「フレックスタイム制」の求人に応募したいけれど、履歴書にどう希望を書けばいいか迷っていませんか。「希望を伝えたら選考で不利になるかも」「わがままな印象を与えたくない」といった不安は、多くの求職者が抱える悩みです。この記事を読めば、そんな悩みをすべて解決できます。結論として、フレックスタイムの希望は履歴書の「本人希望記入欄」に、企業の状況を配慮しつつポジティブな言葉で伝えるのがベストな方法です。本記事では、採用担当者に好印象を与える具体的な書き方を、募集要項の有無や育児・介護といった理由別の【例文】を交えて徹底解説。さらに、職務経歴書でのアピール方法や面接での伝え方、やってはいけないNG例まで網羅的にご紹介します。この記事を最後まで読めば、もう履歴書の書き方で迷うことなく、自信を持って柔軟な働き方を希望できるようになります。
そもそもフレックスタイム制とは 履歴書に書く前に知っておきたい基本

履歴書にフレックスタイムでの勤務を希望する旨を記載する前に、まずは制度の基本を正しく理解しておくことが重要です。制度への理解は、採用担当者に自身の希望を的確に伝え、入社後のミスマッチを防ぐための第一歩となります。ここでは、フレックスタイム制の基本的な仕組みと、履歴書で希望を伝えることのメリット・デメリットを解説します。
フレックスタイム制の仕組みを理解しよう
フレックスタイム制とは、労働基準法で定められた変形労働時間制の一種です。一定の期間(清算期間)についてあらかじめ定められた総労働時間の範囲内で、労働者が日々の始業時刻と終業時刻を自主的に決定できる制度を指します。
この制度を理解する上で、以下の4つのキーワードがポイントになります。
- 清算期間: 労働時間の過不足を調整する期間のことです。従来は1ヶ月が上限でしたが、働き方改革関連法の施行により、最長3ヶ月まで設定可能になりました。
- 総労働時間: 清算期間内に労働すべき時間として、労使協定で定められた時間です。この時間を満たすように日々の労働時間を調整します。
- コアタイム: 1日の中で、必ず勤務しなければならない時間帯です。企業によっては設定されていない場合もあります。
- フレキシブルタイム: コアタイム以外の時間帯で、労働者が自由に出社・退社時間を選択できる時間帯です。
例えば、「清算期間1ヶ月」「総労働時間160時間」「コアタイム11:00~15:00」「フレキシブルタイム7:00~22:00」という企業の場合、7時に出社して16時に退社する日もあれば、11時に出社して用事を済ませてから20時まで働くといった柔軟な働き方が可能になります。コアタイムが設定されていない「スーパーフレックスタイム制」を導入している企業では、さらに自由度の高い働き方ができます。
履歴書でフレックスタイム希望を伝えるメリットとデメリット
転職活動において、履歴書でフレックスタイム希望を伝えることには、メリットとデメリットの両側面があります。自身の状況と応募先企業の方針を考慮し、伝えるべきか慎重に判断しましょう。
| 具体的な内容 | |
|---|---|
| メリット |
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| デメリット |
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このように、希望を伝えることは諸刃の剣になり得ます。そのため、次の章で解説する「どこに書くか」「どう書くか」が非常に重要になります。
フレックスタイム希望は履歴書のどこに書くのがベストか
フレックスタイム制度を利用したいという希望は、履歴書のどこに書けば採用担当者に意図が正しく伝わるのでしょうか。書き方を間違えると、働く意欲が低い、あるいは条件ばかりを主張する人物だと誤解されかねません。ここでは、フレックスタイム希望を伝えるのに最適な場所と、その理由について詳しく解説します。
結論から言うと、希望を記載する基本の場所は「本人希望記入欄」です。それに加えて、職務経歴書で柔軟な働き方ができる能力をアピールすることで、より説得力が増します。
基本は「本人希望記入欄」に書く
履歴書で勤務条件に関する希望を伝えるための正式なスペースが「本人希望記入欄(本人希望欄)」です。ここにフレックスタイム制度の利用希望を記載するのが最も適切です。採用担当者はこの欄を見て、給与や勤務地、勤務時間といった応募者の譲れない条件を確認します。そのため、フレックスタイムを希望する旨をここに記載すれば、見落とされることなく、選考の早い段階で意向を伝えられます。
志望動機や自己PR欄は、あなたの強みや入社意欲をアピールするための場所です。ここに勤務条件の希望を書いてしまうと、本来伝えるべき熱意やスキルのアピールが弱まってしまいます。「仕事内容よりも働き方の条件を優先する人」という印象を与えかねないため、避けるべきです。まずは、それぞれの欄が持つ役割を理解し、適切な場所に記載することを心がけましょう。
履歴書の各項目にフレックスタイム希望を記載した場合のメリット・デメリットを以下にまとめました。
| 記載場所 | メリット | デメリット・注意点 |
|---|---|---|
| 本人希望記入欄 | 採用担当者に意図が正確に伝わり、見落とされにくい。他のアピール項目(志望動機など)の邪魔をしない。 | 書き方によっては、一方的な要求と捉えられる可能性があるため、丁寧な表現を心がける必要がある。 |
| 志望動機・自己PR欄 | 特になし。 | 入社意欲やスキルアピールが弱まる。仕事内容より待遇を重視しているという印象を与えやすい。 |
| 備考欄 | 本人希望記入欄がない履歴書フォーマットの場合に活用できる。 | 本人希望記入欄がある場合はそちらに書くのが基本。採用担当者によっては見落とす可能性もゼロではない。 |
職務経歴書で柔軟な働き方の経験をアピールする方法
履歴書の本人希望記入欄で希望を伝えるだけでなく、職務経歴書を使って「フレックスタイム制でも問題なく成果を出せる人材である」ことをアピールするのも非常に効果的です。これは単なる希望ではなく、あなたの能力を裏付ける「実績」として採用担当者の目に映ります。
特に、前職や現職でフレックスタイム制やリモートワークの経験がある場合は、その環境下でどのように業務を遂行し、成果を上げたのかを具体的に記載しましょう。これにより、あなたの自己管理能力、計画性、そして自律性の高さを効果的にアピールできます。
職務経歴書に記載する際は、以下の点を意識してみてください。
- 職務要約や自己PR欄でのアピール: 「フレックスタイム制を活用し、効率的な時間管理によってプロジェクトの納期を遵守しました」「自律的に業務を進める自己管理能力には自信があります」のように、働き方と成果を結びつけて簡潔に記載します。
- 具体的な職務経歴での記述: 「〇〇プロジェクトにおいて、コアタイムを活用したチーム内連携と、個人の裁量で設定したフレキシブルタイムでの集中作業を両立。結果として、担当業務を計画より5日早く完了させました」など、具体的なエピソードを交えて書くと説得力が増します。
このように、職務経歴書で柔軟な働き方への適応能力を示すことで、履歴書の本人希望記入欄に書かれた希望が、単なるわがままではなく、生産性を高めるための合理的な選択であると採用担当者に理解してもらいやすくなります。
【例文あり】フレックスタイム対応履歴書の書き方を状況別に解説
フレックスタイム制を希望する場合、履歴書の本人希望記入欄にどう書けば良いか迷う方は少なくありません。ここでは、応募先企業の募集要項の記載状況や、ご自身の事情に合わせた書き方を、具体的な例文とともに解説します。採用担当者に好印象を与え、スムーズに希望を伝えるためのポイントを押さえましょう。
募集要項にフレックスタイム制の記載がある場合の書き方
求人情報に「フレックスタイム制度あり」と明記されている場合、応募者として制度の利用を希望するのは自然なことです。この場合、制度の利用を前提とした前向きな姿勢で希望を伝えましょう。ただし、入社後すぐに適用されるか、利用に部署ごとの条件がある可能性も考慮し、丁寧な表現を心がけることが大切です。貢献意欲とセットで伝えることで、よりポジティブな印象を与えられます。
例文1 制度の利用をシンプルに希望する場合
貴社規定のフレックスタイム制度の利用を希望いたします。
【ポイント】
制度があることが分かっているため、シンプルに利用希望を伝える書き方です。余計な情報を加えず、簡潔に意思表示をしたい場合に適しています。
例文2 理由を添えて丁寧に伝えたい場合
貴社のフレックスタイム制度に大変魅力を感じております。もし可能でしたら、制度を活用させていただき、業務効率を最大限に高めながら貴社に貢献したいと考えております。
【ポイント】
「業務効率を高めたい」「貢献したい」といったポジティブな理由を添えることで、単なる自己都合の要求ではなく、仕事への意欲が高い人材であることをアピールできます。
募集要項に記載がない場合の書き方
募集要項にフレックスタイム制に関する記載がない場合は、より慎重な伝え方が求められます。制度自体が存在しない、あるいは全社的な制度ではない可能性も高いため、「希望します」と断定的に書くと、一方的な要求と受け取られかねません。まずは制度の有無を確認する、という謙虚な姿勢で伝えることが重要です。柔軟な働き方への関心を示すことで、入社後のミスマッチを防ぐことにも繋がります。
例文3 制度の有無を確認しつつ希望を伝える場合
もし、フレックスタイム制度やそれに準ずる柔軟な勤務体系がございましたら、活用させていただきたく存じます。
【ポイント】
「もし~でしたら」という仮定の表現を使うことで、押しつけがましい印象を避けられます。「それに準ずる柔軟な勤務体系」と付け加えることで、フレックスタイム制という名称に固執しているわけではないという柔軟な姿勢も示せます。
育児や介護など明確な理由がある場合の書き方
育児や介護といったやむを得ない事情でフレックスタイムを希望する場合は、その理由を正直に伝えることが大切です。ただし、家庭の事情が業務遂行能力への懸念に繋がらないよう、伝え方には工夫が必要です。「業務に支障はきたさない」「長く働き続けたい」という意思を明確に示し、採用担当者の不安を払拭することを意識しましょう。
例文4 育児との両立を理由にする場合
現在、子供の保育園送迎のため、フレックスタイム制度の利用を希望しております。貴社で長く貢献していきたいと考えており、制度を活用させていただくことで、育児と両立しながら業務に責任を持って取り組む所存です。コアタイムをはじめ貴社の規定を遵守し、業務に支障が出ないよう努めます。
【ポイント】
「長く貢献したい」という長期的な就業意欲と、「規定を遵守し、業務に支障はきたさない」という約束をセットで伝えることが、採用担当者に安心感を与える鍵となります。
例文5 家族の介護を理由にする場合
家族の介護のため、フレックスタイム制度の利用を希望いたします。業務の繁閑に合わせて勤務時間を調整し、責任を持って職務を全うすることをお約束いたします。制度を活用させていただくことで、介護と両立しながら、安定して貴社に貢献できると考えております。
【ポイント】
介護というプライベートな事情を伝えつつも、「業務の繁閑に合わせて調整する」という一文を加えることで、会社の状況を考慮できる人材であることをアピールできます。自己管理能力の高さを示すことにも繋がります。
| 応募先の状況 | 書き方のポイント | 盛り込むべきキーワード例 |
|---|---|---|
| 募集要項に記載あり | 制度利用を前提に、貢献意欲とセットで前向きに伝える。 | 「利用を希望」「貢献したい」「魅力を感じております」 |
| 募集要項に記載なし | 制度の有無を確認する姿勢で、決めつけない表現を心がける。 | 「もし可能でしたら」「柔軟な勤務体系」 |
| 育児・介護の理由あり | 理由を正直に伝え、業務への支障がないことと長期就業の意欲を示す。 | 「長く貢献したい」「業務に支障が出ないよう」「両立」 |
採用担当者に好印象を与える履歴書の書き方のコツ

フレックスタイム制を希望する際、履歴書の書き方一つで採用担当者に与える印象は大きく変わります。単なる「お願い」ではなく、自身の能力を最大限に発揮し、企業に貢献するための「提案」として伝えることが重要です。ここでは、採用担当者に「この人と一緒に働きたい」と思わせる、好印象な履歴書の書き方のコツを3つのポイントに絞って解説します。
希望理由はポジティブに伝える
フレックスタイムを希望する理由は、できる限りポジティブな表現で伝えましょう。「朝が苦手だから」「通勤が大変だから」といったネガティブな理由は、自己都合な印象を与えかねません。そうではなく、「生産性の向上」や「スキルアップ」など、企業側にもメリットがあることを示唆する理由を伝えるのが効果的です。これにより、意欲的で自己管理能力の高い人材であることをアピールできます。
| 表現のカテゴリ | 具体的な例文 | 与える印象 |
|---|---|---|
| ポジティブな表現(推奨) | 通勤ラッシュを避けることで、始業時から集中力を高く保ち、業務効率を向上させたいと考えております。 | 生産性への意識が高く、計画性がある。 |
| ポジティブな表現(推奨) | 業務時間外に専門スキル向上のための学習時間を確保し、より一層貴社に貢献できる人材になりたいと考えております。 | 向上心があり、長期的な活躍が期待できる。 |
| ネガティブな表現(NG) | 朝が弱いため、始業時間を遅くしたいです。 | 自己管理能力に疑問を持たれる可能性がある。 |
一方的な要求に見えない言葉選び
履歴書の本人希望記入欄は、あくまで「希望」を伝える場です。「フレックスタイム制を利用します」といった断定的な表現や、一方的な要求と受け取られかねない書き方は避けましょう。「もし可能でしたら」「貴社の制度として導入されておりましたら」のようなクッション言葉を使い、相談・確認する姿勢を示すことが大切です。謙虚で丁寧な言葉遣いは、あなたの協調性やコミュニケーション能力の高さを伝えることにも繋がります。
| 避けたい表現 | 好印象な表現 |
|---|---|
| フレックスタイムでの勤務を希望します。 | もし可能でしたら、フレックスタイム制度の利用を希望いたします。 |
| コアタイムは11時から15時でお願いします。 | 制度を利用させていただける場合、11時から15時のコアタイムでの勤務を希望いたします。 |
| フレックスタイム制はありますか? | 貴社でフレックスタイム制度が導入されておりましたら、利用を検討させていただきたく存じます。 |
給与や待遇に関する希望は別に記載する
本人希望記入欄には、原則として「貴社規定に従います。」と記載するのがマナーです。ただし、働き方に関する譲れない条件がある場合は、この限りではありません。フレックスタイムの希望を記載すること自体は問題ありませんが、給与や休日、勤務地など、他の待遇に関する希望を同じ欄に複数書き連ねるのは避けましょう。
条件要求が多い印象を与えてしまい、採用担当者が懸念を抱く原因となります。希望が複数ある場合は、最も優先順位の高いもの(この場合はフレックスタイム)に絞って記載するのがスマートです。給与やその他の待遇については、内定後の面談など、適切なタイミングで確認・交渉するようにしましょう。
これはNG フレックスタイム対応履歴書の残念な書き方
フレックスタイム制を希望する気持ちが強くても、伝え方を間違えると採用担当者にマイナスの印象を与えてしまう可能性があります。ここでは、履歴書でフレックスタイム希望を伝える際に避けるべき「残念な書き方」を3つのポイントに絞って具体的に解説します。良かれと思って書いた内容が、実は選考で不利に働いてしまうケースもあるため、提出前に必ず確認しましょう。
志望動機や自己PR欄に書くこと
最もやってしまいがちなNG例が、志望動機や自己PR欄でフレックスタイム希望に言及することです。これらの欄は、あなたの仕事に対する熱意やスキル、経験をアピールするための最も重要なスペースです。ここに勤務条件の希望を書いてしまうと、採用担当者には「仕事内容よりも働き方の条件を優先している」「入社意欲が低いのではないか」という印象を与えかねません。
あくまでも、企業への貢献意欲や自身の強みをアピールすることを最優先しましょう。フレックスタイム制度に関する希望は、他の章で解説している通り「本人希望記入欄」に記載するのが鉄則です。記載場所を間違えるだけで、あなたの本来の魅力が伝わらなくなってしまうのは非常にもったいないことです。
ネガティブな理由をそのまま書くこと
フレックスタイム制を希望する理由が個人的なものであっても、それをストレートに表現するのは避けましょう。例えば、「朝起きるのが苦手だから」「通勤ラッシュが嫌だから」といった理由は、自己管理能力の欠如や協調性のなさを疑われる原因になります。
採用担当者は、候補者が組織の一員として問題なく業務を遂行できるかを見ています。ネガティブな理由は、たとえ本音であったとしても、ビジネスの場にふさわしいポジティブな表現に変換することが不可欠です。「朝の時間を語学学習などの自己投資に充て、業務パフォーマンスを向上させたい」のように、意欲や成長に繋がる理由として伝えましょう。
詳細すぎる勤務時間を指定すること
フレックスタイム制は、一定のルールのもとで従業員が始業・終業時刻を決められる制度ですが、履歴書の段階で細かすぎる勤務時間を指定するのはNGです。「勤務時間は10時30分から19時までを希望します」といったように、具体的な時間を断定的に書くと、「一方的な要求をする人」「会社のルールに合わせる柔軟性がないのでは」と判断されるリスクがあります。
特に、コアタイム(必ず勤務しなければならない時間帯)が設定されている場合、その時間を無視した希望は、制度への理解不足を露呈することにも繋がります。あくまで「柔軟な働き方を希望します」というスタンスに留め、具体的な時間については面接の場で、企業の制度を確認しながらすり合わせていく姿勢を見せることが重要です。
| NGな書き方の種類 | 具体的なNG例 | 採用担当者が抱く懸念 |
|---|---|---|
| 記載場所の間違い | 志望動機欄に「貴社のフレックスタイム制度に魅力を感じました。ぜひ利用させていただきたく…」と記載する。 | 仕事内容への関心が薄く、労働条件が第一優先であるという印象を与え、入社意欲を疑われる。 |
| ネガティブな理由の記載 | 本人希望欄に「満員電車での通勤を避けたいため、フレックスタイム制度の利用を希望します」と記載する。 | ストレス耐性が低い、あるいは自己中心的な人物ではないかと判断される可能性がある。 |
| 細かすぎる時間指定 | 本人希望欄に「コアタイム以外の勤務時間は、11時〜20時を希望します」と断定的に記載する。 | 協調性や柔軟性に欠け、入社後のチームワークに不安を感じさせる。一方的な要求と捉えられる。 |
これらのNG例を参考に、採用担当者に好印象を与える履歴書作成を心がけましょう。あなたの希望を伝えつつも、企業への配慮を忘れない姿勢が、円滑な選考通過の鍵となります。
履歴書とセットで準備 面接でフレックスタイムについて伝える方法
履歴書の本人希望記入欄でフレックスタイム制度の利用希望を伝えたら、次は面接での伝え方が重要になります。書類選考を通過したということは、企業側もあなたの希望を把握した上で、会ってみたいと考えている証拠です。ここでは、採用担当者に好印象を与えつつ、希望を的確に伝えるための方法とタイミングを解説します。
面接で質問するのに最適なタイミング
フレックスタイムに関する質問は、面接のどのタイミングで切り出すかが非常に重要です。結論から言うと、最適なタイミングは「面接終盤の逆質問の時間」です。
面接の冒頭や自己PRの途中で労働条件の話を切り出すと、「仕事内容よりも条件を重視している」という印象を与えかねません。まずは、あなたのスキルや経験、入社意欲を十分にアピールすることに集中しましょう。採用担当者があなたという人材に魅力を感じた後で条件面の質問をすることで、前向きな相談として受け取ってもらいやすくなります。
特に、二次面接や最終面接など、選考が進んだ段階での逆質問が最も効果的です。この段階では、企業側もあなたの採用を具体的に検討しているため、より踏み込んだ働き方のすり合わせがしやすくなります。
好印象を与える質問の仕方と例文
質問する際は、「権利を主張する」のではなく、「貢献意欲を示した上で相談する」という姿勢が大切です。「もし採用いただけた場合」というクッション言葉を使い、入社後の活躍を前提に話を進めると、謙虚で意欲的な印象を与えることができます。
ここでは、好印象な質問と避けるべき質問を比較しながら、具体的な例文を見ていきましょう。
質問のポイント比較
| ポイント | 好印象な質問例 | 避けるべき質問例 |
|---|---|---|
| 貢献意欲の提示 | 「パフォーマンスを最大限に発揮するため、もし採用いただけた場合、フレックスタイム制度の活用についてご相談させていただけますでしょうか。」 | 「フレックスタイムは使えますか?」 |
| 相談ベースの姿勢 | 「求人票でフレックスタイム制度を拝見しました。育児と両立されている社員の方は、どのように制度を活用されているか、参考までにお伺いできますでしょうか。」 | 「コアタイムは何時から何時までですか?必ず守らないといけませんか?」 |
| 制度の運用実態の確認 | 「貴社でぜひ長く貢献したいと考えております。差し支えなければ、フレックスタイム制度の利用率や、チーム内での運用ルールについてお聞かせいただけますか。」 | 「残業はしたくないので、フレックスを使いたいです。」 |
【状況別】面接での質問例文
ここでは、求人への記載有無や個人の事情に応じた質問の例文を紹介します。
募集要項にフレックスタイム制の記載がある場合
「求人情報を拝見し、貴社の柔軟な働き方に大変魅力を感じております。もしご縁をいただけましたら、私もぜひフレックスタイム制度を活用して業務効率を高め、貢献していきたいと考えております。差し支えなければ、部署内での制度の運用状況や、コアタイムについてお伺いしてもよろしいでしょうか。」
募集要項に記載がない場合
「前職ではフレックスタイム制度を活用し、集中できる時間帯に業務を行うことで生産性を高めておりました。貴社で働く上でも、自身のパフォーマンスを最大限発揮したいと考えているのですが、将来的にフレックスタイム制度の導入をご検討される可能性はございますでしょうか。」
育児や介護など明確な理由がある場合
「現在、子供の保育園への送迎があり、もし採用いただけた場合、始業時間を調整させていただくなど、柔軟な働き方についてご相談させていただくことは可能でしょうか。もちろん、与えられた職務には責任を持って取り組み、成果を出すことをお約束いたします。」
面接での質問は、単に希望を伝えるだけでなく、企業の文化や働き方への考え方を知る絶好の機会でもあります。丁寧な言葉遣いと貢献意欲を忘れずに、お互いにとって最適な働き方を見つけるための対話と捉えましょう。
まとめ
この記事では、フレックスタイムを希望する場合の履歴書の書き方について、具体的な例文や注意点を交えて解説しました。重要なポイントを改めて確認しましょう。
フレックスタイムの希望は、履歴書の「本人希望記入欄」に記載するのが基本です。その際、募集要項に記載があるか、育児や介護といった理由があるかなど、状況に応じた書き方をすることが求められます。一方的な要求と捉えられないよう、貢献意欲を示しつつポジティブな言葉で伝えることが、採用担当者に好印象を与える秘訣です。
反対に、志望動機欄に書く、ネガティブな理由をそのまま伝える、詳細すぎる時間を指定するといった書き方は、自己中心的な印象を与えかねないため避けましょう。履歴書はあくまで最初のステップです。面接の場で改めて希望を伝える準備もしておくことで、よりスムーズに理想の働き方を実現できる可能性が高まります。
本記事で紹介したポイントと例文を参考に、あなたの希望と熱意が伝わる履歴書を作成し、希望のキャリアを掴み取ってください。

