職務経歴書は転職活動や就職活動において、あなたの経験やスキルを採用担当者に伝える重要な書類です。
しかし、「どのように書けば良いのかわからない」「履歴書との違いがよくわからない」という方も多いのではないでしょうか。
本記事では、職務経歴書の基本的な書き方を解説し、無料で使える簡単作成ツールを活用する方法をご紹介します。
テンプレートを利用することで、効率よく質の高い職務経歴書を作成できるため、時間がない方や初めて作成する方にもおすすめです。
さらに、作成した職務経歴書を応募先に合わせてカスタマイズする方法、提出時のポイント、面接での効果的な活用法についても詳しく解説します。この記事を読めば、誰でも簡単に魅力的な職務経歴書を作れるようになります。
職務経歴書とは何か? 基本を押さえよう

職務経歴書の役割と重要性
職務経歴書とは、これまでの職務経験やスキル、実績を詳細に記載する書類のことです。
履歴書が基本的な個人情報を整理したものであるのに対し、職務経歴書はこれまでのキャリアを具体的に説明し、応募先企業に自分の強みを伝えるための重要なツールとなります。
特に中途採用の選考では、職務経歴書が採用の判断材料として重視されます。
なぜなら、企業側は応募者の実務経験やスキルが募集職種に適しているかを知りたいからです。
そのため、職務経歴書は単なる業務の羅列ではなく、「どのような業務に従事し、どのような成果を上げたのか」を明確に伝えることがポイントとなります。
履歴書との違いとは
職務経歴書と履歴書は、両方とも就職活動で必要な書類ですが、それぞれの役割は異なります。
以下に、両者の違いを表にまとめました。
項目 | 職務経歴書 | 履歴書 |
---|---|---|
目的 | これまでの職務経験やスキルを詳しく伝える | 基本的な個人情報を伝える |
記載内容 | 職務経験、スキル、実績、自己PRなど | 氏名、住所、学歴、職歴、資格、志望動機など |
形式 | 自由形式 | 決められたフォーマット(JIS規格など) |
分量 | 1~2枚程度(希望職種による) | 通常1枚(A4またはB5サイズ) |
このように職務経歴書は、履歴書よりも自由度が高く、より詳細な情報を記載することが求められます。
そのため、企業の求める人物像に合わせてカスタマイズすることが重要です。
また、履歴書には学歴や職歴を年号順に記載するのが一般的ですが、職務経歴書では「編年体形式」や「キャリア形式」といった複数の書き方があるため、自分の経歴に最適な書式を選ぶこともポイントの一つとなります。
職務経歴書を適切に作成することで、自分の強みや経験を最大限にアピールでき、採用担当者に好印象を与えることができます。
これから詳しく解説する基本構成や作成ポイントを押さえて、企業が求める職務経歴書を作りましょう。
職務経歴書の基本構成と書き方のポイント
職務経歴書は、応募者の経験やスキルを企業に効果的に伝えるための重要な書類です。
適切に記載することで、採用担当者に好印象を与え、選考を有利に進めることができます。
ここでは、職務経歴書の基本的な構成と、書き方のポイントについて詳しく解説します。
職務要約の書き方
職務要約は、これまでの職歴を簡潔にまとめたもので、職務経歴書の冒頭に記載します。
採用担当者が最初に目を通す部分であり、短時間で応募者の強みを理解できるようにする必要があります。
- 簡潔に300文字以内にまとめる。
- 経験業界や職種、得意なスキルを端的に示す。
- 具体的な成果や実績(数値が入るとより良い)を強調する。
- 転職の目的や今後のキャリアビジョンを簡単に述べる。
職務経歴の具体的な記載方法
職務経歴は、これまでの職歴を詳細に説明する部分です。記載方法には「編年体形式」と「キャリア形式」の2種類があり、それぞれの特徴を理解して適切に選ぶことが重要です。
編年体形式で書く場合
編年体形式は、時系列に沿って職歴を記載する方法です。
特に転職回数が少ない場合や、一貫したキャリアをアピールしたい場合に適しています。
勤務期間 | 会社名 | 職種・役職 | 業務内容と実績 |
---|---|---|---|
20XX年4月~20XX年3月 | ○○株式会社 | 営業職 | 新規顧客開拓を担当し、売上前年比120%を達成。 |
20XX年4月~現在 | △△株式会社 | 営業マネージャー | チームを率い、前年比150%の業績向上に貢献。 |
ポイント:職務内容を具体的に記載し、成果は可能な限り数値化する。
キャリア形式で書く場合
キャリア形式は、職種ごとに業務経験やスキルをまとめる方法で、特定の専門性や強みをアピールしやすい形式です。職務経歴が多様な場合や、転職回数が多い場合に有効です。
職種 | 経験年数 | 主な業務内容 | 実績・成果 |
---|---|---|---|
法人営業 | 5年 | 新規開拓・ルート営業・営業戦略の立案 | 年間契約件数100件以上、売上目標達成率120% |
マーケティング | 3年 | デジタル施策の立案・実行、広告運用 | 広告ROI200%以上を達成 |
ポイント:業務内容を職種単位で整理し、特に強みを強調する。
スキル・資格の効果的なアピール方法
スキルや資格を記載する際は、応募する企業の求める能力とマッチするものを優先的に記載しましょう。
また、資格の正式名称や取得年月を明記することで、より具体的なアピールにつながります。
- 業務に関連する資格を優先的に記載(例:簿記2級、情報処理技術者試験)。
- 習得している技術や使用できるツール(例:Photoshop、Excel VBA)。
- 語学力がある場合は具体的なスコア(例:TOEIC 850点)。
自己PRを上手にまとめるコツ
自己PRは、職務経歴書の締めくくりとして、自分の強みをアピールする重要な部分です。
企業が求める人物像に合致したポイントを強調し、簡潔かつ具体的に伝えることが重要です。
- これまでの経験やスキルを踏まえ、強みを端的に表現する。
- 「問題解決能力」「リーダーシップ」など、具体的なテーマを決める。
- 実績やエピソードを交えて説得力を高める。
- 応募企業が求める人物像に合わせてカスタマイズする。
例文:
「私は5年間の法人営業経験を通じて、顧客ニーズを的確に捉え、最適なソリューションを提案する力をつけました。特に新規顧客開拓においては、前年対比120%の売上成長を実現しました。持ち前の課題解決力と提案力を活かし、貴社の事業成長に貢献したいと考えております。」
このように、職務経歴書は明確な構成と効果的な表現を心がけることで、採用担当者に強い印象を与えることができます。
初心者でも簡単に作れる職務経歴書作成ツール

職務経歴書は、履歴書とともに応募書類として重要な役割を果たします。
しかし、一から作成するのは手間がかかるうえに、適切なフォーマットや内容を考えるのが難しいと感じる方も多いのではないでしょうか。
そこで役立つのが、職務経歴書の作成ツールです。ここでは、無料で使えるおすすめツール、テンプレートの活用メリット、オンラインツールとPCソフトの違いについて詳しく紹介します。
無料で使えるおすすめのツール
現在、インターネット上にはさまざまな職務経歴書作成ツールがあります。
以下に、初心者でも簡単に使える無料ツールを紹介します。
ツール名 | 特徴 | 対応フォーマット |
---|---|---|
履歴書作成くん | 履歴書・職務経歴書をブラウザ内で簡単に作成できます。 スムーズにURLで共有できる! | |
マイナビ転職 職務経歴書作成ツール | テンプレートを選択し、入力するだけで簡単に作成。職種別サンプルも充実。 | Word、PDF |
リクナビNEXT レジュメ作成ツール | 履歴書と職務経歴書を一括作成可能。データ保存機能あり。 | Word、PDF |
ハローワーク 職務経歴書作成支援ツール | 職業別のフォーマットが用意され、入力するだけで作成できる。 | Word |
これらのツールを活用することで、手間を省きながら完成度の高い職務経歴書を作成できます。特に、応募企業ごとにカスタマイズする場合でも、データの保存機能が搭載されているツールを使うと修正が容易になります。
テンプレートを活用するメリット
職務経歴書の作成において、テンプレートを活用することで以下のようなメリットがあります。
- フォーマットに悩まない – 一般的に使われる形式が整っているため、書式の選択に迷わない。
- 入力項目が明確 – 必要事項があらかじめ用意されているので、書き漏れを防げる。
- プロフェッショナルな見た目 – 企業にとって読みやすいデザインのため、採用担当者に好印象を与えやすい。
- 修正が容易 – データとして保存できるため、転職のたびに別の職務経歴書を作成する必要がない。
特に、職務経歴書を初めて作成する方は、書き方に悩むことが多いため、あらかじめフォーマットが整ったテンプレートを活用することで、スムーズに作成を進められます。
オンラインツールとPCソフトの違い
職務経歴書の作成には、オンラインで使用できるツールとPCにインストールして使用するソフトの2種類があります。それぞれの違いを整理しました。
種類 | メリット | デメリット |
---|---|---|
オンラインツール | インストール不要ですぐに利用可能。クラウド保存できるため、どの端末からでもアクセス可能。 | インターネット環境が必要。無料版では広告表示がある場合も。 |
PCソフト | オフラインでも作成可能。高度な編集機能を備えているものも多い。 | インストールが必要。無料のものは選択肢が限られる。 |
オンラインツールは手軽に始められる反面、セキュリティ面での注意が必要です。
一方、PCソフトはオフラインでも作業が可能なため、機密情報を扱う場合に適しています。
用途に応じて適切なツールを選ぶことが大切です。
職務経歴書作成ツールの使い方ガイド
テンプレート選択のポイント
職務経歴書作成ツールを使用する際、最初に重要となるのが適切なテンプレートの選択です。
応募する業界や職種に適したフォーマットを選ぶことで、採用担当者にとって読みやすく、魅力的な職務経歴書を作成できます。
テンプレートを選ぶ際の主なポイントは以下のとおりです。
ポイント | 詳細 |
---|---|
フォーマットの種類 | 編年体形式、キャリア形式などから目的に合ったフォーマットを選ぶ。 |
デザイン | シンプルで読みやすいデザインを選択。過度な装飾は避ける。 |
記入項目の網羅性 | 職務要約、経験、スキル、資格など必要な情報を含められるテンプレートを選ぶ。 |
ファイル形式 | Word、PDF、Excelなど、企業の応募要件に適した形式を選ぶ。 |
入力時に注意すべきこと
職務経歴書を作成する際は、単にテンプレートに入力するだけでなく、内容の正確性や表現方法にも注意が必要です。
以下の点に気をつけて、より魅力的な職務経歴書を作成しましょう。
- 簡潔かつ分かりやすい表現を心掛ける:長い文章ではなく、要点を押さえた簡潔な表現を使う。
- 定量的な実績を記載する:「売上を増やした」ではなく、「前年比120%の売上増を達成」のように数値を明示する。
- 誤字脱字のチェックを徹底する:誤字脱字があると、応募先の企業に対する印象が悪くなるため、入念に確認する。
- フォーマットを維持する:スペースや改行を含め、統一感のあるフォーマットを維持する。
完成後の仕上げと最終チェック
職務経歴書の入力が完了したら、そのまま企業へ提出せず、必ず最終チェックを行いましょう。
特に以下のポイントを確認することで、完成度を高められます。
チェック項目 | 確認内容 |
---|---|
内容の一貫性 | 履歴書やエントリーシートの内容と矛盾がないかを確認する。 |
誤字脱字や表記ミス | 漢字や用語の誤りがないかを入念に見直す。 |
フォーマットやレイアウト | フォントサイズ、行間、見出しなどがズレていないかをチェックする。 |
ファイル形式 | 企業が指定するファイル形式で保存されているかを再確認する。 |
仕上げとして、第三者に確認してもらうのも有効です。
家族や友人、キャリアアドバイザーに見てもらい、客観的な意見を取り入れて改善しましょう。
作成した職務経歴書を効果的に活用する方法
応募先に合わせたカスタマイズ
職務経歴書は応募する企業や職種に応じて内容を調整することが重要です。
同じ職務経験であっても、強調すべきスキルや成果は業界や企業の求める人物像によって異なります。
例えば、IT業界の企業に応募する場合は技術的なスキルを詳細に記載し、営業職であれば達成した売上やプロジェクトの成功事例を具体的に示すことで、企業に対する訴求力を高めることができます。
カスタマイズの際には、以下のポイントを考慮すると効果的です。
カスタマイズのポイント | 具体的な工夫 |
---|---|
求められるスキルを強調 | 求人票に記載された必須スキルや歓迎スキルを文中に取り入れる |
企業の事業内容にマッチする経験をアピール | 応募企業が手掛ける事業と関連のある経験を目立たせる |
実績を数値で示す | 売上高、達成率、関与したプロジェクトの成果などの具体的な数値を記載する |
紙とデータどちらで提出すべきか
職務経歴書の提出方法には、「紙」と「データ」の2種類があります。
それぞれのメリットとデメリットを理解し、応募先の指定や状況に応じて適切な方法を選択することが大切です。
提出方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
紙(印刷したもの) | 面接時に直接手渡せるため印象に残りやすい。フォーマットの乱れがなく、レイアウトを意図した通りに維持できる。 | 郵送や面接時の持参が必要であり、手間がかかる。修正が難しい。 |
データ(PDFやWordファイル) | メールで送付できるため手間が省ける。必要に応じて修正が容易にできる。 | レイアウトが崩れる可能性がある。企業によっては紙の提出を求められる場合がある。 |
なお、データで提出する場合は、PDF形式での送付が推奨されます。
PDFにすることで、閲覧環境によるレイアウト崩れを防ぎ、意図したデザインのまま提出できます。
面接での活用方法
職務経歴書は提出するだけでなく、面接時にも活用することで効果的な自己アピールができます。
面接では過去の経験について質問されるため、職務経歴書の内容を事前に整理し、具体的なエピソードを準備しておくことが重要です。
以下のような方法で職務経歴書を面接に活用しましょう。
- 職務経歴書に基づいて話す:面接官は職務経歴書を参考に質問をするため、書かれている情報と一貫性のある受け答えを意識しましょう。
- 実績を補足する資料を用意:成績表や過去のプロジェクトの成果物(公開可能な範囲で)を持参すると、説得力が増します。
- よく聞かれる質問を想定:職務経歴書に記載した経験やスキルについて、深掘りされる可能性のある質問を準備し、スムーズに回答できるようにしましょう。
また、職務経歴書を面接会場に持参することも大切です。
万が一、面接官が手元に持っていない場合に備え、自分の分とは別に1~2部余分に用意しておきましょう。
まとめ
職務経歴書は、履歴書とともに採用担当者に自分の経歴やスキルを伝える重要な書類です。
履歴書と異なり、具体的な業務経験や実績をアピールできるため、適切なフォーマットと書き方を押さえることが大切です。
書き方のポイントとして、職務要約では簡潔にキャリアをまとめ、職務経歴では編年体形式またはキャリア形式を選択して整理することが有効です。
また、スキルや資格、自己PRの記載を工夫することで、より魅力的な内容になります。
初心者でも簡単に作成できる職務経歴書作成ツールを活用することで、効率的に質の高い書類を作成できます。
無料ツールやテンプレートを利用し、入力時にはミスを防ぐために注意深くチェックすることが重要です。
作成後は、応募先に合わせた調整を行い、紙またはデータの適切なフォーマットで提出しましょう。
面接時には職務経歴書の内容を活かし、自信を持ってアピールできるように準備を進めることが成功の鍵となります。
