履歴書の学歴・職歴欄は、採用担当者が応募者の人物像を判断する重要な情報源です。本記事では、初めて履歴書を書く方や転職活動中の方を対象に、正しい書き方の基本から、注意点、NG例、無料テンプレートの活用方法までを徹底解説します。この一記事で、書き方の不安がすべて解消され、自信を持って履歴書を提出できるようになります。
履歴書における学歴・職歴欄の役割とは

履歴書における「学歴・職歴欄」は、応募者のこれまでの学習履歴や職務経歴を時系列で示し、採用担当者がその人物の基礎能力、経験、社会人としての価値や信頼性を判断するための重要な情報源です。
この欄を通じて、応募者がどのような環境で成長し、どのようなキャリアを築いてきたかを具体的に知ることができます。
人事担当者は、学歴・職歴欄を元に「この応募者が自社のポジションに合っているか」「過去の職歴は今後の業務にどのように活かされるか」「キャリアに一貫性はあるか」などを読み取ります。
学歴や職歴に加え、在籍期間や退職理由、転職の頻度などからも人物像を推測するため、この欄の記載内容には高い正確性と信頼性が求められます。
企業がチェックしている学歴・職歴欄の具体的ポイント
学歴・職歴欄はただの経歴紹介ではなく、面接前の書類選考におけるフィルタリングの重要な基準となります。
以下のような観点で企業は内容をチェックしています。
チェックポイント | 確認される意図・目的 |
---|---|
最終学歴 | 基礎的な学力や専門分野を把握するため |
卒業年度と年齢の整合性 | 年齢や職歴の信頼性を確認するため |
職務経歴の連続性 | 職歴にブランクがないか、職種の一貫性があるかを見るため |
在籍期間の長さ | 定着性や継続性の有無を確認するため |
会社名や部署名 | 企業規模や担当業務の内容を判断する材料とするため |
転職・退職の回数や理由 | 職場適応力やストレス耐性を推測するため |
応募者の適性・人柄を読み取るヒントになる
学歴・職歴欄は、単なる経歴の羅列でなく、応募者の人間性や価値観が現れる部分でもあります。
たとえば、特定の業種に長く従事してきた人はその分野への強い関心や専門性があると読み取れますし、異業種への転職を繰り返している人は柔軟性や新しいことへの挑戦意欲がうかがえます。
また、学歴欄に夜間学校や通信制大学などが記載されている場合、「働きながら学業を継続した」努力や勤勉さが伝わるポイントになります。
こうした情報は、履歴書全体の印象や面接時の質問内容にも大きく関わってきます。
選考結果に大きく影響する可能性
学歴・職歴欄の記載によっては、優れたスキルや実績があっても正しく伝わらず、書類選考で落とされる可能性があるため注意が必要です。
特に転職回数が多い、職歴に空白期間がある、あるいは学歴と現在の職業に関連性が薄いようなケースでは、記載内容の工夫や補足によって「納得できるストーリー」を作ることが重要です。
逆に、明確で整った学歴・職歴欄は、経歴が突出していなくても「誠実で信頼できる」という印象を与えることができ、選考通過率を確実に高める要素になります。
つまり、この欄の構成次第で自己アピールの成否が大きく分かれるともいえるのです。
書き方次第で“第一印象”が変わる
履歴書には、志望動機や自己PRなど自由記述欄がありますが、採用担当者が最初に視線を向けるのが「学歴・職歴欄」です。
つまり、この欄はある意味「履歴書における第一印象」を決定付けるパートです。
そのため、見やすく、正確で、簡潔にまとめられている必要があります。
同じ内容でも記載の順序や表現、整合性のある年号の記載によって、読み手の印象が大きく変わります。
丁寧に記載された学歴・職歴欄は、ビジネスマナーが身についている証拠として評価されることが多く、社会人としての基本的な素養が問われる重要ポイントです。
職務経歴書との整合性も求められる
中途採用の選考では、履歴書に加えて職務経歴書の提出が求められるケースがほとんどです。
この場合、履歴書の「職歴欄」と職務経歴書の内容の間に齟齬があると、「記載ミス」や「信頼性に欠ける」と受け取られかねません。
たとえば、在籍期間や業務内容に相違が見られる場合、悪い印象につながる可能性があります。
履歴書の職歴欄は要点を簡潔に記載し、詳細は職務経歴書で補足する形式が一般的です。
しかし両者は、記載元となる情報(在籍期間や業務概要など)に一貫性がある必要があります。
そのため、履歴書と職務経歴書を同時に作成する際には、片方だけを先に作り急いで矛盾が生じないよう十分に注意しましょう。
履歴書の学歴欄の基本的な書き方
学歴欄に記載する範囲と順序
履歴書の学歴欄には、通常「中学校卒業(義務教育の修了)」以降の学歴を記載します。
小学校以前や小学校卒業は、基本的には記載する必要はありません。
学歴は古い順、すなわち時系列で記載していくのが一般的で、まずは中学校卒業から記し、その後、高校・専門学校・短大・大学・大学院と続けます。
また、各段階で入学と卒業を明記するのが原則です。
入学・卒業単位で1行ずつ記載し、年月は西暦または和暦で統一しましょう。
途中で中退した場合でも、必ずその旨を記述します。
一貫校の場合でも「高等部卒業」「中等部卒業」と明確に分けて記載するのが望ましいです。
年月 | 学歴 |
---|---|
2013年3月 | 東京都立第一中学校 卒業 |
2013年4月 | 東京都立北高等学校 入学 |
2016年3月 | 東京都立北高等学校 卒業 |
2016年4月 | 早稲田大学 法学部 入学 |
2020年3月 | 早稲田大学 法学部 卒業 |
学校名の正式名称と略称の注意点
学歴欄に記載する学校名は、必ず正式名称で記載します。
たとえば「東大」や「慶応大」ではなく、「東京大学」「慶應義塾大学」といった正式名称を使用します。
高校についても「〇〇高校」ではなく「〇〇高等学校」と記載するのが正しい形です。
また、都道府県立・市立など設置者区分を含めた記載が望ましいです。
「都立」「市立」「私立」などを省略せず、「東京都立〇〇高等学校」「私立△△高等学校」などと明記しましょう。
大学の学部・学科も、省略せずに記載することで、より正確な情報を伝えることができます。
卒業・中退・在学中の正しい表記方法
在籍状況を正確に伝えるためには、卒業・中退・在学中といった表現を正確に使い分けることが必要です。
中途退学の場合、「中退」と記載し、退学の理由については必要ありません。
博士課程などで在籍中の場合は「在学中」と明記します。
記載例には以下のようなものがあります。
年月 | 学歴 |
---|---|
2019年4月 | 東京大学大学院 工学系研究科 入学 |
2021年3月 | 東京大学大学院 工学系研究科 修了 |
2021年4月 | 東京大学大学院 理学系研究科 博士課程 入学(在学中) |
2017年4月 | 日本大学 商学部 入学 |
2019年8月 | 日本大学 商学部 中途退学 |
最終学歴の明記について
一般的には、履歴書内で最終学歴を特別に明記する必要はありませんが、
志望先から「最終学歴」の確認が求められる場合は、口頭または別途書類で伝えることになります。
履歴書は学歴の流れを記載するものであり、自然と最終学歴が明確になるためです。
ただし、企業によっては「新卒採用対象」や「第二新卒」など、最終学歴に基づいた基準を設けているケースもあるため、最終学歴が変則的な場合(編入学・飛び級・大学中退後に専門学校卒など)は、学歴欄の備考欄や職歴欄で補足説明を加えると丁寧です。
履歴書の職歴欄の正しい書き方
職歴の記載順と基本ルール
職歴欄は、応募者の業務経験やこれまでのキャリアの流れを採用担当者に伝える重要な項目です。
基本的な記載ルールとしては、「時系列順(古い順)」で書くのが一般的です。
企業側は業務の継続性やキャリアの蓄積を重視するため、前職から現在に至るまでの情報を抜け・漏れなく記載する必要があります。
また、職歴欄の冒頭は必ず「職歴」と中央揃えで記載し、文末には「以上」と締めくくります。
これにより、文章が完結していることを明示し、書式としての信頼性を高めます。
会社名・所属部署・雇用形態の記載方法
企業名は略さずに正式名称で記載しましょう。
株式会社を「(株)」、有限会社を「(有)」などと省略するのはNGです。
また、可能であればその会社の事業内容や業種が伝わるよう、軽く補足すると丁寧です。
所属部署についても、なるべく正確に書くことで業務内容の具体性が伝わります。
雇用形態(正社員・契約社員・派遣社員など)は、特に正社員以外の場合は明記するべきです。
派遣社員の場合は、派遣元企業と派遣先企業両方を記すのが望ましいとされています。
項目 | 記載例 |
---|---|
会社名 | 株式会社スマイルエンタープライズ |
所属部署 | マーケティング部 メディアチーム |
雇用形態 | 契約社員(派遣社員の場合は「株式会社〇〇より派遣」などと記載) |
転職・退職時の正しい記述
退職理由を職歴欄に詳細に記載する必要はありません。
基本的には「○年○月 ○○株式会社 退職」とシンプルに記載するのみで十分です。
ただし、自己都合退職なのか会社都合退職なのかを求められるケースでは「一身上の都合により退職」もしくは「会社都合により退職」などを追記して対応します。
また、転職回数が多い場合も、各社の情報は略さず記載するよう努めましょう。
虚偽の記載は経歴詐称となり、内定取り消しのリスクもあるため、正確かつ誠実な記述が求められます。
アルバイト・パート経験は書くべきか
アルバイトやパートの経験については、応募職種や履歴書の目的によって柔軟に対応します。
たとえば、新卒や職歴が浅い既卒者、ブランクがある再就職希望者などは、アルバイト経験も自己アピール材料として活用されます。
特に長期や責任あるポジション(店長代理、マネジメント業務など)での業務経験がある場合、パート・アルバイトでも記載する価値があります。
その場合も、雇用形態と業務内容を明確に記載し、「アルバイトとして勤務」などの一文を加えるのが誠実です。
アルバイトの記載例:
一方、短期間(数週間〜3カ月以内)のアルバイト経験や職務内容が応募職種とまったく関係のないものは、無理に記載する必要はありません。
職歴欄は「応募企業に必要とされるスキルや実績を示す場」であるという観点を忘れないようにしましょう。
新卒・既卒・転職者別にみる履歴書の書き方の違い
新卒の履歴書におけるポイント
新卒の場合は、職歴がないことが一般的であるため、履歴書の学歴欄の記載が特に重要です。
企業は学歴から応募者の継続性・学習意欲・意識の高さなどを評価するため、正確かつ丁寧に記載する必要があります。
学歴欄は基本的に中学校卒業から記載を始め、自身の最終学歴までを時系列で記載します。
学部・学科・専攻まで正確に記載し、略称や通称ではなく正式名称を使用します。
職歴に関しては、「職歴なし」と簡潔に記述し、その下に1行空けて「以上」と締めくくりましょう。
また、自己PR欄や志望動機欄では、学業やボランティア、アルバイト経験をもとに、職務能力や意欲をアピールします。
記載例(職歴欄)
既卒者が注意すべき職歴の記載
既卒者とは学校を卒業後、就職していない人や一時的なブランクがある人を指します。
この場合、履歴書には「学歴」と「職歴」を分けて明確に書く必要があります。
特に職歴がない場合でも、アルバイト経験やインターンシップなど、職務に関係する活動があれば記載することで、ブランクへの不安を和らげられます。
記載順は時系列で「○年○月 株式会社○○ アルバイト入社」「○年○月 契約終了につき退職」など、簡潔かつ正確に記します。
職歴がない場合には、「職歴」欄に「なし」と書いた上で、「以上」と記します。
また、空白期間がある場合には、何をしていたのかを補足説明する欄を設けるか、職歴の下に小見出しを設け、簡潔に説明するのが望ましいでしょう。
空白期間の補足
2021年4月〜2023年3月 家業手伝いや資格取得に専念
社会人経験者の転職用履歴書のテクニック
転職活動を行う社会人は、これまでの職歴が最大のアピールポイントになります。
履歴書では、各社での業務内容や役職、成果などを簡潔に伝えることが求められます。
また、退職理由も前向きな言い回しで表現することが重要です。
職歴欄には、在職期間、会社名、部署名、雇用形態、担当業務を記載し、退職時には「一身上の都合により退職」または「会社都合により退職」など、相手に不安を与えないような表記を使用します。
複数社を経験している場合は、見やすく整理するために以下のような表を活用するのも有効です。
年月 | 会社名・所属部署 | 雇用形態 | 職務内容 | 備考 |
---|---|---|---|---|
2018年4月 | 株式会社リクルート マーケティング部 | 正社員 | Web広告運用・データ分析 | |
2021年6月 | 株式会社サイバーエージェント メディア事業部 | 正社員 | SNS広告のプランニング業務 | 現在在職中 |
退職理由の適切な記述例
- 「ステップアップを目指し、自身の可能性を広げるため退職」
- 「会社組織の再編により部署が廃止されたため退職」
また、転職者向けの履歴書では「職務経歴書」を別紙で準備することが一般的です。
履歴書には簡潔に、詳細は職務経歴書に記載する形が望ましいです。
ポイントの比較表
立場 | 職歴記載 | 注意点 |
---|---|---|
新卒 | 「職歴なし」と記載 | 学歴段階を正確に。自己PRを充実させる |
既卒 | アルバイトやインターンの経験を職歴欄に | 空白期間の説明が重要 |
転職者 | 職歴と実績を簡潔に記載 | 職務経歴書との整合性に注意 |
履歴書の学歴・職歴欄のNG例と改善ポイント
誤字脱字・略語・年号の不一致
履歴書において、誤字脱字や表記の揺れは評価を大きく下げる要因です。
特に学歴・職歴欄では、学校名や企業名、部署名などを略称で記載したり、年号が西暦と和暦で混在していると、読み手に不信感を与える可能性があります。
人物の信用性や正確性を問う職歴・学歴欄では、正式名称と統一表記を徹底しましょう。
NG例 | 改善例 | 解説 |
---|---|---|
日大附属 | 日本大学付属高等学校 | 略称ではなく、正式な学校名を記載する |
平成31年卒業/2019年入社 | 平成31年卒業/平成31年入社 | 和暦・西暦の年号表記は統一する |
経理部 | 株式会社〇〇 経理部 所属 | 会社名と所属部署はセットで正式に書く |
職歴の空白期間の記載について
就業期間に空白があると、採用担当者に「なぜその期間に働いていなかったのか?」と疑問を持たせてしまいます。
空白期間がある場合は、その理由を簡潔に、正確に記載することで誤解を防ぐことができます。
空白の理由が正当なものであれば、特に採用に不利に働かない場合も多いため、積極的に補足しましょう。
NG例 | 改善例 | 解説 |
---|---|---|
2020年4月~2021年3月 空白 | 2020年4月~2021年3月 職業訓練校に通学(Webデザイン科 修了) | 空白期間の活動内容を記述することで好印象につながる |
2019年12月退職 → 2021年6月入社 | 2019年12月 一身上の都合により退職 2020年4月~2021年3月 親の介護のため離職 | 正当な事情がある場合は補足説明を |
簡単すぎる・曖昧な表現の修正方法
「○○高校 卒業」「株式会社○○ 勤務」など、あまりにも簡素な記述は内容が薄く、信頼性に欠ける印象を与えることがあります。
どのような学科を専攻していたのか、どの部署で何をしていたのかまでは不要ですが、最低限の情報は記載しましょう。
特に転職を希望する際には、前職での仕事内容や役割を履歴書の職歴欄にも明記することで、自己アピールの一環になります。
NG例 | 改善例 | 解説 |
---|---|---|
○○大学 卒業 | ○○大学 経済学部 経済学科 卒業 | 学部・学科を明示することで学歴を明確に |
株式会社○○ 勤務 | 株式会社○○ 営業部配属(営業アシスタント業務に従事) | 業務内容も簡単に記述すると内容が伝わりやすくなる |
このようなNG表現を避け、正確・明確に履歴書を作成することで、応募者としての信頼度を高め、面接へとつながる可能性も高まります。
学歴・職歴欄は“書けて当たり前”の項目なだけに、ちょっとしたミスや不備で大きなマイナス評価につながるリスクがあることを理解しておきましょう。
履歴書の書き方をサポートする無料テンプレート・サンプル

Microsoft Wordで使える無料サンプル
履歴書の作成には、Microsoft Word形式のテンプレートが多くの求職者に利用されています。
Wordでの編集は自由度が高く、自分に合ったフォーマットにカスタマイズできる点が大きな魅力です。
以下は、Word形式で利用可能な代表的な無料テンプレート配布先です。
提供元 | 特徴 | ダウンロード形式 |
---|---|---|
マイナビ | 新卒・転職用にパターン多数、Wordで編集しやすい | .docx(Microsoft Word) |
エン転職 | 見やすく、写真位置や職歴記載欄が充実 | .doc(旧形式対応) |
doda | フォーマル・職種別のサンプルが豊富 | .docx |
テンプレートを使用する際は、書式を大きく崩さないように注意し、氏名欄、住所欄、志望動機欄などの基本項目の配置にも留意しましょう。
PDF形式でそのまま使える履歴書テンプレート
印刷を前提としている場合には、PDF形式のテンプレートが便利です。
特に手書きで清書する人や、誤ってレイアウトを崩す心配がある方には、PDFの利用がおすすめです。
主な提供元と内容は以下の通りです。
提供元 | デザインの特徴 | 備考 |
---|---|---|
厚生労働省 | 公的機関で推奨される汎用デザイン | 全国のハローワークで使用可 |
ハローワークインターネットサービス | シンプルで記入欄が明瞭 | PDF形式で直接プリント可 |
履歴書.JP | 手書きに最適な行間と罫線配置 | 各種フォーマットが選べる |
PDFテンプレートの印刷は、A4用紙またはB5用紙に対応しているものが多いため、印刷サイズの選択ミスには注意しましょう。
手書き用PDFとパソコン入力用の違い
履歴書のテンプレートには、手書き専用とパソコン入力用の2種類があります。
それぞれの特性を理解し、自分の用途に合った形式を選ぶことが重要です。
項目 | 手書き用PDF | パソコン入力用 |
---|---|---|
書き方 | プリントアウトして手書き記入 | PDFまたはWordに直接入力 |
見た目の印象 | 温かみ・真剣さが伝わる | 整ったレイアウトで視認性が高い |
提出先での評価 | 業界(教育・医療など)によっては高評価 | IT・外資系企業では一般的 |
求職先の業界・職種を踏まえて、どちらの様式にするか判断しましょう。
一部の企業では、あえて手書きの履歴書を希望する場合もありますので、企業研究の一環として確認しておくことをおすすめします。
厚生労働省・ハローワーク公認のテンプレート活用術
信頼性の高い履歴書テンプレートを使いたい方には、厚生労働省やハローワークで提供されている公認の様式の活用がおすすめです。
これらのテンプレートは公的機関に準拠しているため、フォーマットに迷った時の基準として最適です。
特に次の2つの書式がよく利用されています。
テンプレート名 | 特徴 | 提供先 |
---|---|---|
JIS規格(日本工業規格)履歴書 | 全国で広く使用されている標準形式。学歴職歴欄が広く、志望動機欄も充実 | 厚生労働省・ハローワーク |
履歴書(簡易版) | 職歴や自己PRを簡潔に記載する形式。短期バイトやアルバイト応募向け | ハローワークインターネットサービス |
これらのテンプレートは、ハローワークのWebサイトからPDF形式で無料ダウンロードでき、誰でもすぐに使うことが可能です。
記入例が付いているものも多く、履歴書作成初心者にとって心強いサポートとなります。
また、履歴書と合わせて職務経歴書テンプレートも用意されていることが多いため、転職活動中の方は併せてダウンロードしておくと便利です。
履歴書作成をさらに効率化する便利ツールとアプリ
履歴書メーカーなどの無料作成ツール
近年では、Web上で簡単に履歴書を作成できる無料ツールが豊富に提供されています。
利用者はテンプレートに従って項目を入力するだけで、自動的にレイアウトされた履歴書が生成され、PDF形式でダウンロードすることが可能です。
これらのツールは、パソコン操作が苦手な方や、書式の整った履歴書を短時間で完成させたい人におすすめです。
以下に代表的な無料の履歴書作成ツールを紹介します。
ツール名 | 特徴 | 対応形式 | 運営元 |
---|---|---|---|
エン転職 履歴書メーカー | 基本情報・学歴・職歴を入力するだけでPDF履歴書完成 | エン・ジャパン | |
リクナビNEXT レジュメ作成ツール | 職歴欄のサジェスト機能付き。職務経歴書も作成可能 | Word・PDF | リクルート |
マイナビ転職 履歴書作成ナビ | テンプレートに沿って初心者でも迷わず入力できる | マイナビ | |
doda レジュメビルダー | 入力内容を保存可能で後から編集も簡単 | Word・PDF | パーソルキャリア |
スマホで簡単に履歴書が作れる人気アプリ
パソコンを持っていない、または外出中に履歴書を作成したい方に便利なのが、スマートフォンアプリを利用した履歴書作成です。
スマホ用アプリは操作性が高く、入力補助機能や過去データの保存機能、写真の貼り付けなどが可能で、外出先でも手軽に履歴書を作成・編集できます。
以下は日本で人気の履歴書作成アプリの一例です。
アプリ名 | 対応OS | 主な機能 | 特徴 |
---|---|---|---|
履歴書カメラ | iOS / Android | 証明写真の撮影補正、履歴書記入 | 証明写真がその場で撮れる・背景自動処理 |
レジュメ | iOS / Android | テンプレートに沿った入力、自動保存 | 入力ガイド付きで初心者でも安心 |
JIS履歴書作成 | Android | JIS規格準拠の履歴書作成、PDF保存 | シンプルで無駄のない日本式履歴書 |
オンライン上で写真付き履歴書を作成・保存する方法
履歴書には「証明写真」が必要となりますが、近年ではスマホやパソコンで撮影した写真を履歴書にそのまま貼り付けて使用することも可能です。
多くの履歴書作成ツールやアプリでは、画像ファイルのアップロード機能があり、アップロードされた画像を所定のサイズ・位置に自動でレイアウトしてくれます。
証明写真付きの履歴書をオンラインで作成できる方法としては、以下のような手順があります。
- アプリやツールで自分の顔写真をスマホやカメラで撮影
- ツール上にアップロードしてトリミング・背景調整
- 履歴書テンプレート上に写真を自動で配置
- PDFとして保存・印刷またはメール添付用に出力
「履歴書カメラ」などのアプリでは、撮影から補正、背景処理、貼り付けまでワンストップで完結できるため、急な応募にも対応できます。
履歴書作成に便利なクラウド保存と編集機能
複数企業へ応募する場合や、何度も内容の微調整を行いたい場合には、クラウド上で保存・編集ができる履歴書作成ツールが非常に便利です。
一度作成したデータをクラウドに保存しておけば、スマホ・パソコンなどデバイスをまたいでアクセスすることができます。
加えて、内容ごとにバージョン分けができるツールもあり、職種や応募企業ごとに履歴書を最適化することが可能です。
dodaやリクナビNEXTなど大手転職サイトのツールでは、ログイン後に簡単に履歴書や職務経歴書をクラウド保存でき、応募先ごとに微修正した履歴書をすぐに送付できる機能が整っています。
履歴書フォント・レイアウト調整機能
読みやすい履歴書を作成するためには、フォントサイズ、行間、余白の調整も重要です。
多くの履歴書作成ツールでは、フォント種別(明朝体・ゴシック体など)や文字サイズ、行間の設定ができるようになっており、視認性の高い履歴書を手軽に作成できます。
とくにパソコン用のWebツールでは、通常のJIS規格レイアウトの他に企業向けにアピール度が高いデザイン性のある履歴書テンプレートが選べるものもあり、自分の応募先に応じた最適な履歴書フォーマットが選べる点が魅力です。
まとめ
履歴書の学歴・職歴欄は、採用担当者が応募者の経歴や社会人としての信頼性を判断する重要な情報源です。
正しい書き方を理解し、誤字脱字や表記ミスを避けることが内定への第一歩です。
無料テンプレートや履歴書作成ツール(厚生労働省の推奨フォーマットやリクナビNEXTの履歴書メーカーなど)を活用すれば、手軽に見やすく好印象な履歴書が作成可能です。
この記事の内容を参考に、あなたの魅力を最大限に伝える履歴書を作成しましょう。
