新卒活動の時と同じく、転職活動の必須書類が「履歴書」です。
転職活動に用いる履歴書も、新卒採用時に提出した履歴書と同様に、正確な情報をウソ偽りなく記入する必要がありますが、さらに転職活動時に気を付けたいポイントがいくつかあります。
今回は、転職活動に用いる履歴書の書き方を説明していきます。
履歴書作成ツールの選び方についても詳しくご紹介しますので、ぜひ最後までチェックしてください。
転職用履歴書と新卒用履歴書の違い

基本的な履歴書の書き方は、転職のための履歴書であっても、新卒の時と変わりません。
ビジネスマナーを理解した上で正しく記入すること、応募先の企業研究をした上で熱意を伝えることが大事です。
履歴書のフォーマットは「一般用」を選ぶ
新卒用履歴書は、職歴を記入する欄が狭く設定されていることが多いため、転職のための履歴書は「一般用」を選んでください。
また、職歴の詳細や業務内容に関しては、履歴書と併せて提出する「職務経歴書」に詳しく記入します。
職務経歴書は、新卒採用時に履歴書と共に提出した「エントリーシート」に代わる書類で、これまでの社会人経験やそこで得た能力やスキルを紹介する書類です。
自分の持つ力を、どのような形で応募先の企業で活かすことができるのかを伝えていきます。
職歴もPRポイント
新卒採用時は、履歴書の職歴欄に「なし」と記入していましたが、転職のために準備する履歴書では、これまでの職歴についてしっかりと記入する必要があります。
企業の採用担当者が、転職用の履歴書を確認する際に最も時間をかけてチェックする部分が「職歴」です。
採用担当者は、応募者の職歴欄から、即戦力となりうる人材であるか、求めている人材にマッチしているかを確認しています。
部署の異動履歴なども含めて、詳細な職歴を記入することで、自分のPRにつなげましょう。
転職用履歴書の書き方で注意したいポイント

履歴書の基本的なルール(修正器具は使用不可、消えるボールペン等は使用不可)以外に、特に転職用の履歴書の書き方で注意したいポイントをご紹介します。
「職歴」は時系列に沿って書く
職歴は、過去のもの(新卒入社時)から順を追って記入してください。
「同業他社の勤務歴を目立たせたいので、最上部に書く」、「勤務年数が長い順に記入する」という書き方は、できません。
採用担当者が、応募者のキャリア形成の過程を確認できるように、時系列に沿って記入することを心がけてください。
短期間の職歴も記入する
転職活動が複数回にわたる場合、「2ヶ月しか勤めていない会社がある」、「職歴が多すぎて、書くのが恥ずかしい」などと悩み、「職歴を少なく書きたい」と考える方も少なくありません。
しかし、先述の通り採用担当者は、職歴を通して応募者のキャリア形成の過程を確認したいと考えています。
不自然に職歴の空白がある際は採用担当者に疑問をもたれることもありますし、勤務年数等を虚偽の情報で申告していると、年金加入記録の手続き時などに混乱を招きかねません。
また、履歴書はビジネス文書にあたりますので、誤った情報を意図的に記入した場合は、「私文書偽造」として解雇や内定取り消しの可能性があります。
心配な場合は、「家庭の事情で退職」、「会社都合により退職」など、職歴欄に簡単な退職理由を添えておくと安心です。
「学歴」は最終学歴の一つ前から
新卒採用では中学校卒業から記入していた学歴欄ですが、転職活動の場合は最終学歴の一つ前の学校に入学した所から、学歴を記入していきます。
大学が最終学歴の場合は高校入学から、大学院卒の場合は大学の入学から、と覚えておきましょう。
基本的な履歴書の作成ルールではありますが、「高等学校」を「高校」と略して記入することはできません。
社会人としてのビジネススキルに疑問を抱かれる可能性がありますので、改めて新卒採用の時と同様に、履歴書の基本的な書き方を徹底しましょう。
「資格」は業務に活かせるものを中心に
資格欄の一行目は、自動車免許を持っているならその旨を記入しましょう。
免許の名称も省略せずに、「普通自動車第○種運転免許」と正式名称で記入することを心がけてください。
二行目以降は、時系列に沿って保有免許や資格を記入していますが、欄が足りなくなりそうな場合は、応募先の企業での業務内容に関連している内容のものに絞ってアピールしていきましょう。
転職後に活かせそうな資格取得に向けて勉強中の場合は、「資格取得に向けて勉強中」のような言葉を記載しても問題ありません。
「自己PR」は経歴と志望業務内容を関連付ける
自己PR欄は、「応募先の企業に対して、どのように貢献できるのか」を伝えるスペースです。
前職での実績(達成した目標や、経験を通して獲得したスキル)に触れ、応募先企業の業務内容において、どのように活かすつもりであるかを伝えてください。
具体的には、「前職で○○○○○の業務において、目標を達成するために●●●●●に注力し、結果として数字を達成した」、「このスキルを御社の△△△△△に活かし、発展に寄与したい」という内容にまとめていきましょう。
自己PR欄に前職での実績の詳細を書ききれない場合は、職務経歴書で詳しく記入していきましょう。
「志望動機」は退職理由の書き方に注意
志望動機を記入する上で、なぜ前職からの転職に踏み切ったのかは、簡単に触れておくべきです。
ただし、「給与面に不満があり、より給料の高い会社に転職したい」、「上司と喧嘩をして退職をした」というように歯に衣着せぬ物言いは避け、「自分の能力をもっと高めたいと思った」、「自分のスキルを活かし、御社の素晴らしいサービスをもっと社会に広めたいと思った」というように、ポジティブな内容に調整した方が、書類選考を通過しやすくなります。
履歴書に虚偽の内容を記入することはできませんが、前向きな言い回しに調整することで、採用担当者にネガティブな印象を抱かせないように工夫していきましょう。
「扶養家族数」は条件を確認
新卒採用を目指している時とは異なり、転職活動中の方のなかには、家庭を持っている方も少なくありません。
そのため転職活動用の履歴書フォーマットには、「扶養家族」の記入欄が設定されているのが一般的です。
扶養家族数を記入することで、企業としては社会保険の加入手続き・各種税金の算出・住宅手当や扶養手当の算出などをスムーズに進めることができます。
扶養家族は、3親等内の同居親族もしくは別居でも収支を一にしている親族・ほかの健康保険組合で被保険者となっていない・収入が所定の条件を満たしている、という3要件を満たしてる場合の人数を書きます。
履歴書の書式や企業によっては「配偶者を除く」という規定がある場合もあります。
扶養家族数は、慎重に条件を確認した上で、誤りのないように記入してください。
「健康状態」もアピールにつながる
健康状態に問題がない場合は、「健康上の不安はありません」と文章で記入しましょう。
「健康上の懸念事項はなく、前職でも3年間無遅刻無欠席でした」と、自己PRにつながる書き方をすることもおすすめです。
持病がある場合や、定期的な通院が必要な場合も、業務に支障がない範囲であれば特筆しなくても問題ありませんが、不安な場合は「半年に一度、持病の経過観察で通院の必要がありますが、業務上の支障はありません」などと添えておきましょう。
「本人希望欄」の書き方に要注意!
転職用の履歴書の書き方で最も注意したいポイントが、「本人希望欄」の書き方です。
本人希望欄は、読んで字のごとく「自分の希望を書く欄」と誤認している方が多く、「現職同等の給与を希望します」、「現職では係長でしたので、貴社に入社後も同等の役職を希望します」と記入される方がいらっしゃいますが、これらの内容を記入することはおすすめできません。
給与は求人情報の内容に準じた支給になりますし、転職先でのポジションは、転職後の貢献度によって判断されることが一般的だからです。
本人希望欄には、基本的に「貴社の指定に従います」と記入すれば問題ありません。
どうしても応募先の企業に伝えておかなければならない内容がある場合は、「未就学児を保育中ですので、急な体調不良等でご相談させていただく可能性があります」、「入社日に関しては、採用決定後にご相談させていただきたく存じます」などと記入しましょう。
転職用の履歴書の書き方は手書きがおすすめ?ブラウザ作成がおすすめ?

転職用の履歴書を記入するときのポイントが理解できたら、いよいよ履歴書の作成です。
履歴書は、手書きで作成する方法と、ブラウザを活用して作成する方法がありますが、基本的にはスマホやパソコンのブラウザを使用して書く方法がおすすめです。
誤字・脱字に対応しやすい
履歴書はビジネス文書として扱われますので、修正器具(修正テープや修正液)を使用したり、二重線で内容を訂正することができません。
そのため、忙しい社会人が転職用の履歴書を作成するのであれば、効率よく履歴書への記入を進めることができるブラウザ作成がおすすめです。
転職の場合も、新卒の就職活動時と同様に、複数社に書類を送ることが多いですが、基本項目などは1度入力するだけで使いまわしができるというのも、ブラウザで履歴書を作成する上でのメリットです。
提出が簡単
転職用の履歴書は、郵送以外にも、メールで採用担当者に送付したり、転職エージェント経由で提出したりと、様々な送付方法が指定されがちです。
応募先の企業の指定に応じて、印刷やPDF化など柔軟に対応できるのは、ブラウザ作成の特徴といえます。
ビジネススキルをアピールできる
企業が中途採用を行うメリットは、ある程度のビジネススキルと実績を有する、即戦力を採用できる点です。
そのため、履歴書や職務経歴書などの書類を問題なくブラウザで作成することができ、基本的な書き方を遵守している応募者は、「社会人としての常識が十分である」というポジティブな印象につながりやすいです。
ビジネスの場で問題なくパソコンを使えることをアピールするためにも、転職用の履歴はブラウザを使用した書き方がおすすめです。
