履歴書の志望動機欄をしっかり書き上げることで、書類選考の合格率が大幅にアップします。
本記事では、採用担当者の目線や合否の分かれ目となるポイント、実際のチェックリスト10項目を徹底解説。
誰でも自信を持って提出できる志望動機の書き方が分かります。
履歴書の志望動機欄とは何か理解しよう

履歴書の志望動機欄は、応募者がその企業や職種を選んだ理由や、自分がどのように貢献できるかを採用担当者に伝える重要な項目です。
多くの企業は、志望動機欄を通して「この人はなぜ当社を選んだのか」「どんな意欲や考えを持っているのか」を知りたいと考えています。
履歴書内で自己PR欄と並ぶ、選考通過のための要とも言える部分です。
志望動機欄の主な役割と位置づけ
志望動機欄は、単なる応募理由の記載場所ではありません。
企業が求める人材像と自分がどのようにマッチしているか、また入社後にどんな活躍をしたいかを伝える場です。
この欄がしっかり書かれていると、書類選考や面接での評価が大きく変わることもあります。
観点 | ポイント | 備考 |
---|---|---|
位置 | 履歴書の中段〜下部に記載欄が設けられていることが多い | 市販の多くの履歴書に設置あり |
重視される理由 | 企業とのマッチング度や成長意欲が分かる | 志望動機が曖昧だと不採用リスク大 |
自由記述欄との違い | 志望動機欄は応募理由に特化して記載 | 自己PR等は別欄となっている場合が多い |
履歴書でよく使われるフォーマット例
履歴書の様式は様々ありますが、日本で一般的なフォーマットとしては「JIS規格履歴書」や「学歴・職歴・自己PR・志望動機」欄がセットになっているタイプが主流です。
それぞれの欄が明確に分かれているため、志望動機を書くスペースも限られています。
文字数はおよそ100~200字程度が目安となります。
採用担当者の視点から見た重要性
採用担当者は、志望動機欄を通じて「自社への熱意」「応募者と企業の相性」「目標への取り組み意欲」などをチェックしています。
単に「御社に興味がある」「成長できそうだから」などの表面的な記述だけではなく、自分の経験やスキル、企業研究の成果が簡潔にまとまっているかどうかが評価基準です。
志望動機欄は、他の応募者との差別化ポイントにもなります。
採用担当者が重視するポイントとは
履歴書の志望動機欄は、応募者と企業をつなぐ最初のコミュニケーションの場とも言えます。
採用担当者は、単に志望理由が書かれているかどうかだけでなく、応募者が企業に合っているか、長期的に活躍できる人材かどうかを重視しています。
企業ごとに文化や価値観、求める人物像が異なるため、どのような点に注目して評価しているのかを理解しておくことが大切です。
採用担当者がチェックする主な評価ポイント
採用担当者は、「自社で活躍できる人材であるか」という観点から、志望動機の内容を総合的に評価します。以下のような点が共通して重視される傾向にあります。
評価ポイント | 具体的な確認事項 | なぜ重視されるか |
---|---|---|
企業とのマッチ度 | 企業理念や事業内容、社風を理解したうえでの志望理由が記載されているか | 会社への理解が浅いと早期離職につながるリスクがあるため、マッチ度を重視 |
志望理由の具体性 | 「なぜこの企業なのか」「なぜこの業界なのか」が明確に表現されているか | 本気度やリサーチ力、主体性を読み取るため |
自己PRと志望動機の一貫性 | 自分の強み・経験が職務や企業ニーズと結びついているかどうか | 入社後の活躍イメージを採用担当者が持ちやすくなる |
貢献への意欲 | 「自分がどう貢献できるか」「どのような成長をしたいか」が明確か | 受け身ではなく、主体的に働く意欲の高さを評価 |
文章力と誠実さ | 段落構成や適切な言葉遣い、日本語表現に問題がないか | ビジネスパーソンとして適切なコミュニケーション能力も判断材料 |
企業側が求める人材像を把握することの重要性
企業ごとに異なる「求める人物像」を把握できているかどうかは、志望動機の内容に直結します。
例えば、株式会社リクルートやソニー株式会社などは、「主体性」「成長意欲」「コミュニケーション能力」など、明確なキーワードを採用情報で示している場合が多いです。
採用担当者は、これらのポイントが志望動機に具体的に反映されているかを必ず確認します。
共感と独自性もチェックされるポイント
全体的な内容が「この企業でなくてはならない理由」として納得できるものか、また他の応募者と差別化できる独自性があるかどうかも重要視されます。
ありきたりな定型文や他社でも通用するような内容は、熱意や独自性が足りないと判断されることが多いです。
そのため、「自分だからこそ言える志望理由」をエピソードや経験を交えてアピールする必要があります。
採用担当者の視点を理解したうえで志望動機を作成するコツ
志望動機を記載する際は、採用担当者がどのような点に注目しているかを意識することで、他の応募者との差別化や説得力の向上が期待できます。
特に、「企業の成長・課題に自分がどのように貢献できるか」「企業の理念や業務内容への共感がどこにあるか」を明確にし、客観的な視点と主観的な熱意のバランスを取るのがポイントです。
伝わる志望動機の基本構成を押さえる
履歴書の志望動機欄は、自分がなぜその企業に応募したのかを効果的に伝える重要なスペースです。
採用担当者に「この人なら自社で活躍できそうだ」と思ってもらうためには、伝わる志望動機の基本構成を理解し、それに沿って記載することが欠かせません。
以下の要素を押さえて、説得力のある志望動機を書きましょう。
自分の強みを明確に記載する
まずは自己分析をしっかり行い、自分の強みを明文化します。
例えば「コミュニケーション能力」「課題発見力」「リーダーシップ」など、企業が求める人物像に照らし合わせながら、具体的な経験を通して強みをアピールすることが重要です。
強みの例 | 具体的なエピソード |
---|---|
コミュニケーション能力 | アルバイトのリーダー経験でメンバー間の調整役を担当した |
課題解決力 | ゼミ活動でグループの課題を分析し、解決策を提案した |
責任感 | 文化祭実行委員会で予算管理を任され、無駄の削減を実現した |
応募先企業への理解を具体的に示す
企業独自の特徴や理念、事業内容に触れ、「なぜこの会社を選んだのか」を具体的に記載します。
企業ホームページやニュースリリース、業界紙などから情報を収集し、自分なりの視点で強調しましょう。
例えば、「株式会社リクルートの『個の力を信じる』という価値観に共感した」といった形です。
企業の特徴 | 理解の深さを示す書き方例 |
---|---|
業界トップシェア | 御社が長年業界をリードしてきた安定した基盤に惹かれた |
独自の技術力 | 独自開発されたAI技術に注目し、社会貢献度の高さを感じた |
社風・理念 | 「挑戦を大切にする社風」に共感し、自らも成長したいと考えた |
将来のビジョンや貢献意欲を伝える
志望動機には、入社後にどのように活躍したいかという将来の展望や、自分が何を実現したいかを盛り込むことも大切です。「貴社の営業職として顧客満足度向上に貢献したい」「5年後には新規事業開発に携わりたい」など、意欲やビジョンを具体的に記載しましょう。
貢献意欲の例 | 将来ビジョンの例 |
---|---|
チームワークを活かして売上目標達成に貢献 | 海外展開プロジェクトリーダーを目指したい |
新規顧客開拓で会社の成長に貢献 | 商品開発で自ら企画から携わりたい |
サービス品質向上に取り組みたい | 将来的にマネジメント職を担いたい |
このように、志望動機は「自分の強み」「企業への理解」「将来への意欲」という3つの要素をバランス良く盛り込むことで、採用担当者に熱意とマッチ度を伝えることができます。
必ず実体験と具体例を交え、独自性のある内容に仕上げましょう。
履歴書の志望動機、チェックリスト10項目

履歴書の志望動機を書く際は、内容や表現が採用担当者にしっかり伝わるかを確認することが重要です。
以下の10項目のチェックリストを使えば、より完成度の高い志望動機に仕上げることができます。
チェック項目 | 具体的な確認ポイント |
---|---|
志望先企業に合わせた内容になっているか | 企業名や事業内容、ビジョンに即した内容になっているか。応募先ごとに志望動機が最適化されているかを確認しましょう。 |
志望動機が具体的かつ論理的に記載されているか | 「なぜその企業を志望したのか」「どのように活かせるか」が論理的に一貫しているか。根拠やエピソードで裏付けられていますか。 |
自己PRと志望動機が連動しているか | 自己PRと志望動機が矛盾していないか、また両者が補完関係になっているか確認しましょう。 |
企業の特徴や理念に触れているか | 企業のミッションや特徴的な取り組み、社風に言及できているか。企業研究を反映できているかがポイントです。 |
業界研究の内容が盛り込まれているか | 応募先の業界全体の動向や課題、自分なりの視点を簡潔に盛り込めているかを確認しましょう。 |
自分の経験やスキルが反映されているか | 自身の職務経験や資格、強みやエピソードが伝わっているか。実績や数字を使うと説得力が増します。 |
志望動機が簡潔かつ読みやすく書かれているか | 要点が整理され、一文が長すぎたり回りくどくなっていないか。文章構成や段落使いにも気を配りましょう。 |
応募のきっかけが明確か | 業界や企業に興味を持った理由、応募しようと決めた具体的な動機やエピソードが明確に書かれているか。 |
定型文だけで終わっていないか | 「貴社の発展に貢献したいです」といった汎用的表現のみで終わっていないか。自分らしい表現や独自性があるかをチェックしましょう。 |
表現や日本語に誤りがないか最終チェック | 誤字脱字や漢字・敬語の使い方、読みやすい文章かなど日本語表現に注意し、仕上げとして見直しを徹底しましょう。 |
チェックリスト活用のポイント
上記の10項目は、それぞれが重要な観点です。自分で書き終えた後、1項目ずつ丁寧にチェック欄を埋めていくと、完成度が大きく高まります。
特に企業別のカスタマイズ、具体性の担保、誤字脱字の防止は合格率を左右するポイントとなります。
ワンポイントアドバイス
自分では気付きにくい表現のクセや曖昧な部分もあるため、第三者や友人に見てもらい、客観的な視点からもチェックリストを活用することをおすすめします。
落ちる志望動機と受かる志望動機の違い
履歴書の志望動機の内容によって、書類選考を突破できる場合とそうでない場合があります。
ここでは「落ちる志望動機」と「受かる志望動機」の違いを明確にし、どのようなポイントを改善すべきか詳しく解説します。
よくあるNG例と改善ポイント
まずは多くの人が陥りがちな志望動機のNG例を挙げ、それぞれの改善ポイントを具体的に示します。
NG例 | 問題点 | 改善ポイント |
---|---|---|
「御社の将来性に魅力を感じ志望しました。」 | 抽象的でどの企業にも使い回せる内容。 | 「貴社の◯◯事業が、業界の中でも特に注力されていることに魅力を感じている。」のように、企業独自の特徴へ言及する。 |
「自分の成長のために応募しました。」 | 自己中心的に聞こえる。「企業にどう貢献できるか」が示されていない。 | 「これまで培った〇〇の経験を活かし、貴社の目指す□□に貢献したい。」と自分のスキルで何ができるか明記する。 |
「昔から興味があったからです。」 | 動機が弱く、説得力がない。 | 「学生時代に□□のアルバイトで培った接客経験を、貴社の接客品質向上に役立てたい。」と具体的経験につなげる。 |
「働きやすそうだったからです。」 | 受動的で、志望理由が浅い。 | 「貴社の〇〇な社風に共感し、自身のスキルを活かして共に成長したい。」のように、会社の価値観・文化とのマッチを示す。 |
このように、「落ちる志望動機」はあいまいで汎用的、一方的だったり根拠が弱いのが共通点です。
しっかりとした企業研究や自己分析、それをもとにした具体的な志望の根拠が欠かせません。
合格に繋がる実例・テンプレート
採用担当者が評価する「受かる志望動機」は、企業ごとの特徴を理解し、自己のスキルや経験をどう活かせるかを具体的に述べている点がポイントです。
以下の実例を参考にしてみましょう。
業種 | 合格につながる志望動機 実例 |
---|---|
IT業界(システムエンジニア) | 「大学時代にJavaを用いたシステム開発プロジェクトを経験し、チームで業務用アプリケーションを作り上げる達成感を味わいました。貴社のクラウドサービス事業に感銘を受け、培った技術力でユーザー目線に立った開発に貢献したいと考え、志望いたしました。」 |
販売(アパレル) | 「前職の接客経験を活かし、貴社の『一人ひとりに合わせた提案』という理念のもと、多様なニーズにきめ細かく対応できる販売員を目指しています。常にお客様目線を大事にする貴社の姿勢に共感し、より多くのお客様への満足につなげていきたいと考えています。」 |
製造(機械設計) | 「学生時代にロボットコンテストで設計リーダーを務め、新しい構造設計の提案で評価されました。ものづくりに対する情熱と実践経験を活かして、貴社が強みとする省エネ技術の開発に貢献したいと考えています。」 |
「受かる志望動機」は、企業研究、自己分析、経験・スキルの具体的エピソードがバランスよく盛り込まれている点が共通しています。
テンプレートとしては、下記のような構成が有効です。
【志望動機のテンプレート例】
①「(具体的な経験やスキル)」
②「その経験を通じて何を学び、どのように成長したか」
③「応募先企業の独自性や特徴と結びつけ、自分がどのように貢献できるか」
④「今後のキャリアやビジョンと企業での目標」
この流れでまとめることで、説得力が増し、採用担当者にも強く印象付けることができます。
履歴書の志望動機を書いた後の最終チェック方法
履歴書の志望動機を書き終えた後は、内容や表現に誤りや抜けがないか、必ず最終チェックを行いましょう。
自分では気づきづらいミスや、不足している観点を見逃さないことが、合格率を高めるための重要なポイントです。
ここでは、志望動機の完成度を高める最終確認の具体的な方法について解説します。
第三者に読んでもらう重要性
自分では良いと思った志望動機も、他人の目から見ると誤解を生む表現や、伝わりにくい箇所が潜んでいることがあります。
第三者に読んでもらうことで、客観的なフィードバックを得ることができ、内容の精度をさらに高められます。
また、ビジネス経験を持つ家族や友人、就職支援サービスのアドバイザーなど、なるべく実際のビジネス現場を知る人に見てもらうのがおすすめです。
チェックの観点 | 第三者に期待できるメリット |
---|---|
論理的な内容になっているか | 話の筋が通っているかどうか、唐突に感じる部分はないか指摘してもらえる |
志望理由の共感性 | 自分の想いが「なぜそう思うのか」まで伝わっているか検証できる |
読みやすさ・言葉遣い | 専門用語や敬語の使い方など、読み手目線で確認できる |
誤字脱字 | 自分では気づきにくいタイプミスや漢字の変換ミスも見つけてもらえる |
セルフチェックで見逃しやすい点
第三者にお願いできない場合でも、自分自身で客観的にチェックすることは可能です。
以下のようなポイントは、自分では見落としがちなため、特に意識して確認しましょう。
セルフチェックポイント | 具体的な確認方法 |
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企業名・担当者名の誤記 | 記載内容と募集要項や会社HPを照らし合わせ正確さを確認する |
主語・述語のねじれ | 一文ごとに主語と述語がきちんと対応しているかを意識して読み直す |
アピールの根拠が弱い | 「なぜそう思うのか」「どんな経験があるのか」を具体例で裏付けているか確認する |
内容が抽象的すぎないか | 「頑張ります」「貢献したいです」などの表現が多用されていないか見直す |
応募先に合わせた内容か | 複数企業に応募する場合、他社名や内容の使い回しがないかを入念にチェックする |
セルフチェックでは、一度書き上げてから最低でも30分以上時間をあけて読み直すことで、初めて気付く表現のズレや、主観的な言葉の多用などが見えてきます。
また、声に出して読んでみることで、リズムの悪さや語尾の重複なども確認できます。
最終的には、ポイントごとに一覧として整理しておくと、見落としを防ぎやすくなります。
下記にセルフチェックリストをまとめます。
最終セルフチェックリスト | 確認欄(✔) |
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企業名や業務内容などに記載ミスがない | |
志望動機がその企業独自の内容になっている | |
一文が長すぎず簡潔にまとまっている | |
自分のスキルや経験が明確に織り込まれている | |
なぜ応募するのか論理的に説明できている | |
誤字脱字や用語間違いがない | |
志望動機が使い回しで終わっていない | |
貢献したい理由や将来ビジョンが具体的に記載されている | |
自己PR・志望動機の連動性がある | |
全体を通して読みやすい内容になっている |
履歴書の志望動機は「誰が読んでも納得できる」内容を心がけましょう。
最終チェックを丁寧に行うことで、面接時の質問対策にもなり、自信をもって選考に臨むことができます。
まとめ
履歴書の志望動機は、応募先企業への理解と自分の強みを具体的に示すことが大切です。
チェックリストを活用し、日本語表現や内容の最終確認を徹底することで、合格率を高められます。
志望動機は、自己PRや企業研究と密接に関連し、汎用的な文ではなく自分らしい内容で伝えることが成功のカギです。
