職務経歴書のフォーマット選びで悩んでいませんか?
最適な一枚はあなたの経歴や応募職種によって異なります。
本記事では、時系列で示す「編年体」とスキルを軸にする「キャリア式」を徹底比較!
それぞれのメリット・デメリットから、第二新卒や転職回数が多い方など、ケース別の最適な選び方まで詳しく解説します。
無料ダウンロードできるテンプレートも紹介。この記事を読めば、あなたの強みを最大限アピールできるフォーマットが必ず見つかります。
職務経歴書の主要フォーマット3種類とは

職務経歴書には、履歴書と違って法律で定められた決まった形式はありません。しかし、採用担当者が内容を理解しやすいように、一般的に使われる主要なフォーマットが存在します。大きく分けると「編年体形式」と「キャリア式形式」の2種類があり、さらに編年体形式は職歴を記載する順序によって2つに分類されます。つまり、合計3種類のフォーマットが基本となります。
どのフォーマットを選ぶかによって、あなたの経歴やスキルの見え方が大きく変わります。それぞれの特徴を正しく理解し、自身のキャリアや応募する職種に最も適したフォーマットを選択することが、書類選考を通過するための重要な第一歩です。ここでは、各フォーマットの概要とメリット・デメリットを詳しく解説します。
時系列で職歴を示す編年体形式
編年体(へんねんたい)形式は、職歴を時系列に沿って記述する、最も一般的で広く使われているフォーマットです。多くの採用担当者にとって馴染み深く、キャリアの変遷を直感的に把握しやすいという特徴があります。編年体形式は、職歴を記述する時間の流れによって「順編年体形式」と「逆編年体形式」の2つに分けられます。
順編年体形式のメリットとデメリット
順編年体形式は、最初の職歴から現在に向かって、過去から順に業務経歴を記載していくスタイルです。社会人として、どのようなキャリアを歩み、どのように成長してきたかを伝えやすいのが特徴です。
項目 | 内容 |
---|---|
メリット |
|
デメリット |
|
逆編年体形式のメリットとデメリット
逆編年体形式は、現在の職歴から過去に遡って記載していくスタイルです。近年の転職市場では、即戦力となるスキルや経験が重視される傾向にあるため、この逆編年体形式が主流となっています。特に指定がない場合は、この形式で作成するのがおすすめです。
項目 | 内容 |
---|---|
メリット |
|
デメリット |
|
スキルや経験を軸にするキャリア式形式
キャリア式形式は、時系列ではなく、職務内容やスキル、プロジェクトといった「経験の分野」ごとに経歴をまとめて記載するフォーマットです。「職能式」とも呼ばれます。どのようなスキルを持ち、どの分野で、どのような実績を上げてきたのかを強調したい場合に非常に有効です。特に専門職や技術職、管理職など、特定のスキルセットが求められる職種への応募で力を発揮します。
キャリア式形式のメリットとデメリット
キャリア式形式では、まず冒頭に「活かせる経験・知識・スキル」として要約を記載し、その後に「営業経験」「マネジメント経験」「マーケティングスキル」といった具体的な職務分野ごとに、関連する業務内容や実績をまとめていきます。最後に、職歴の要約として、在籍した企業名と期間を時系列で簡潔に記載するのが一般的です。
項目 | 内容 |
---|---|
メリット |
|
デメリット |
|
【ケース別】職務経歴書フォーマットを比較 あなたに最適な選び方
職務経歴書のフォーマット選びは、あなたの経歴を最大限に魅力的に見せるための重要な戦略です。ここでは、あなたの状況やキャリアプランに合わせた最適なフォーマットの選び方を、具体的なケース別に徹底比較し、解説します。
社会人経験が浅い・第二新卒におすすめのフォーマット
社会人経験が1社のみ、または3年未満の第二新卒の方には、成長性やポテンシャルを効果的に伝えられるフォーマットが適しています。具体的な職務経験が少ない分、仕事への意欲や習得したスキルを分かりやすく示すことが重要です。
項目 | 解説 |
---|---|
おすすめのフォーマット | 逆編年体形式 |
この形式が向いている理由 | 最新の職歴から記載するため、直近の経験で何ができるようになったのか、成長の軌跡を採用担当者に伝えやすいのが特徴です。時系列が分かりやすく、一般的な形式であるため、採用担当者もスムーズに内容を理解できます。 |
アピールする際のポイント | 職務要約で「なぜ転職したいのか」「入社後どのように貢献したいのか」といった熱意を明確に伝えましょう。具体的な業務内容の記述では、指示された業務だけでなく、自ら工夫した点や改善した点を盛り込むことで、主体性やポテンシャルをアピールできます。 |
一貫したキャリアを歩んできた人におすすめのフォーマット
同じ業界や職種で着実に経験を積み、キャリアアップしてきた方には、その成長過程が明確に伝わるフォーマットが最適です。誰が見ても納得できる、一貫性のあるキャリアパスをアピールしましょう。
項目 | 解説 |
---|---|
おすすめのフォーマット | 逆編年体形式 |
この形式が向いている理由 | キャリアのステップアップが時系列で非常に分かりやすく伝わります。最新の職歴(=最もスキルや役職が高い状態)が最初に目に入るため、即戦力であることを強く印象付けられます。マネジメント経験やリーダー経験など、役職の変化も明確に示すことが可能です。 |
アピールする際のポイント | 各職歴において、具体的な役割、業務内容、そして最も重要な「実績」を数字を用いて具体的に記述しましょう。「売上を前年比120%達成」「〇〇の導入によりコストを15%削減」など、定量的な実績は説得力を大きく高めます。 |
転職回数が多い・ブランクがある人におすすめのフォーマット
転職回数が多かったり、育児や介護、留学などでキャリアにブランクがあったりする場合、時系列で経歴を追うとネガティブな印象を与えてしまう可能性があります。この場合は、見せ方を工夫できるフォーマットを選びましょう。
項目 | 解説 |
---|---|
おすすめのフォーマット | キャリア式形式 |
この形式が向いている理由 | 時系列ではなく、スキルや経験分野ごとに職歴をまとめるため、転職回数の多さやブランク期間が目立ちにくくなります。応募する職種に関連性の高い経験やスキルを抽出し、戦略的にアピールすることが可能です。複数の企業で培った経験を「法人営業」「マーケティング」といった分野で一括りにすることで、キャリアの一貫性を演出できます。 |
アピールする際のポイント | まず職務要約で、これまでの経験を活かして応募企業で何を実現したいのかを力強く伝えます。その上で、「活かせる経験・知識・スキル」の項目を設け、専門性や実績を具体的に記述しましょう。採用担当者が時系列を把握しやすいよう、最後に簡単な職歴一覧(会社名と在籍期間のみ)を添えるとより親切です。 |
専門職や技術職でスキルをアピールしたい人におすすめのフォーマット
エンジニア、デザイナー、マーケター、研究職など、特定の専門スキルやテクニカルスキルが採用の決め手となる職種では、スキルセットを最も効果的に見せられるフォーマットを選ぶべきです。
項目 | 解説 |
---|---|
おすすめのフォーマット | キャリア式形式 |
この形式が向いている理由 | 時系列に縛られず、自身の持つ専門スキルや技術を主体に職務経歴を構成できます。「Webアプリケーション開発」「プロジェクトマネジメント」「UI/UXデザイン」といったスキルカテゴリを立て、関連する業務経験やプロジェクト実績をまとめて記述することで、専門性の高さをダイレクトに伝えられます。 |
アピールする際のポイント | ITエンジニアであれば「言語・フレームワーク・DB・OS」などの技術要点を一覧で示したり、デザイナーであれば「使用可能ツール」や「担当領域(Web/グラフィック/UIなど)」を明記したりすると、採用担当者がスキルレベルを判断しやすくなります。具体的なプロジェクト名、担当フェーズ、開発規模、そして自身の貢献内容を詳細に記述することが重要です。 |
無料でダウンロードできる職務経歴書フォーマット集
ここでは、すぐに使える職務経歴書のフォーマット(テンプレート)を無料でダウンロードできる形でご紹介します。WordやExcelなど、ご自身の使いやすい形式を選んで活用してください。テンプレートを使えば、レイアウトを考える手間が省け、内容の作成に集中できるのが大きなメリットです。それぞれの特徴を理解し、あなたのキャリアを最も効果的にアピールできるフォーマットを見つけましょう。
【Word版】編年体形式のテンプレート
編年体形式は、職歴を時系列に沿って記述する最も一般的なフォーマットです。特に、キャリアに一貫性がある方や、社会人経験が浅い第二新卒の方におすすめです。Word形式は文章の入力や編集がしやすく、誰でも直感的に使えるのが魅力です。基本的な項目が網羅されたシンプルなテンプレートから、自己PR欄を充実させたものまで、目的に合わせて選びましょう。
テンプレートの種類 | 特徴 | おすすめの人 |
---|---|---|
順編年体(シンプル) | 職務要約、職務経歴、活かせる経験・スキル、資格、自己PRなど、基本的な項目で構成された最も標準的なフォーマットです。 | 初めて職務経歴書を作成する方、社会人経験が浅い方。 |
逆編年体(アピール強化) | 直近の職歴から遡って記載する形式。最新の経験やスキルを最初にアピールできます。実績を具体的に記述する欄が広めです。 | 直近のキャリアを強調したい方、同職種への転職を目指す方。 |
JIS規格準拠 | 公的機関や一部の企業で指定されることがあるJIS規格の履歴書と形式を合わせたフォーマット。統一感が出せます。 | 応募先からJIS規格の履歴書を指定されている方、堅実な印象を与えたい方。 |
【Word版】キャリア式形式のテンプレート
キャリア式形式は、時系列ではなくスキルや経験、プロジェクト単位で職歴をまとめるフォーマットです。専門性や特定のスキルを強くアピールしたい場合に最適です。転職回数が多い方や、経歴にブランクがある方でも、経験の一貫性や専門性の高さを効果的に見せることができます。技術職やクリエイティブ職、管理職など、特定のスキルセットが求められる職種で特に有効です。
テンプレートの種類 | 特徴 | おすすめの人 |
---|---|---|
専門分野別 | 「マーケティング」「プロジェクトマネジメント」「プログラミング言語」など、専門分野ごとに実績やスキルをまとめて記載する形式です。 | 専門職、技術職(エンジニア、デザイナーなど)の方。 |
プロジェクト別 | 携わったプロジェクトごとに、担当業務、役割、実績を具体的に記述する形式。即戦力であることをアピールできます。 | プロジェクト単位で業務を行うことが多い職種(コンサルタント、Webディレクターなど)の方。 |
編年体・キャリア式混合 | 最初にキャリア式でスキルや経験をアピールし、その後に編年体で簡易的な職歴を記載するハイブリッド形式です。 | アピールしたいスキルと職歴の変遷を両方伝えたい方。 |
【Excel版】カスタマイズしやすいテンプレート
Excel形式のテンプレートは、レイアウトの自由度が非常に高い点が最大のメリットです。セルの幅や高さを自由に変更したり、行や列を追加・削除したりすることで、オリジナリティのある職務経歴書を作成できます。職歴が多い方でも、情報を整理して見やすくレイアウト調整が可能です。ただし、PCスキルによっては意図せずレイアウトが崩れてしまう可能性もあるため、作成後はPDF形式に変換して提出するのが一般的です。
Excel版では、編年体・キャリア式の両方に対応できる汎用的なテンプレートが多く配布されています。罫線や色を効果的に使って視覚的に分かりやすくしたり、実績をグラフで示したりするなど、独自の工夫を凝らしたい方におすすめです。
主要転職サイトが提供するフォーマットもおすすめ
リクナビNEXTやdoda、マイナビ転職といった大手転職サイトでも、独自の職務経歴書フォーマットを無料で提供しています。これらのテンプレートは、多くの採用担当者の意見を参考に作られているため、必要な項目が漏れなく記載されており、安心して利用できるのが強みです。サイトに登録すれば、職種別のサンプルや書き方ガイドを参考にしながら作成できるため、内容に自信がない方にもおすすめです。
転職サイト名 | フォーマットの特徴 | 提供形式 |
---|---|---|
リクナビNEXT | シンプルで汎用性が高く、どんな職種にも使いやすい。Web上で入力して作成できる「レジュメ自動作成」機能も便利。 | Word, Excel |
doda | 営業職、技術職、企画職など、100種類以上の職種別テンプレートが用意されている。キャリアアドバイザーのノウハウが凝縮されている。 | Word |
マイナビ転職 | 若手向けから管理職向けまで、キャリアステージに合わせたテンプレートが充実。自己PRの書き方など、お役立ちコンテンツも豊富。 | Word, Excel, PDF |
職務経歴書のフォーマット選びで失敗しないための注意点

自分に最適なフォーマットを選び、内容を充実させても、提出前の最終確認を怠ると採用担当者にマイナスの印象を与えかねません。
ここでは、職務経歴書のフォーマット選びと作成における、見落としがちながらも非常に重要な注意点を3つ解説します。書類選考の通過率を高めるために、必ずチェックしましょう。
応募企業からフォーマットの指定がないか確認する
最も基本的ながら、最も重要な確認事項です。企業によっては、独自のフォーマットやテンプレートを用意しており、それを使用して提出するよう指定している場合があります。応募要項や企業の採用ページを隅々まで確認し、指定がないかを必ずチェックしてください。
企業がフォーマットを指定する理由には、採用管理システム(ATS)での読み込みやすさや、全応募者を公平な基準で比較評価したいという意図があります。指定されたフォーマットに従わない場合、「指示を読めない」「ルールを守れない」といったネガティブな評価につながる恐れがあるため、絶対に見落とさないようにしましょう。もし転職エージェント経由で応募する場合は、担当のキャリアアドバイザーに指定の有無を確認するのも確実な方法です。
A4用紙1枚から2枚程度に収める
職務経歴書の枚数は、多すぎても少なすぎてもいけません。採用担当者は日々多くの応募書類に目を通しているため、伝えたい情報を簡潔にまとめる能力も評価の対象となります。特別な理由がない限り、A4用紙1枚から2枚に収めるのがビジネスマナーです。
アピールしたい経験が豊富にある場合でも、要点を絞り込み、最も伝えたい実績やスキルを優先して記載しましょう。社会人経験年数に応じた枚数の目安は以下の通りです。
社会人経験の目安 | 推奨枚数 | ポイント |
---|---|---|
第二新卒・3年未満 | 1枚 | ポテンシャルや学習意欲を中心に、これまでの経験を簡潔にまとめます。実績が少ない場合でも、業務への取り組み姿勢などを具体的に記述しましょう。 |
3年~10年程度 | 2枚 | 即戦力としてのアピールが重要です。具体的なプロジェクト経験や実績、マネジメント経験などを盛り込み、自身のスキルを詳細に伝えましょう。 |
10年以上・管理職 | 2枚 | 豊富な経験の中から、応募職種に直結する実績やマネジメントスキルに絞って記載します。キャリア全体を網羅しつつ、メリハリのある構成を心がけましょう。 |
ただし、研究職やクリエイティブ職などで、詳細な研究実績やポートフォリオの提出が求められる場合は、3枚以上になることもあります。その場合も、募集要項の指示に従うことが大前提です。
履歴書とフォーマットの整合性を取る
職務経歴書は、同時に提出する履歴書との整合性が取れている必要があります。両方の書類に記載されている情報に矛盾があると、内容の信憑性が疑われ、採用担当者に不信感を与えてしまいます。提出前に、以下の項目に齟齬がないか必ず確認してください。
確認項目 | チェックポイント |
---|---|
時系列・日付 | 学歴、職歴の入社・退社年月日が完全に一致しているか。 |
企業名・部署名 | 株式会社の表記(前株・後株)を含め、正式名称で統一されているか。 |
表記の統一 | 年号(西暦/和暦)、数字(全角/半角)などの表記ルールが書類全体で統一されているか。 |
フォント・文字サイズ | 履歴書と職務経歴書でフォントの種類やサイズを揃えると、統一感が出て丁寧な印象になります。 |
内容の矛盾 | 履歴書の自己PRと、職務経歴書でアピールしている強みや実績に矛盾がないか。一貫性のある自己アピールを心がけましょう。 |
特に、複数の企業に応募する際にテンプレートを使い回していると、修正漏れが発生しやすくなります。些細なミスが注意力不足と判断されることもあるため、提出前には声に出して読み上げるなど、入念なチェックを習慣づけましょう。
まとめ
本記事では、職務経歴書の主要フォーマットである編年体とキャリア式を比較し、ケース別の選び方を解説しました。結論として、最適なフォーマットは自身の経歴やアピールしたい強みによって異なります。
一貫したキャリアなら時系列で示す編年体、転職回数が多かったり専門スキルを強調したりしたい場合はキャリア式が有効です。
この記事で紹介した選び方や無料テンプレートを参考に、あなたの魅力を最大限に伝える職務経歴書を作成し、転職活動を成功させましょう。
