履歴書を書く際に頭を悩ませる方が多いのが、「志望動機」の欄です。
志望動機は、採用担当者が書類選考の通過を判断する重要なチェックポイントです。
「正直なところ、家が近いから応募しただけ」、「大手企業なので、とりあえず応募してみた」という場合でも、しっかりと志望動機を記入することで、書類選考の通過率をグッと高めることができます。
そこで今回は、「受かる志望動機の書き方」をご紹介していきます。
志望動機を書くときの注意点

志望動機の欄には、「応募先の企業で働きたいと思った理由」を記入します。
採用担当者は志望動機欄に書かれた内容から、応募者の本気度や、企業に対する理解度を判断します。
複数の企業に応募する場合や、同業他社に応募する際に「志望動機を使いまわそう」と考える方も少なくありませんが、使いまわせる志望動機では、書類選考の通過率は上がりません。
「なぜ応募先の企業で働きたいと思ったのか」、「どうして他の会社ではだめなのか」という部分を、丁寧に伝えていきましょう。
欄の8割以上は記入する
「志望動機が思いつかない」という場合であっても、一言しか志望動機を書かなかった場合は、書類選考の通過率が大きく下がります。
履歴書の志望動機欄のうち、8割程度は文章を書くことを目標に、案を考えていきましょう。
反対に、履歴書の枠外にはみ出すほどの文章量を記入することも、採用担当者の心象を悪くしてしまいます。
志望動機欄以外も、履歴書を作成する際はすべて枠内に収まるように、文字のサイズや文章量を調整してください。
志望動機文の作り方
志望動機を書く時は、次のような順序で内容を構成していきます。
①応募先の企業の魅力を書き、働きたいと思ったきっかけを伝える
②自分の経歴や実績のなかで、どのような部分が応募先の企業の役に立つのかを伝える
③①と②の内容をまとめる
この手順に従って作成した例文を以下に紹介します。
実際に志望動機を記入する際は、記入欄のスペースに合わせてエピソードを取捨選択し、文章量を調整してください。
新卒採用に応募する場合
『私は貴社の製品を留学中の中国で見かけたことをきっかけに、貴社の海外事業に興味を抱きました(①)。
大学では国際マーケティングについて専攻しており、貴社の高品質な製品を海外の人々にも認知が拡大できるよう、尽力してまいりたいと考えています(②)。
中国語に関しては問題なく日常会話ができるレベルですので、語学も活かしながら、貴社の発展に寄与してまいりたいと願い、貴社への就職を志願しております(③)。』
転職を希望している場合
『地元である愛知県の企業への転職を希望するなかで、中小企業に対して個人もしくは少人数のチームで営業を行うことができる貴社に興味をもちました(①)。
現職では主にWeb媒体に掲載する求人広告営業を担当していますが、10名程度の営業チームで協業している関係で、個人の能力や価値が評価されにくい環境であると感じています(②)。
これまでの経験を活かして、お客様のニーズを細かく聞き取り、寄り添ったご提案をする丁寧な営業スタイルで愛知県の活性化の一助になりたいと考え、貴社への就職を志願します(③)。』
パート・アルバイト職に応募する場合
『大学受験を通して得た知識を活かしながら、次世代を担う生徒の一助になりたいと考え、個別指導に特化した貴塾で働きたいと考えております(①)。
私自身が高校時代に、大手学習塾を退塾し、個別指導塾で大きく成長できた経験から、一人ひとりの生徒に寄り添って成長を見守ることのできる個別指導塾にはとても思い入れがあります。
大学で専攻している教育学の知識も反映させながら、貴塾で志望校合格を目指す生徒のサポートを行いたいと思います(③)。』
履歴書に「ウソ」は厳禁
履歴書は、正式なビジネス文書として取り扱われる、非常に重要な書類です。
名前や住所、学歴などの基本情報はもちろんのこと、志望動機の記入欄に「ウソ」を書くことはできません。
特に志望動機は、実際の面接においても頻出の質問の一つです。
履歴書に書いた内容をしっかりと覚え、口頭で説明しなくてはいけません。
正確な志望動機を面接本番でも伝えることができるように、事実を基にした文章の作成を心がけましょう。
「学ばせてください」の使い方に注意
初めて履歴書に志望動機を書く際に、多くの人が添えてしまうのが「貴社で学ばせてください」の文言です。
「学ばせてください」という姿勢は、一見すると「謙虚に教えを乞う、意欲のある人」という印象がありますが、「企業頼みの受け身な人」、「他人任せで指示待ちの人」ととらえる採用担当者もいます。
「成長させてくれるから、貴社で働きたいです」というスタンスではなく、「これまでの経験に固執することなく、よいことは積極的に吸収していきたい」という前向きな姿勢をアピールすることが大事です。
志望動機を考えるなら「企業研究」は必須

志望動機を書く際に最も大切なのが、応募先の企業をしっかり研究することです。
ただ単に応募先の企業における事業内容や商品・サービスなどを羅列したり、業績や市場シェアに関する考察を記入するだけでは、他の応募者との差別化ができず、「志望動機が弱い」と判断されるケースが多くなっています。
他の人と同じ観点に立って働きたい理由を述べるのではなく、「私が魅力を感じている部分」という観点から、企業の分析をしていきましょう。
企業ホームページの情報はしっかりと確認する
企業研究の第一歩は、応募先の企業のホームページを確認することから始まります。
「大手企業だから、なんとなく商品のことは知っている」、「いつも利用している店だから、雰囲気は分かっている」と、企業研究をすることなく志望動機を書こうとすると、内容が薄くなってしまいます。
まずは一度、応募先の情報をすべて確認しておきましょう。
可能なら足を運ぶ
実際に、応募先の企業に足を運んだり、サービスや商品を利用したりすることも、企業研究の一つです。
アルバイトに応募しようと思っている店舗を利用してみたり、応募先の企業の一般向け商品を買ってみることで、応募先の企業に対するイメージをより具現化することができます。
特に新卒採用の場合は、インターンシップやOB・OG訪問を利用できる機会や、就職説明会に参加できる機会があるかもしれません。
積極的に企業の情報を収集することで、より内容の濃い志望動機が書けるようになります。
自分と企業の共通点を探す
ライバルの志望動機との差別化を図り、書類選考の通過率を上げるためには、「自分オリジナル」の志望動機を作成することが大切です。
企業研究を通して、「自分の知識を活かせるかも」、「自分が大きく成長できるかも」と感じた部分を志望動機の軸とすることで、「自分オリジナル」の志望動機がみつかります。
自己PR欄に書ききれなかった実績も踏まえてアピールして、採用担当者に熱意を伝えましょう。
簡単に履歴書の志望動機欄を埋めたいのなら「履歴書作成ツール」がおすすめです

履歴書の志望動機を書くときの注意点と、企業研究の方法についてご紹介しました。
しかし、「やっぱり志望動機を考えるのが面倒くさい」、「この履歴書の書き方で合っているのか」と悩む方も少なくありません。
そんな時に活用してほしいのが、パソコンやスマホのブラウザから履歴書作成ツールを使用する方法です。
メリット①スキマ時間に作成できる
パソコンやスマホのブラウザから入力できる履歴書作成ツールを使うと、移動時間やスキマ時間に、「これを志望動機に書こう」と思った内容を、すぐに入力することができます。
スマホで簡単に入力した内容を、自宅でしっかりと書きなおす、というスタイルで、時間を効率よく使いながら履歴書を作成することができます。
メリット②テンプレートが豊富
履歴書作成ツールには、新卒用、転職用、パート・アルバイト用と、多数のテンプレートが登録されています。
しっかりと志望動機を書きたいときは志望動機欄が大きめのテンプレートを使用したり、志望動機が思いつかないときは志望動機欄が小さめのテンプレートを使用するなど、ケースバイケースで自分に合った書式で作成できるというメリットがあります。
メリット③例文が充実
履歴書作成ツールに入力するときに、例文のサンプルが多数登録されていると、それらを参考に志望動機を書きやすくなります。
例えば「未経験の職種に応募する場合」や、「専攻と違う業界に就職を希望する場合」のように、志望動機の組み立てが難しい場合でも、サンプルを参考しながら自分オリジナルの内容を構成していくことで、志望動機の書き方に悩む時間が短くなります。
メリット④いざという時にはプロに相談
パソコンやスマホのブラウザを用いる履歴書作成ツールの多くは、無料で利用可能です。
さらに有料のオプションで、プロによる履歴書の添削サービスが選べる履歴書作成ツールを使っておくと、「志望度が高く、どうしても書類選考を通過したい」という場合や、「初めての履歴書作成で、書き方に間違いがないか不安」という場合に、プロのアドバイスを受けることが可能です。
メリット⑤印刷や送付が簡単
近年では履歴書の提出方法が、郵送だけではなくなりつつあります。
企業によってはメールや専用フォームからの送付を指定していることもありますので、ブラウザの履歴書作成ツールで作成をしておくと、とても便利です。
提出前に履歴書を汚してしまったり、紛失してしまった場合、また「提出前に、もっといい内容の志望動機を思いついたので書き直したい!」という場合にも、すぐに対応可能です。
