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【2025年最新版】履歴書の書き方|初心者向けに基本から解説!無料テンプレート配布中

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初めて履歴書を書く方へ。この記事を読めば、基本ルールから項目別の書き方、提出マナーまで全て分かり、自信を持って応募できる履歴書が完成します。手書きかパソコン作成かで迷う必要はありません。どちらでも問題ありませんが、効率的なパソコン作成がおすすめです。すぐに使える無料テンプレートも配布しているので、豊富な例文を参考に、採用担当者の目に留まる一枚を仕上げましょう。

目次

履歴書を書き始める前の準備

履歴書を書き始める前に、まずは必要なものを揃え、基本的なルールを理解しておくことが大切です。準備を万全に整えることで、焦らずスムーズに、そして採用担当者に好印象を与える履歴書を作成することができます。この章では、履歴書作成の第一歩となる「準備」について、初心者にも分かりやすく解説します。

履歴書の種類と選び方 初心者におすすめは?

履歴書には様々な種類があり、どれを選べば良いか迷うかもしれません。応募する企業や雇用形態、自身の経歴に合わせて最適なものを選びましょう。

履歴書の主なフォーマット

市販されている履歴書や、Webでダウンロードできるテンプレートには、主に以下のような種類があります。

  • JIS規格履歴書
    日本産業規格(JIS)が定めた標準的な様式です。学歴・職歴、免許・資格、志望動機など、バランス良く項目が配置されており、公的な信頼性が高いため、どの業界・職種でも安心して使用できます。特に初心者の場合や、どの履歴書を使えば良いか迷った場合は、JIS規格のものを選んでおけば間違いありません。厚生労働省もこの形式を推奨しています。
  • 転職者向け履歴書
    職務経歴を詳しく記載できる欄や、自己PR欄が広く設けられているのが特徴です。これまでのキャリアやスキルを具体的にアピールしたい転職活動中の方におすすめです。
  • 新卒者向け履歴書
    自己PRやガクチカ(学生時代に力を入れたこと)、趣味・特技の欄が充実しているタイプです。職歴がない新卒の学生が、自分の個性やポテンシャルをアピールしやすいように作られています。
  • アルバイト・パート向け履歴書
    勤務希望日や時間帯を書き込む欄が設けられているなど、項目がシンプルにまとめられています。短時間勤務を希望する場合に適しています。

履歴書のサイズの選び方

履歴書のサイズは、主にA4サイズ(見開きでA3)とB5サイズ(見開きでB4)の2種類があります。企業からの指定がなければ、どちらを使用しても問題ありませんが、現在のビジネスシーンではA4サイズが主流です。

  • A4サイズ(見開きA3)
    職務経歴書など、他の応募書類もA4サイズで作成することが多いため、サイズを統一でき、採用担当者が管理しやすいというメリットがあります。書き込めるスペースも広いため、アピールしたい内容が多い方におすすめです。
  • B5サイズ(見開きB4)
    A4サイズより一回り小さく、コンパクトにまとめたい場合に適しています。職歴が少ない方や、アルバイト・パートの応募で使われることが多いです。

迷った場合は、ビジネス文書の標準サイズであるA4を選ぶのが無難でしょう。

手書きとパソコン作成はどちらが良いか

履歴書を「手書き」で作成するか、「パソコン」で作成するかは、多くの初心者が悩むポイントです。結論から言うと、企業からの指定がなければどちらでも問題ありませんが、近年はパソコンでの作成が一般的になっています。それぞれのメリット・デメリットを理解し、応募先に合わせて選びましょう。

作成方法メリットデメリット
手書き
  • 丁寧な文字で書くことで、熱意や誠実な人柄が伝わりやすい。
  • 文字の書き方から個性や人間性を感じ取ってもらえる可能性がある。
  • 作成に時間がかかる。
  • 書き損じた場合に最初から書き直す必要がある。
  • 字に自信がない場合、読みにくくなる可能性がある。
パソコン
  • 誰でも読みやすい書類を効率的に作成できる。
  • 修正や内容の変更が簡単。
  • データを保存しておけば、他の企業に応募する際に活用できる。
  • 基本的なPCスキルがあることのアピールになる。
  • 個性が出しにくく、他の応募者と差別化しにくい。
  • 変換ミスなどのケアレスミスに気づきにくいことがある。

どちらを選ぶべきかの判断基準

基本的には、効率性や修正のしやすさから、初心者の方にはパソコンでの作成をおすすめします。特に、IT業界や外資系企業、ベンチャー企業などではパソコン作成が一般的です。一方で、老舗企業や手作業の丁寧さが求められる職種などでは、手書きの履歴書が好まれる場合も稀にあります。応募する企業の社風や業界の慣習を考慮して判断しましょう。求人情報に「手書きの履歴書」と指定がある場合は、必ずその指示に従ってください。

履歴書作成で用意するものリスト

履歴書をスムーズに作成するために、事前に必要なものをリストアップして揃えておきましょう。手書きの場合とパソコンで作成する場合、それぞれで必要なものが少し異なります。

分類用意するものポイント
共通で必要なもの履歴書用紙またはテンプレート市販のものを購入するか、Webサイトからダウンロードします。
証明写真3ヶ月以内に撮影した、清潔感のあるもの。サイズ(一般的に縦4cm×横3cm)を確認しましょう。
印鑑朱肉を使うタイプのもの。インク浸透印(シャチハタなど)は不可です。
応募先企業の求人情報企業の正式名称、住所、担当部署名などを正確に転記するために必要です。
経歴がわかる資料卒業年月日がわかる卒業証書や、過去の職務経歴、資格取得年月日がわかる証明書など。
手書きの場合黒のボールペンインクがにじまず、消えない油性またはゲルインクのものがおすすめです。太さは0.5mm〜0.7mmが読みやすいです。
下書き用具(任意)鉛筆やシャープペンシル、消しゴム。清書する前に下書きをすると安心です。
パソコン作成の場合パソコンWordやExcelなどの文書作成ソフトがインストールされているもの。
プリンターと印刷用紙家庭用プリンターで問題ありません。少し厚手の上質紙に印刷すると見栄えが良くなります。
提出時に必要なもの封筒A4サイズの書類を折らずに入れられる「角形A4号」または「角2号」の白い封筒が基本です。
クリアファイル郵送中や手渡しの際に、書類が汚れたり折れたりするのを防ぎます。
切手郵送する場合に必要です。料金不足にならないよう郵便局で確認しましょう。

注意点:手書きの場合、書き間違えても修正液や修正テープの使用は絶対に避けましょう。マナー違反とみなされ、評価が下がってしまう可能性があります。間違えた場合は、潔く新しい用紙に書き直してください。

【項目別】履歴書の基本的な書き方を初心者向けに解説

履歴書は、採用担当者に自分をアピールするための最初の重要な書類です。一つひとつの項目を丁寧に、そして正確に記入することが、採用への第一歩となります。ここでは、履歴書の各項目について、初心者の方が迷わないよう基本的な書き方を分かりやすく解説します。

①基本情報欄の書き方(日付・氏名・住所・連絡先)

基本情報欄は、あなた自身のプロフィールを伝える最初の項目です。間違いがないように、正確に記入しましょう。特に連絡先は、企業からの大切な連絡を受け取るために不可欠です。

項目書き方のポイントと注意点
日付

履歴書を提出する日を記入します。郵送の場合は投函日、持参する場合は持参日を書きましょう。西暦・和暦は、履歴書全体でどちらかに統一します。

氏名

姓と名の間にはスペースを空けて、読みやすく記載します。「ふりがな」とあればひらがなで、「フリガナ」とあればカタカナで、氏名の上に忘れずに記入しましょう。

印鑑

押印欄がある場合は、朱肉を使う印鑑(認印)を使用します。シャチハタは不可です。かすれたり、曲がったりしないよう、まっすぐ鮮明に押しましょう。近年は押印不要の履歴書も増えています。

住所

都道府県から省略せずに記入します。アパートやマンション名、部屋番号まで正確に記載しましょう。郵便番号も忘れずに記入してください。

連絡先

電話番号は、日中に連絡がつきやすい携帯電話の番号を記載します。メールアドレスは、PCで確認できるものが望ましいです。Gmailなどのフリーメールで問題ありませんが、ビジネスシーンにふさわしいシンプルなアドレス(氏名などを使ったもの)を用意しましょう。

②証明写真のルールとマナー

証明写真は、あなたの第一印象を決定づける重要な要素です。清潔感を意識し、ルールとマナーを守って用意しましょう。

証明写真の基本ルール

写真の準備と貼り方

  • サイズ:一般的に「縦40mm×横30mm」です。履歴書の写真貼付欄のサイズを確認しましょう。
  • 撮影時期:3ヶ月以内に撮影したものを使用します。髪型や体型が大きく変わっている場合は撮り直しましょう。
  • 背景色:白、水色(ライトブルー)、または薄いグレーの無地が基本です。
  • 服装:スーツまたはジャケットを着用するのが一般的です。清潔感のある服装を心がけましょう。
  • 表情・髪型:口角を少し上げた自然な表情で、歯は見せないようにします。前髪が目にかからないようにし、顔の輪郭がはっきりと見える清潔感のある髪型に整えましょう。

写真は写真館や証明写真機(スピード写真)で撮影するのが一般的です。最近では、スマートフォンアプリで撮影・印刷できるサービスもありますが、品質に注意が必要です。写真の裏には、万が一剥がれてしまったときのために油性ペンで氏名を記入しておきましょう。貼り付ける際は、のりや両面テープを使い、曲がらないように丁寧に貼り付けます。

③学歴と職歴欄の書き方

学歴と職歴は、これまでのあなたの経歴を伝える重要な項目です。時系列に沿って正確に記入しましょう。年号は、基本情報欄で記入した西暦か和暦に統一します。

学歴の書き方

学歴欄は、1行目の中央に「学歴」と記入してから書き始めます。

  • 一般的に、高等学校から記入します。義務教育である小・中学校は卒業年次のみを記載しても構いません。
  • 学校名は「〇〇高校」などと略さず、「〇〇県立〇〇高等学校」のように正式名称で記載します。
  • 学部、学科、専攻名なども省略せずに正確に書きましょう。
  • 卒業、中途退学なども明確に記載します。「卒業見込み」の場合はその旨を記入してください。

職歴の書き方

学歴を書き終えたら、1行空けて中央に「職歴」と記入し、その下の行から書き始めます。

  • すべての入社・退社歴を時系列で記載します。
  • 会社名は「(株)」と略さず、「株式会社〇〇」と正式名称で書きます。
  • 配属された部署名や、簡単な業務内容(例:営業部にて法人向け新規開拓を担当)を添えると、経歴がより分かりやすくなります。
  • 退職理由は、自己都合の場合は「一身上の都合により退職」と書くのが一般的です。
  • 現在も在職中の場合は、最後の職歴の次の行に「現在に至る」と記載します。
  • すべての職歴を書き終えたら、最後の行の右端に「以上」と記入します。
  • 職歴がない場合(新卒や初めての就職活動など)は、「職歴」と書いた下の行に「なし」と記載し、その一行下の右端に「以上」と書きます。

④免許・資格欄の書き方

免許・資格は、あなたのスキルを客観的に証明するものです。応募する職種に関連性の高いものから優先的に記載しましょう。

  • 取得した年月が古い順に書くのが一般的です。
  • 免許・資格名は必ず正式名称で記載します。
    • (例)普通免許 → 普通自動車第一種運転免許
    • (例)英検2級 → 実用英語技能検定2級
    • (例)簿記2級 → 日本商工会議所簿記検定試験2級
  • 現在、取得に向けて勉強中の資格がある場合は、「〇〇資格取得に向け勉強中」と記載することで、学習意欲をアピールできます。
  • 特に記載する免許や資格がない場合は、「特になし」と記入します。空欄にはしないようにしましょう。

⑤志望動機・自己PR欄の書き方と例文

志望動機と自己PRは、採用担当者が最も注目する項目です。あなたの熱意や強みを伝え、この会社で活躍できる人材であることをアピールしましょう。

志望動機のポイント

「なぜ他の会社ではなく、この会社なのか」を具体的に伝えることが重要です。企業のウェブサイトなどをよく読み込み、事業内容や企業理念に共感した点と、自身の経験やスキルを関連付けて説明しましょう。「貴社の〇〇という理念に共感し、私の〇〇という経験を活かして貢献したい」という構成が基本です。

自己PRのポイント

これまでの経験から得たスキルや強みを、具体的なエピソードを交えてアピールします。応募する職種で求められている能力を理解し、それに合致する自身の強みを強調することが効果的です。「〇〇の経験を通じて、〇〇というスキルを身につけました。この強みを活かし、貴社で〇〇として貢献したいと考えております」のように、入社後の活躍イメージを伝えましょう。

【例文】未経験の事務職に応募する場合

前職の飲食店でのアルバイト経験で培った、お客様への丁寧な対応力と、売上管理で習得した正確なPC入力スキルには自信があります。未経験の分野ではございますが、持ち前のコミュニケーション能力と事務処理能力を活かし、一日も早く戦力となれるよう努力いたします。貴社の「チームワークを大切にする」という社風に魅力を感じており、サポート役として貢献したいと考え、志望いたしました。

⑥趣味・特技欄の書き方

趣味・特技欄は、あなたの人柄や個性を伝えるための項目です。面接での会話のきっかけになることもありますので、空欄にせず、具体的に記入しましょう。

  • 「読書」「映画鑑賞」と単語だけで終わらせず、「読書(月5冊ほどビジネス書を読んでいます)」「映画鑑賞(特にヒューマンドラマが好きで、登場人物の心理を考察することが得意です)」のように、一言補足すると人柄が伝わりやすくなります。
  • 継続していることや、目標達成のために努力していることなどを書くと、継続力や向上心のアピールにつながります。(例:ジョギング(体力維持のため、週に3回5km走っています))
  • ギャンブルや思想・信条に関わる内容は避けるのが無難です。

⑦本人希望記入欄の書き方

この欄は、勤務条件に関してどうしても譲れないことがある場合のみ記入します。特に希望がなければ、「貴社規定に従います。」と記載するのが基本です。

  • 原則:「貴社規定に従います。」と記入します。
  • 職種や勤務地に希望がある場合:複数の職種を募集している企業で、特定の職種を希望する場合は「〇〇職を希望いたします。」と記載します。
  • 勤務時間に制約がある場合:「育児のため、9時から17時までの勤務を希望いたします。」のように、理由とともに具体的に記載します。
  • 給与について:基本的にこの欄で給与の希望額を記載するのは避けましょう。面接で尋ねられた際に答えるのが一般的です。
  • 連絡希望時間帯:在職中で日中の電話対応が難しい場合は、「在職中のため、平日の18時以降、またはメールにてご連絡いただけますと幸いです。」などと記載しておくと親切です。

初心者が注意すべき履歴書のNGポイント

履歴書は、あなた自身の分身として採用担当者にアピールする重要な書類です。内容はもちろんのこと、その「書き方」や「扱い方」も厳しくチェックされています。ここでは、初心者が特に陥りがちなミスや、知らずにやってしまうと評価を下げかねないNGポイントを3つに絞って詳しく解説します。せっかく時間をかけて作成した履歴書で、思わぬマイナス評価を受けないよう、提出前に必ず確認しましょう。

空欄を作らない

履歴書の項目に空欄があると、採用担当者に「記入漏れだろうか」「意欲が低いのかもしれない」「アピールすることが何もないのだろうか」といったネガティブな印象を与えてしまう可能性があります。たとえ書くことがない項目でも、空欄のまま提出するのは避けましょう。

特に免許・資格欄や趣味・特技欄などで該当するものがない場合は、「特になし」と一言書き添えるのがマナーです。これにより、項目をきちんと確認した上で、意図的に記載していないことが伝わります。

また、本人希望記入欄に特に希望がない場合は、空欄にせず「貴社規定に従います。」と記載するのが一般的です。この一文があるだけで、協調性があり、企業のルールを尊重する姿勢を示すことができます。すべての欄を丁寧に埋めることが、入社への熱意を伝える第一歩です。

誤字脱字と修正方法

誤字脱字は、注意力や集中力の欠如、あるいは仕事に対する姿勢が雑であるという印象に直結しやすい、最も避けたいミスの一つです。提出前には、声に出して読み上げる、時間を置いてから見直す、可能であれば家族や友人など第三者にチェックしてもらうなど、入念な確認を心がけましょう。

もし間違えてしまった場合の正しい対処法

万が一、作成中に書き損じてしまった場合の対処法は、手書きかパソコン作成かで大きく異なります。特に手書きの場合、修正テープや修正液の使用は絶対にNGです。履歴書は公的な書類であり、簡単に修正できる状態は好ましくないとされています。

手間を惜しまず、新しい用紙に一から書き直すのが最も丁寧で、正しいマナーです。どうしても時間がない場合の最終手段として二重線と訂正印を使う方法もありますが、基本的にはマイナス評価に繋がるリスクがあるため推奨されません。

修正方法評価理由・注意点
新しい用紙に書き直す◎(推奨)最も丁寧な対応です。ミスなく完璧な状態の書類を提出する姿勢が評価されます。
修正テープ・修正液×(不可)公的書類では使用できません。見た目が悪く、雑な印象や改ざんの可能性を疑われることもあります。
二重線と訂正印△(原則不可)どうしても時間がない場合の最終手段ですが、採用担当者によってはマイナスの印象を持つ可能性があります。可能な限り避けましょう。
砂消しゴム×(不可)紙が毛羽立って傷がつき、かえって汚れが目立ってしまいます。インクも綺麗には消えません。

一方で、パソコンで作成している場合は、該当箇所を修正して再度印刷するだけで済みます。書き損じのリスクを減らせる点は、パソコン作成の大きなメリットと言えるでしょう。

証明写真の使い回し

証明写真は、あなたの第一印象を決める重要な要素です。一度他の企業に提出した履歴書から剥がした写真を再利用することは、絶対にやめましょう。

一度貼り付けた写真を剥がすと、シワや汚れ、糊の跡が残り、見た目が非常に悪くなります。採用担当者は毎日多くの履歴書を見ているため、そうした細かな点にも気づきやすく、「志望度が低い」「備品を大切に扱えないのでは」といった不信感に繋がります。

また、証明写真には一般的に3ヶ月以内(長くても6ヶ月以内)に撮影したものを使用するというマナーがあります。髪型や体型が現在と大きく異なる写真は、本人確認がしづらくなるため避けるべきです。清潔感のある身だしなみで、まっすぐ前を向いた、表情の良い写真を準備しましょう。万が一写真が剥がれてしまった場合に備え、写真の裏には大学名(または現職・前職の会社名)と氏名を油性ペンで記入しておくことも忘れないようにしてください。

履歴書が完成した後の提出マナー

丁寧に作成した履歴書も、提出時のマナーが守られていなければ採用担当者にマイナスの印象を与えてしまう可能性があります。郵送、手渡し、メール送付、それぞれの方法に応じた正しいマナーを理解し、最後まで気を抜かずに準備を進めましょう。

郵送する場合の封筒の書き方

郵送は、応募書類を提出する際の最も基本的な方法です。ビジネスマナーに則った丁寧な対応が求められます。送付前に必ず不備がないか確認しましょう。

封筒の選び方

履歴書を郵送する際は、書類を折らずに入れられるサイズの封筒を選びます。A4サイズの履歴書が一般的ですので、それに対応した封筒を用意しましょう。

  • サイズ: 「角形A4号(角A4)」または「角形2号(角2)」を選びます。これらのサイズであれば、A4サイズのクリアファイルに挟んだ応募書類をそのまま入れることができます。
  • 色: ビジネス文書に適した「白色」の封筒が最も一般的で、丁寧な印象を与えます。茶封筒は事務的な用途で使われることが多いため、応募書類の送付には避けるのが無難です。

封筒の表面(宛名)の書き方

封筒の表面には、送付先の住所、会社名、部署名、担当者名を正確に記入します。黒色の油性ボールペンやサインペンを使い、読みやすく丁寧な字で書きましょう。

  • 住所: 都道府県から省略せずに、ビル名や階数まで正確に記入します。
  • 会社名: 正式名称で記入します。(株)などと略さず、「株式会社」と書きます。
  • 宛名: 敬称の使い分けが重要です。下の表を参考に正しく使い分けましょう。
  • 朱書き: 封筒の左下に赤色のペンで「履歴書在中」または「応募書類在中」と書き、定規を使って周りを四角く囲みます。これにより、企業側で他の郵便物と区別しやすくなります。市販のスタンプを使用しても構いません。
宛先敬称具体例
会社・部署など組織宛御中株式会社〇〇 人事部 御中
採用担当者など個人宛株式会社〇〇 人事部 採用ご担当者 様
担当者名が不明な場合株式会社〇〇 採用ご担当者 様

※「御中」と「様」は併用しません。担当者名が分かっている場合は「様」を優先して使います。

封筒の裏面の書き方

裏面には、差出人である自分の情報を記入します。左下に、郵便番号、住所、氏名を丁寧に書きましょう。封をしたら、中央に「〆」マークを記入します。これは「確かに封をした」という印になります。

同封物と入れる順番

封筒には、履歴書だけでなく送付状(添え状)も同封するのがマナーです。書類はクリアファイルにまとめてから封筒に入れると、郵送中に折れたり汚れたりするのを防げます。

封筒に入れる際は、上から「①送付状 → ②履歴書 → ③その他の応募書類(職務経歴書など)」の順番で重ねます。受け取った相手が読みやすいように、書類の向きを揃えて入れましょう。

手渡しする場合の注意点

面接時に履歴書を持参するよう指示された場合は、手渡しで提出します。郵送とは異なるマナーがあるため、事前に確認しておきましょう。

封筒の準備と持参方法

手渡しの場合でも、履歴書を直接カバンに入れるのはマナー違反です。汚れや折れを防ぐため、郵送時と同様にクリアファイルに挟み、封筒に入れて持参します。

  • 封筒の表面: 宛名は記入しません。ただし、誰宛の書類か分かるように、表面の左下に赤ペンで「履歴書在中」と朱書きだけしておきましょう。
  • 封筒の裏面: 誰が提出したか分かるように、自分の住所と氏名を記入します。
  • 封はしない: 採用担当者がその場で中身を確認する場合があるため、封筒にのり付けはしません。

渡し方のマナー

履歴書を渡すタイミングは、受付で渡す場合と、面接官に直接渡す場合があります。どちらの状況でもスムーズに対応できるように準備しておきましょう。

  • 受付で渡す場合: 受付担当者の指示に従います。「本日の面接に参りました〇〇と申します。採用ご担当者様からお預かりするよう指示のあった履歴書はこちらです」と一言添え、封筒のまま両手で渡します。
  • 面接官に直接渡す場合: 面接官から「履歴書をご提出ください」と促されたタイミングで渡します。この時、封筒からクリアファイルごと書類を取り出し、封筒の上に重ねて、相手が読みやすい向きにして両手で差し出します。「こちらが応募書類です。本日はよろしくお願いいたします」と挨拶を添えるとより丁寧な印象になります。渡した後の封筒は、カバンにしまいましょう。

メールで送付する方法

近年では、応募書類をメールで送付するよう指示されるケースも増えています。ビジネスメールの基本マナーを押さえて、失礼のないように対応しましょう。

添付ファイルの準備

履歴書をメールで送る際は、ファイルをPDF形式に変換するのが基本です。WordやExcelのままだと、閲覧環境によってレイアウトが崩れたり、第三者に内容を改ざんされたりするリスクがあるためです。

  • ファイル形式: PDF形式に変換します。WordやExcelには「名前を付けて保存」からPDF形式で保存する機能があります。
  • ファイル名: 誰の何の書類か一目で分かるように、「履歴書_氏名(フルネーム)_YYYYMMDD.pdf」のように、書類名・氏名・提出日を記載すると親切です。
  • パスワード設定: 企業からの指示がない限り、パスワードは設定しなくても問題ありません。もしセキュリティの観点からパスワードを設定する場合は、履歴書を添付したメールとは別のメールでパスワードを通知するのがマナーです。

件名と本文の書き方

採用担当者は日々多くのメールを受け取っています。件名だけで用件が伝わるように、本文は簡潔で分かりやすい内容を心がけましょう。

  • 件名: 「【履歴書送付の件】氏名(フルネーム)」や「〇〇職応募の件/氏名(フルネーム)」のように、用件と氏名を必ず入れます。
  • 本文: 以下の構成で作成します。
    1. 宛名(会社名、部署名、担当者名)
    2. 挨拶と自己紹介(氏名)
    3. 応募の経緯と、書類を添付した旨
    4. 面接の機会をいただきたい旨
    5. 結びの挨拶
    6. 署名(氏名、住所、電話番号、メールアドレス)

送信前の最終チェックリスト

メールは一度送信すると取り消せません。送信ボタンを押す前に、以下の項目を必ず確認しましょう。

  • 宛名(会社名・担当者名)に間違いはないか
  • 件名に用件と氏名は入っているか
  • 誤字脱字はないか
  • 正しいファイルが添付されているか
  • ファイル名は適切か
  • 自分の署名は入っているか

【無料ダウンロード】すぐに使える履歴書テンプレート

履歴書を効率よく、かつ見栄え良く作成するために、テンプレートの活用は非常に有効です。ここでは、パソコンでの作成に便利なWord形式とExcel形式、そして印刷して手書きする方向けのPDF形式のテンプレートを無料で提供します。ご自身の使いやすい形式や、応募する企業・職種に合わせて最適なものを選び、ダウンロードしてご活用ください。特にこだわりがなければ、公的な書類として信頼性の高いJIS規格(日本産業規格)準拠のテンプレートをおすすめします。

Word形式テンプレート

文章作成ソフトであるWordは、志望動機や自己PRなど、文章量が多くなる項目を自由に編集しやすいのが特徴です。レイアウトの調整も比較的簡単で、パソコン初心者の方でも直感的に操作できます。ご自身の経歴やアピールしたい内容に合わせて、最適なフォーマットをお選びください。

テンプレートの種類特徴こんな方におすすめ
JIS規格準拠テンプレート最も標準的な形式で、公的な信頼性が高いフォーマットです。A4サイズ2枚で構成されています。どのテンプレートを選べば良いか迷っている方、公務員や大企業など、堅実な印象を与えたい方。
自己PR欄が大きいテンプレート(転職者向け)職務経歴で培ったスキルや経験を具体的にアピールできるよう、自己PR欄のスペースを広く設けています。社会人経験が豊富で、即戦力としてのアピールを重視したい転職活動中の方。
志望動機欄が大きいテンプレート応募先企業への熱意や入社意欲をしっかりと伝えられるよう、志望動機欄を大きく確保したフォーマットです。新卒、第二新卒、未経験の職種へ応募する方など、ポテンシャルや意欲を伝えたい方。
アルバイト・パート用テンプレート職歴欄が簡潔で、勤務可能な曜日や時間帯を記入する「本人希望記入欄」が充実しています。アルバイトやパートの仕事を探している学生や主婦・主夫の方。

Excel形式テンプレート

セル単位で項目が区切られているExcelは、入力時にレイアウトが崩れにくいという大きなメリットがあります。また、関数を使えば年齢を自動計算させることも可能です。表計算ソフトに慣れている方や、複数の企業に応募する際に情報を管理しながら作成したい方におすすめです。職務経歴書と一体になったテンプレートも便利です。

テンプレートの種類特徴こんな方におすすめ
JIS規格準拠テンプレートレイアウトが崩れにくく、誰でも使いやすい標準的なフォーマットです。学歴・職歴欄の行の追加や削除が容易です。パソコンでの文字入力に慣れており、効率的に履歴書を作成したいすべての方。
職務経歴書一体型テンプレート履歴書と職務経歴書が1つのファイルにまとまっており、応募書類の管理がしやすくなります。転職活動中で、複数の書類を効率的に作成・管理したい方。
学歴・職歴欄が広いテンプレート転職回数が多い方や、学歴・職歴に記載すべき項目が多い方のために、経歴欄を広く設けています。これまでの経歴を詳細に記載したい方。

PDF形式テンプレート

手書きで履歴書を作成したい方向けのテンプレートです。PDF形式は、どのパソコンやスマートフォンで見てもレイアウトが崩れないため、ダウンロード後に自宅のプリンターやコンビニエンスストアのネットプリントサービスを利用して、きれいなフォーマットを印刷できます。心を込めて丁寧に書きたいという方は、こちらのテンプレートをご利用ください。

テンプレートの種類特徴印刷・使用方法
JIS規格準拠テンプレート(A4・2枚)最も一般的なA4用紙2枚で印刷するタイプです。市販の履歴書用紙と同じ感覚で使用できます。A4サイズの用紙にそれぞれ印刷し、提出時はクリップで左上を留めます。
JIS規格準拠テンプレート(A3・1枚)A3用紙1枚に印刷し、二つ折りにするとA4サイズの見開き形式になるタイプです。A3サイズで印刷できるプリンターが必要です。二つ折りにした状態で記入・提出します。
アルバイト・パート用テンプレート手書き用に最適化された、アルバイト・パート応募向けのシンプルなフォーマットです。A4用紙に印刷して使用します。希望シフトなどを分かりやすく記入できます。

履歴書の書き方で初心者が抱える疑問Q&A

履歴書をいざ書き進めてみると、「この場合はどう書けばいいのだろう?」と細かな疑問が出てくるものです。ここでは、特に初心者がつまずきやすいポイントや、よくある質問をQ&A形式でわかりやすく解説します。採用担当者に好印象を与える履歴書を作成するため、疑問点をスッキリ解消しておきましょう。

アルバイト・パートの履歴書の書き方は違う?

アルバイト・パートの応募で使う履歴書も、基本的な書き方は正社員応募の場合と変わりません。ただし、アピールすべきポイントや、特に重視される項目が異なる場合があります。以下の点を押さえて、あなたの魅力が伝わる履歴書を作成しましょう。

履歴書のフォーマット

アルバイト・パート専用の履歴書も市販されていますが、JIS規格や一般用など、どのフォーマットを使用しても問題ありません。特に、勤務時間や曜日の希望を詳しく書き込める欄が大きいフォーマットは、アルバイト・パートの応募に適しています。

職歴欄の書き方

正社員経験だけでなく、過去のアルバイト経験も立派な職歴です。特に応募先の業務内容と関連性のある経験は、採用担当者への有効なアピールになります。例えば、飲食店に応募するなら過去のホールスタッフ経験、小売店ならレジ打ちの経験などを具体的に記載しましょう。

例:
平成〇年〇月 株式会社〇〇 入社(アルバイト)
       ファミリーレストラン「△△」にてホールスタッフとして勤務
平成〇年〇月 一身上の都合により退職

志望動機と本人希望記入欄

正社員の就職・転職活動とは異なり、アルバイト・パートの応募では「勤務条件」が採用の重要な判断基準となります。そのため、志望動機と本人希望記入欄の書き方が特に重要です。

  • 志望動機:「家が近い」「時給が良い」といった理由だけでなく、仕事への意欲や貢献したいという気持ちを伝えましょう。「接客業の経験を活かして、お店のファンを増やすお手伝いがしたいです」のように、具体的な言葉で表現するのがポイントです。
  • 本人希望記入欄:勤務可能な曜日や時間帯、勤務開始可能日などを具体的に記載します。採用担当者がシフトを組む際の参考になるため、明確に書いておくことで、採用後のミスマッチを防ぐことができます。「週3日、平日10時~15時の勤務を希望します。〇月〇日より勤務可能です。」のように具体的に書きましょう。
項目正社員応募の場合アルバイト・パート応募の場合
職歴業務内容、実績、役職などを詳細に記載し、キャリアの一貫性をアピールする。応募職種に関連する経験を重点的に記載する。過去のアルバイト経験も重要なアピール材料になる。
志望動機企業理念への共感や、自身のキャリアプランと企業の方向性との合致をアピールする。働く意欲や貢献したい気持ちに加え、「なぜこのお店・会社なのか」を具体的に示す。
本人希望記入欄特に希望がなければ「貴社規定に従います。」と記載するのが一般的。勤務可能な曜日・時間帯、勤務開始日などの希望条件を具体的に、分かりやすく記載することが重要。

職歴にブランクがある場合はどう書く?

病気療養や留学、育児、介護など、様々な理由で職歴にブランク(空白期間)ができてしまうことがあります。採用担当者は「ブランク期間中に何をしていたのか」「働く意欲や能力に問題はないか」という点を気にしています。ブランクがある場合でも、伝え方次第でネガティブな印象を払拭できます。

まず大前提として、経歴を偽ることは絶対にやめましょう。正直に事実を記載した上で、ブランクの理由を前向きに説明することが重要です。

病気・ケガによる療養の場合

職歴欄には正直に期間を記載します。その上で、現在は完治しており、業務に支障がないことを本人希望記入欄や備考欄に書き添えましょう。「病気療養のため約1年間休職しておりましたが、現在は完治しており、勤務に支障はございません。医師からの就労許可も得ております。」のように記載すると、採用担当者も安心して選考を進められます。

留学・資格取得の勉強をしていた場合

スキルアップのための前向きな期間であったことをアピールするチャンスです。自己PR欄や職務経歴書で、ブランク期間中に何を学び、何を得たのかを具体的に説明しましょう。取得した資格や語学力は、免許・資格欄に忘れずに記載してください。その経験が応募先の企業でどのように活かせるかを伝えることができれば、大きな強みになります。

出産・育児・介護の場合

家庭の事情でやむを得ず離職した場合も、正直に伝えましょう。大切なのは、現在は仕事に集中できる環境が整っていることを示すことです。本人希望記入欄などに「育児のため離職しておりましたが、子どもが小学校に入学し、家族の協力も得られるため、今後は業務に専念できます。」といった一文を添えると、採用担当者の不安を和らげることができます。

退職理由は書くべきか

履歴書の職歴欄に、詳細な退職理由を書く必要は基本的にありません。書き方を間違えると、ネガティブな印象を与えてしまう可能性があるため注意が必要です。退職の経緯によって、適切な書き方を選択しましょう。

自己都合退職の場合

転職や結婚、家庭の事情など、自分自身の都合で退職した場合は、職歴欄に「一身上の都合により退職」と記載するのが一般的です。たとえ前職への不満が退職理由であったとしても、それをそのまま書くのは避けましょう。採用担当者は「同じ理由でまた辞めてしまうのではないか」と懸念を抱いてしまいます。面接で退職理由を質問された場合に備えて、ポジティブな表現で答えられるように準備しておくことが大切です。

(例:「給与が低かった」→「成果を正当に評価していただける環境で、より貢献したいと考えました」)

会社都合退職の場合

会社の倒産や事業所の閉鎖、業績不振による人員整理(リストラ)など、会社側の都合で退職した場合は、「会社都合により退職」と記載します。より具体的に「事業所閉鎖のため退職」「早期退職制度利用のため退職」などと書いても構いません。本人の能力や勤務態度に問題があったわけではないことが明確に伝わります。

契約期間満了の場合

契約社員や派遣社員、期間の定めがあるアルバイトなどで、契約期間が終了して退職した場合は、「契約期間満了により退職」と記載します。これも自己都合や会社都合とは異なる、正当な退職理由として扱われます。

退職理由のパターン履歴書への書き方(例)
自己都合(転職、結婚、家庭の事情など)一身上の都合により退職
会社都合(倒産、事業縮小、解雇など)会社都合により退職
契約期間満了契約期間満了により退職

まとめ

本記事では、履歴書の書き方に不安を抱える初心者向けに、準備から各項目の書き方、提出マナーまで網羅的に解説しました。履歴書は、あなたの第一印象を決定づける重要な応募書類です。空欄や誤字脱字をなくすといった基本ルールを守ることはもちろん、特に志望動機や自己PRでは、自身の強みと企業の求める人物像を結びつけて具体的にアピールすることが、採用担当者の心に響く鍵となります。この記事で紹介したポイントと無料テンプレートを活用し、自信を持って選考に臨める履歴書を完成させましょう。

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