を用いることで、客観的で説得力のある実績を示すことができます。例えば、「売上に貢献しました」という表現では、どの程度の貢献なのかが全く伝わりません。
これを「担当エリアの売上を前年比120%(1,000万円から1,200万円)に向上させました」と表現することで、あなたの実績が明確になり、評価者はそのインパクトを正確に把握できます。売上や契約件数だけでなく、コスト削減率、業務効率化による時間短縮、顧客満足度アンケートの点数など、様々な角度から自身の業務を数値化できないか検討してみましょう。数値化は、あなたの貢献度を可視化するための第一歩です。
ステップ2 STARメソッドで論理的に伝える
実績を伝える際には、その背景やプロセスをストーリーとして語ることが重要です。そこで役立つのが「STARメソッド」というフレームワークです。STARメソッドは、Situation(状況)、Task(課題・目標)、Action(行動)、Result(結果)の頭文字を取ったもので、この順番で情報を整理することで、誰が読んでも分かりやすく、論理的な説明が可能になります。
このフレームワークを用いることで、あなたがどのような状況で、何を考え、どう行動し、結果としてどんな成果を出したのかを明確に伝えられ、あなたの課題解決能力や再現性の高さをアピールできます。
S (Situation) 状況
まず、あなたがどのような状況に置かれていたのかを簡潔に説明します。所属していた部署、チーム構成、担当業務、当時の市場環境など、実績が生まれた背景を具体的に記述します。「前任者から引き継いだ時点で、担当製品の市場シェアが3期連続で低下していました」のように、客観的な事実を述べましょう。
T (Task) 課題・目標
その状況の中で、あなたに課せられていた課題や目標を明確にします。「市場シェアの低下を食い止め、半年以内に前年同期比5%増の売上を達成すること」といったように、具体的な数値目標を提示できると、後の成果(Result)との対比がしやすくなります。
A (Action) 行動
課題解決や目標達成のために、あなたが具体的にとった行動を記述します。ここがあなた自身の主体性や工夫をアピールする最も重要な部分です。「既存顧客へのヒアリングを徹底し、ニーズに合わせた新機能を企画・提案。さらに、未開拓だったSNS広告を活用した新規顧客獲得キャンペーンを実施しました」のように、複数の行動を具体的に示しましょう。
R (Result) 結果
最後に行動の結果として得られた成果を、ステップ1で解説した「具体的な数値」を用いて示します。「結果として、目標を上回る前年同期比8%増の売上を達成し、市場シェアの低下を食い止めることに成功しました。また、SNS経由での新規問い合わせ件数が月平均30%増加しました」のように、目標(Task)に対する達成度や、副次的な効果も併せて記載すると、より高い評価につながります。
| 要素 | 説明 |
|---|---|
| S (Situation) 状況 | 実績が生まれた背景や環境 |
| T (Task) 課題・目標 | 自身に課せられた役割や具体的な目標 |
| A (Action) 行動 | 目標達成のために、主体的にとった具体的な行動 |
| R (Result) 結果 | 行動によってもたらされた具体的な成果(数値で示す) |
ステップ3 相手が求める成果を意識する
どれだけ素晴らしい実績であっても、それが相手の求めるものでなければ評価にはつながりません。転職活動であれば応募先企業の事業内容や経営課題、社内評価であれば部署や会社全体の方針を理解することが重要です。
企業のウェブサイトや求人情報、中期経営計画などを読み込み、「どのような人材を求めているのか」「どのようなスキルや実績が貢献できるのか」を分析しましょう。例えば、コスト意識を重視する企業には「業務プロセスの見直しによる経費20%削減」といった実績を、新規事業の拡大を目指す企業には「新規サービスの立ち上げと初年度黒字化達成」といった実績をアピールするなど、相手のニーズに合わせて提示する成果を取捨選択し、表現を工夫することが、評価を高めるための最後の鍵となります。
【職種別】成果指標の記載サポートと書き方例文集

ここでは、職務経歴書や評価面談でそのまま使える、職種別の成果指標の書き方と具体的な例文をご紹介します。ご自身の経験に当てはめ、より魅力的なアピールができるようにカスタマイズしてみてください。ポイントは、誰が読んでも理解できるよう、具体的な数値と行動をセットで記載することです。
営業職の成果指標 例文
営業職は売上や契約件数など、成果を数値で示しやすい職種です。目標達成率だけでなく、その達成のためにどのような工夫や行動をしたのかを具体的に記述することで、再現性のある優秀な人材であることをアピールできます。
主な成果指標の例:
- 売上高、売上達成率
- 新規顧客獲得件数、獲得単価(CPA)
- 契約件数、受注率
- 顧客単価(ARPU)、リピート率
- 解約率(チャーンレート)の低減
| 改善前の記載例(NG例) | 改善後の記載例(OK例) |
|---|---|
|
法人向けSaaSの新規開拓営業を担当し、毎期目標を達成しました。 |
【状況・課題】 |
マーケティング職の成果指標 例文
マーケティング職では、担当する領域(Web、SNS、広告など)によって指標が多岐にわたります。施策の目的(認知拡大、リード獲得など)を明確にし、その目的に対する貢献度を具体的な数値で示しましょう。
主な成果指標の例:
- コンバージョン率(CVR)、コンバージョン数
- 顧客獲得単価(CPA)、リード獲得数
- WebサイトのPV数、セッション数、直帰率
- 広告のクリック率(CTR)、インプレッション数
- メールマガジンの開封率、クリック率
| 改善前の記載例(NG例) | 改善後の記載例(OK例) |
|---|---|
|
オウンドメディアのコンテンツ作成を担当し、PV数を増やしました。 |
【状況・課題】 |
エンジニア・IT技術職の成果指標 例文
エンジニア職は、技術的な貢献がどのようにビジネス上の価値に結びついたかを明確にすることが重要です。「〇〇を開発した」だけでなく、それによって「何がどう改善されたか」を定量的に示します。
主な成果指標の例:
- システム処理速度の改善率(例: 〇%高速化)
- 開発工数の削減率、削減時間
- サーバーダウンタイムの削減、可用性の向上率(例: 99.9%→99.99%)
- バグ発生率の低減、修正件数
- 手動オペレーションの自動化による工数削減
| 改善前の記載例(NG例) | 改善後の記載例(OK例) |
|---|---|
|
ECサイトの改修プロジェクトに参加しました。 |
【状況・課題】 |
企画・管理部門(バックオフィス)の成果指標 例文
人事、総務、経理などの管理部門は、直接的な売上への貢献が見えにくいですが、「コスト削減」や「業務効率化」といった観点で成果を数値化できます。従業員の満足度向上なども重要な指標です。
主な成果指標の例:
- 業務プロセスの改善による時間短縮(例: 〇時間/月)
- コスト削減額、削減率
- 従業員満足度調査のスコア向上
- 採用コストの削減、離職率の低下
- ペーパーレス化による経費削減
| 改善前の記載例(NG例) | 改善後の記載例(OK例) |
|---|---|
|
勤怠管理システムの導入を担当しました。 |
【状況・課題】 |
数値化が難しい場合の成果指標の作り方
企画職や人事・総務といった管理部門(バックオフィス)、一部のエンジニア職など、業務の成果が売上や契約件数のように直接的な数値に結びつきにくい職種は少なくありません。しかし、「数字で表せないから成果がない」わけでは決してありません。ここでは、数値化が難しい業務の成果を効果的にアピールするための具体的な指標の作り方を2つのアプローチから解説します。
業務プロセスの改善をアピールする
日々の業務における「効率化」「コスト削減」「時間短縮」「品質向上」といったプロセス改善は、組織への貢献度を示す強力な成果指標となります。重要なのは、改善前(Before)と改善後(After)を具体的に比較し、どのようなポジティブな変化が生まれたかを明確にすることです。これにより、間接的な貢献を定量的に、あるいは客観的に示すことが可能になります。
具体的なアピール方法として、以下の切り口が考えられます。
| 改善の切り口 | 指標の例 | 記載例 |
|---|---|---|
| 業務効率化・時間短縮 | 作業時間の削減率/時間、手作業プロセスの自動化件数 | 手作業で行っていた月次レポート作成業務にRPAを導入し、作成プロセスを自動化。月間約20時間かかっていた作業を約2時間に短縮し、創出した時間で新たなデータ分析業務に着手しました。 |
| コスト削減 | 経費の削減額/率、単価の引き下げ額/率 | 複数のサプライヤーを比較検討する新たな調達プロセスを構築・標準化。その結果、年間で約150万円のオフィス備品購入コストの削減を実現しました。 |
| 品質向上・ミス削減 | エラー率の低減、修正作業時間の短縮、チェックリスト導入後のミス発生件数 | 請求書発行プロセスの見直しを行い、ダブルチェック体制と専用チェックリストを導入。結果として、月平均5件発生していた入力ミスを0件に抑え、手戻りや顧客からの問い合わせを大幅に削減しました。 |
これらの成果を記載する際は、第3章で紹介したSTARメソッドを応用し、「なぜその改善が必要だったのか(Situation/Task)」「具体的に何を行ったのか(Action)」「その結果、どのような効果があったのか(Result)」をセットで語れるように準備しておくと、より説得力が増します。
顧客や社内からの評価を指標にする
自分自身の業務が他者にどのような影響を与えたか、という「第三者からの評価」も有力な成果指標です。主観的な「頑張りました」ではなく、客観的な事実として評価を示すことで、あなたの仕事の価値を証明できます。
アンケート結果やサーベイの数値を活用する
顧客満足度アンケートや従業員満足度サーベイなど、定期的に実施される調査の数値を活用する方法です。自身の取り組みが、特定の項目のスコア向上にどう結びついたかを具体的に示します。
【例文:カスタマーサポート職】
製品に関する問い合わせ対応フローを見直し、FAQサイトのコンテンツを拡充。その結果、顧客満足度アンケートにおける「問題解決の速さ」の項目が、前期の3.5点から4.2点(5点満点)に向上しました。
社内表彰やお客様からの感謝の声を根拠にする
社内での表彰制度や、顧客から直接いただいた感謝の言葉も、成果を裏付ける客観的な証拠となります。特に、どのような点が評価されたのかを具体的に記載することがポイントです。
【例文:人事職】
新人研修プログラムの企画・運営を担当。研修後のアンケートで参加者の95%から「満足」との評価を得るとともに、その実践的な内容が評価され、半期に一度の「ベストプラクティス賞」を受賞しました。
【例文:Webデザイナー職】
クライアント企業のWebサイトリニューアルを担当。納品後、担当者様から「デザイン変更後、サイト経由の問い合わせが前月比で1.5倍に増えました。UI/UXの改善提案に感謝しています」とのお言葉を直接いただきました。
このように、数値化が困難な業務であっても、視点を変えれば必ずアピールできる「成果」は存在します。自身の業務がもたらした「良い変化」を探し、それを客観的な事実や数値、第三者の声で裏付けることを意識してみてください。
これはNG!成果指標を記載するときの注意点
素晴らしい実績も、伝え方を間違えると評価が下がってしまう可能性があります。ここでは、職務経歴書や人事評価シートなどで成果指標を記載する際に、避けるべきNGポイントを解説します。意図せず評価を落としてしまわないよう、しっかりと確認しておきましょう。
嘘や事実と異なる記載は絶対に避ける
成果を良く見せたいという気持ちから、数値を誇張したり、事実と異なる内容を記載したりすることは絶対にやめましょう。特に転職活動における職務経歴書での虚偽記載は、発覚した場合に内定取り消しはもちろん、入社後であれば懲戒解雇の理由にもなり得ます。信頼を完全に失い、キャリアに大きな傷がつくリスクしかありません。実績の大小にかかわらず、事実に基づいた客観的な情報を誠実に記載することが、評価されるための大前提です。
抽象的な表現で終わらせてしまう
「業務効率化に貢献しました」「売上向上に尽力しました」といった抽象的な表現では、評価者はあなたの実績を具体的にイメージすることができません。どのような状況で、何を、どのように行い、結果としてどれだけのインパクトがあったのかが伝わらないため、評価のしようがないのです。成果は必ず具体的な数値や客観的な事実を用いて表現しましょう。
| NG例(抽象的な表現) | OK例(具体的な表現) |
|---|---|
| 業務効率化に貢献しました。 | RPAツールを導入し、経費精算に関わる手入力作業を自動化。月間約20時間の作業時間削減を実現しました。 |
| 顧客満足度を向上させました。 | 問い合わせ対応マニュアルを刷新し、一次回答率を60%から85%に改善。結果、顧客満足度アンケートの5段階評価で平均4.2を獲得しました。 |
| Webサイトの改善に取り組みました。 | WebサイトのUI/UX改善プロジェクトを主導し、離脱率が30%高かった主要3ページの導線を修正。ページ滞在時間を平均25秒向上させました。 |
専門用語や社内用語を多用する
あなたが所属していた企業や部署でしか通用しない専門用語や社内用語を多用すると、第三者である評価者には内容が伝わりません。例えば、独自のプロジェクト名やツール名をそのまま記載しても、それがどのようなもので、どれほどの価値があるのかを理解してもらえないでしょう。「分かりやすく伝える」という意識は、ビジネスにおける基本的なコミュニケーション能力の指標とも見なされます。誰が読んでも理解できるよう、一般的で平易な言葉に置き換える工夫が必要です。
チームの成果を個人の成果のように見せる
プロジェクトはチームで進めることがほとんどです。チーム全体の成果を、 마치自分一人の手柄であるかのように記載するのは避けましょう。評価者は、チームの中であなたが「どのような役割を担い」「具体的にどう貢献したのか」を知りたいと考えています。例えば、「新規事業を立ち上げ、初年度売上1億円を達成」と記載するのではなく、「新規事業立ち上げプロジェクトにおいて、Webマーケティング責任者としてSNS広告運用を担当。CPAを目標値の80%に抑え、売上1億円達成に貢献」のように、自身の役割と貢献度を明確に示しましょう。
プロセスのみを語り、結果に触れていない
「〜に取り組みました」「〜を改善しようと努力しました」といったように、行動(プロセス)の記載だけで終わってしまうケースもよく見られます。どのような努力をしたかはもちろん重要ですが、ビジネスにおいて最終的に評価されるのは「結果(Result)」です。行動した結果、どのような変化が生まれ、どのような成果につながったのかをセットで記載することが不可欠です。STARメソッドの「R(Result)」を常に意識し、「行動」と「結果」を必ずセットで伝えるようにしましょう。
まとめ
本記事では、人事評価や職務経歴書で自身の価値を最大限に伝えるための「成果指標の記載サポート」として、具体的な書き方のコツから職種別の例文までを網羅的に解説しました。
評価される成果指標を記載する上で最も重要な結論は、「実績を具体的な数値で表現し、STARメソッドを用いて論理的に伝えること」です。なぜなら、客観的な数値は誰にとっても分かりやすい評価軸となり、STARメソッドはその成果に至るまでのあなたの貢献度を説得力をもって示すことができるからです。そして、その成果が相手(企業や評価者)にとってどのようなメリットがあるのかを意識することで、あなたの市場価値はさらに高まります。
また、営業職やマーケティング職のように数値化しやすい職種だけでなく、エンジニア職や企画・管理部門などのバックオフィス業務においても、業務プロセスの改善率やコスト削減額、ユーザー満足度の向上といった形で成果を指標化する方法があることもご理解いただけたかと思います。
この記事で紹介したフレームワークと例文を参考に、まずはご自身の業務内容と実績を振り返ることから始めてみてください。適切な成果指標の記載は、あなたの努力を正当に評価させ、キャリアアップを実現するための強力な武器となるはずです。

