職務経歴書は、その内容だけでなく提出マナーも採用担当者の評価対象です。なぜなら、書類の提出は候補者のビジネスマナーや仕事への姿勢を示す最初の機会だからです。この記事では、採用担当者の視点から、メール・郵送・手渡し各ケースの正しいマナーを例文やNG例を交えて徹底解説します。提出前の最終チェックから意外なQ&Aまで網羅し、あなたの転職活動を成功に導く「減点されない」提出方法の全てが分かります。
まずはここから 職務経歴書提出前の最終チェックリスト

職務経歴書が完成し、いよいよ企業へ提出する段階。しかし、その「提出」という最後のステップで評価を下げてしまうケースは少なくありません。どんなに素晴らしい経歴やスキルを記載していても、提出時の些細なミスが「仕事が雑な人」「注意力が足りない人」という印象を与えかねないのです。書類選考は、あなたと採用担当者の最初の接点。ここで良い第一印象を与えるためにも、提出前に必ず最終チェックを行いましょう。メールの送信ボタンを押す前、ポストに投函する前に、以下のリストで完璧な状態か確認してください。
誤字脱字や記載漏れはないか
誤字脱字や記載漏れは、採用担当者が最も気にするポイントの一つです。これらは注意力や丁寧さ、ひいては仕事への姿勢を判断する材料となります。自分では完璧だと思っていても、客観的に見直すと意外なミスが見つかるものです。以下の方法で、徹底的に確認しましょう。
チェック項目 | 具体的な確認ポイント |
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誤字・脱字 |
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記載漏れ |
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表記の統一 |
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効果的な確認方法 |
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企業が指定する要件を満たしているか
募集要項や企業の採用ページには、応募書類に関するルールが記載されていることがよくあります。この指定を守ることは、指示を正確に理解し実行する能力があることを示す第一歩です。「募集要項をきちんと読んでいない」という印象を与えないよう、企業の指定を隅々まで確認しましょう。
チェック項目 | 具体的な確認ポイント |
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ファイル形式 | 企業から「PDF形式で提出」「Wordで作成」といった指定がないか確認。特に指定がない場合は、誰の環境でもレイアウトが崩れず、編集されにくいPDF形式が基本です。 |
ファイル名 | 「職務経歴書_氏名_日付.pdf」のように、ファイル名の付け方が指定されていないか確認。指定がない場合でも、「誰の」「何の」書類か一目でわかるファイル名にしましょう。 |
提出方法 | メール添付、企業の採用システムへのアップロード、郵送など、指定された提出方法を守っているか。 |
記載内容 | 「〇〇の経験について具体的に記載してください」「自己PRは400字以内で」など、内容に関する指定がないか。応募職種に合わせたアピールができているかも再確認しましょう。 |
写真の規定 | 履歴書に貼る証明写真について、「3ヶ月以内に撮影したもの」「背景は白か青」などの規定がないか確認。サイズや貼り付け方も含めてチェックします。 |
提出書類はすべて揃っているか
提出書類に漏れがあるのは致命的なミスです。「準備不足な人」「志望度が低いのでは」と判断され、選考の土俵にすら上がれない可能性があります。企業から求められている書類がすべて揃っているか、最後に指差し確認をしましょう。
チェック項目 | 具体的な確認ポイント |
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必須書類の確認 |
上記は基本セットです。これらが揃っているかまず確認します。 |
企業独自の提出物 |
募集要項を再度確認し、企業から特別に求められている書類がないかチェックします。 |
書類の状態 |
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提出方法別 職務経歴書のマナーを徹底解説
職務経歴書の提出方法は、主に「メール」「郵送」「手渡し」の3つです。近年はメールでの提出が主流ですが、企業によっては郵送や面接時の持参を指示されることもあります。どの方法であっても、ビジネスマナーを守ることが採用担当者への良い第一印象につながります。ここでは、それぞれのケースに応じた具体的なマナーを、例文やチェックリストを交えて詳しく解説します。基本をしっかり押さえて、自信を持って応募書類を提出しましょう。
ケース1 メールで提出する場合のマナー
メールでの提出は手軽でスピーディーな反面、細かな配慮が欠けるとマイナスの印象を与えかねません。採用担当者は毎日多くのメールを受け取っています。他のメールに埋もれず、かつ失礼のないように、添付ファイルの準備から送信前の確認まで、一つひとつの手順を丁寧に行いましょう。
添付ファイルの準備 PDF化とファイル名
応募書類をメールで送る際は、WordやExcelで作成した書類をPDF形式に変換して添付するのが基本マナーです。PDF化には、第三者による改ざんを防ぎ、どのパソコン環境でもレイアウトが崩れずに表示されるというメリットがあります。
また、採用担当者がファイルを管理しやすいように、ファイル名にも配慮が必要です。誰の何の書類かが一目でわかるように、「書類名(氏名)_提出日」といった形式で名前を付けましょう。
ファイルの種類 | 推奨されるファイル名 |
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職務経歴書のみ | 職務経歴書(山田太郎)_20231026.pdf |
履歴書と職務経歴書をまとめる場合 | 応募書類一式(山田太郎)_20231026.pdf |
セキュリティ意識の高さを示すために、添付ファイルにパスワードを設定する方法もあります。その場合は、ファイルを添付したメールと、パスワードを知らせるメールの2通に分けて送るのがマナーです。1通目のメール本文に「パスワードは後ほど別メールにてお送りします」と記載しておきましょう。
件名と本文の書き方【例文付き】
メールの件名は、採用担当者が多くのメールの中から応募書類をすぐに見つけられるよう、簡潔で分かりやすいものにします。「〇〇職応募の件/氏名」のように、用件と誰からのメールかが一目で分かるように記載しましょう。企業から件名に指定がある場合は、必ずその指示に従ってください。
本文は、ビジネスメールの基本構成に沿って作成します。長文の自己PRは避け、要件を簡潔に伝えることを心がけましょう。
【件名】
営業職応募の件/山田 太郎
【本文】
株式会社〇〇
人事部 採用ご担当者様
初めまして。
山田 太郎と申します。
貴社の求人を拝見し、営業職に応募させていただきたく、ご連絡いたしました。
つきましては、履歴書と職務経歴書を添付ファイル(PDF形式)にてお送りいたします。
ご査収のほど、よろしくお願い申し上げます。
お忙しいところ恐縮ですが、面接の機会をいただけますと幸いです。
何卒よろしくお願い申し上げます。
————————————————–
山田 太郎(やまだ たろう)
〒123-4567
東京都〇〇区〇〇1-2-3 〇〇マンション101号室
電話番号:090-1234-5678
メールアドレス:yamada.taro@example.com
————————————————–
送信前に確認すべき項目
メールは一度送信すると取り消せません。送信ボタンを押す前に、以下の項目を必ずチェックしましょう。うっかりミスが評価を下げる原因になることもあります。
- 宛先(To, Cc, Bcc)は正しいか
- 宛名(会社名・部署名・担当者名)に間違いや省略はないか
- 件名は分かりやすく、自分の氏名も入っているか
- 本文に誤字脱字はないか
- 添付ファイルは正しいか(PDF化されているか、ファイル名は適切か)
- ファイルは確実に添付されているか
- 署名は入っているか
- 送信する時間帯は適切か(企業の営業時間内に送るのが望ましい)
ケース2 郵送で提出する場合のマナー
郵送は、メールに比べて手間がかかる分、応募者の丁寧さや人柄が伝わりやすい提出方法です。封筒の選び方から書類の入れ方、切手の料金まで、細部にわたってビジネスマナーが問われます。採用担当者に「きっちりした人物だ」という印象を持ってもらえるよう、ポイントを押さえて準備しましょう。
必要なものリスト 封筒・クリアファイル・添え状
応募書類を郵送する際には、以下のものを準備します。一つひとつがあなたの評価につながる大切なアイテムです。
アイテム | 選び方とポイント |
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封筒 | A4サイズの書類を折らずに入れられる「角形2号(角2)」を選びます。色は清潔感のある白が無難です。茶封筒は事務用品のイメージが強く、応募書類には不向きとされています。 |
クリアファイル | 配送中に書類が折れたり、雨で濡れたりするのを防ぐために必須です。柄や色のない、新品の無色透明なものを使用しましょう。 |
添え状(送付状) | 誰が・何を・何のために送ったのかを伝えるための挨拶状です。ビジネス文書の基本であり、同封するのがマナーです。パソコンで作成するのが一般的です。 |
切手 | 料金不足は絶対に避けなければなりません。郵便局の窓口で重さを量ってもらい、正確な料金の切手を貼るのが最も確実です。キャラクターものや記念切手は避け、普通の切手を選びましょう。 |
封筒の書き方 表面・裏面
封筒の宛名は、あなたの第一印象を左右します。丁寧に、正しい書き方で記入しましょう。黒のボールペンやサインペンを使用し、読みやすい字を心がけてください。
【表面の書き方】
- 住所:郵便番号を忘れずに記入し、住所は都道府県から省略せずに書きます。ビル名や階数も正確に記載します。
- 宛名:会社名や部署名も(株)などと略さず、「株式会社」「部」と正式名称で書きます。宛名は中央に、住所より少し大きな字で書きましょう。担当者名が分かっている場合は「様」、部署宛ての場合は「御中」と使い分けます。
- 応募書類在中:封筒の左下に赤色のペンで「応募書類在中」と書き、定規を使って四角で囲みます。これは、他の郵便物と区別し、採用担当者の手元に確実に届けるための重要な目印です。
【裏面の書き方】
- 自分の情報:封筒の左下に、自分の郵便番号、住所、氏名を記入します。
- 封締め:封をしたら、フタの中央に「〆」マークを記入します。これは「確かに封をしました」という印です。
ポスト投函前の最終確認
ポストに投函する前にもう一度、中身と封筒の記載内容に不備がないかを確認しましょう。
- 応募書類はすべて揃っているか(添え状、履歴書、職務経歴書など)
- 書類はクリアファイルに正しい順番(上から添え状、履歴書、職務経歴書)で入っているか
- 封筒の宛名、自分の住所・氏名に間違いはないか
- 「応募書類在中」の記載はしたか
- 切手の料金は不足していないか
- のりでしっかりと封をしたか、「〆」マークは書いたか
ケース3 面接時に手渡しする場合のマナー
面接官に直接書類を渡す場面では、あなたの立ち居振る舞いそのものが評価の対象となります。書類を丁寧に扱う姿勢や、スムーズな受け渡しができるかどうかを見られています。スマートな渡し方をマスターし、好印象を与えましょう。
封筒の準備と書類の入れ方
手渡しの場合も、書類はクリアファイルに入れ、封筒に入れて持参するのがマナーです。郵送時と同様、A4サイズが折らずに入る「角形2号」の白い封筒を用意しましょう。
郵送と違う点は、封筒に宛名を書く必要はなく、封をしないことです。すぐに取り出せるようにしておきます。ただし、受付で提出を求められるケースも想定し、誰の書類か分かるように封筒の裏面にだけ自分の住所と氏名を書いておくと、より丁寧な印象になります。
カバンの中で封筒が折れ曲がらないよう、まっすぐな状態で持ち運びましょう。
渡すタイミングとスマートな渡し方
応募書類を渡すタイミングは、面接官から提出を求められたときです。面接が始まる前に自分から机の上に出しておくのはマナー違反です。指示があるまでカバンの中にしまっておきましょう。
【スマートな渡し方の手順】
- 面接官から「職務経歴書をいただけますか」などと指示されたら、「はい」と返事をして立ち上がります。
- カバンを自分の椅子の横に置き、中から封筒を取り出します。
- 封筒からクリアファイルごと書類を取り出します。
- 面接官が読みやすい向き(相手の正面)になるように書類の向きを変えます。
- 両手で書類を持ち、面接官に差し出します。「こちらが応募書類です。よろしくお願いいたします」と一言添えましょう。
- 書類を渡す際、封筒は書類の下に重ねて一緒に渡すのが一般的です。
一連の動作を落ち着いてスムーズに行うことで、準備が良く、丁寧な人物であるという印象を与えることができます。
意外と知らない?職務経歴書提出に関するQ&A

職務経歴書の提出にあたり、多くの応募者が疑問に思う点や、つい見落としてしまいがちな細かいマナーが存在します。ここでは、よくある質問をQ&A形式でまとめました。採用担当者に「細部まで配慮ができる人材だ」という好印象を与えるためにも、提出前に最終確認しておきましょう。
履歴書と職務経歴書を入れる順番は?
応募書類を封筒に入れたり、クリアファイルにまとめたりする際の正しい順番は、採用担当者が確認しやすい流れを意識することが大切です。特に企業からの指定がない限り、以下の順番で重ねるのが一般的なビジネスマナーです。
- 添え状(送付状)
- 履歴書
- 職務経歴書
- その他の応募書類(ポートフォリオ、資格証明書のコピーなど)
この順番は、採用担当者が最初に挨拶状である「添え状」に目を通し、次にあなたの基本情報がわかる「履歴書」、そして詳細な業務経験を確認する「職務経歴書」へとスムーズに読み進められるようにするためです。郵送の場合も、面接で手渡しする場合も、この順番を基本と心得ておきましょう。書類はすべてクリアファイルにまとめてから封筒に入れると、折れや汚れを防ぐことができ、丁寧な印象を与えられます。
添え状は手書きとパソコンどちらが良い?
結論から言うと、添え状(送付状)は「パソコンでの作成」が一般的であり、推奨されます。手書きの文字には温かみがあると感じる人もいますが、ビジネス文書としてはパソコン作成のほうが多くのメリットがあります。
- 読みやすさ:誰にとっても読みやすく、内容が正確に伝わります。
- ビジネススキルのアピール:基本的なPCスキルやビジネス文書の作成能力があることを示せます。
- 効率性:一度テンプレートを作成すれば、応募企業ごとに内容を修正するだけで使い回しができ、効率的です。
企業から手書きの指定がある場合や、書道経験者などで字に絶対的な自信があり、熱意を伝えたいという強い意図がある場合を除き、パソコンで作成するのが無難です。特にIT業界や事務職など、日常的にパソコンを使用する職種に応募する場合は、パソコンで作成することが必須と考えるべきでしょう。
郵送の場合「必着」と「消印有効」の違いは?
応募書類の提出期限で使われる「必着」と「消印有効」は、意味が全く異なります。この違いを正しく理解していないと、せっかく準備した書類が選考対象外になってしまう可能性があります。必ず事前に確認し、余裕を持って準備を進めましょう。
それぞれの意味と注意点は以下の通りです。
用語 | 意味 | 応募者が注意すべきこと |
---|---|---|
必着 | 指定された期日までに、応募書類が企業に到着している必要がある。 | 郵便の配達にかかる日数を考慮し、締切日から逆算して発送する必要があります。日本郵便のウェブサイトなどで配達日数の目安を確認し、締切日の2〜3日前には投函するのが安心です。締切日間近の場合は、速達を利用することも検討しましょう。 |
消印有効 | 指定された期日までの郵便局の消印が押されていれば、企業への到着が期日を過ぎても有効。 | 締切日当日に発送しても間に合います。ただし、ポストに投函する場合、集荷時間を過ぎていると翌日の消印になってしまうため注意が必要です。締切日当日に手続きする場合は、郵便局の窓口で直接差し出すのが最も確実です。 |
どちらの指定であっても、締切日ギリギリの提出は避けるのが賢明です。予期せぬ郵便の遅延なども考慮し、常に余裕を持ったスケジュールで行動することが、社会人としてのリスク管理能力を示すことにも繋がります。
採用担当者が見ている評価を下げるNG提出マナー
職務経歴書の内容がどんなに素晴らしくても、提出時のマナー一つで評価が大きく下がってしまうことがあります。採用担当者は、応募書類の提出方法から「社会人としての基礎力」「仕事への姿勢」「他者への配慮」などを読み取ろうとしています。「これくらい大丈夫だろう」という油断が、思わぬマイナス評価に繋がるかもしれません。ここでは、メール・郵送・手渡しの3つのケース別に、採用担当者の視点で評価を下げるNGマナーを具体的に解説します。
メールでのNG例
メールは手軽な反面、ビジネスマナーが顕著に表れるコミュニケーションツールです。顔が見えないからこそ、細やかな配慮が求められます。以下のNG例に当てはまらないか、送信前に必ず確認しましょう。
添付ファイルに関するNGマナー
採用担当者は毎日多くの応募メールを受け取ります。ファイルを開く手間や管理のしやすさに配慮できない応募者は、「仕事でも段取りが悪そう」という印象を与えかねません。
NG例 | 採用担当者が抱く懸念・マイナス印象 |
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WordやExcel形式のまま添付する | レイアウト崩れや第三者による改ざんリスクへの意識が低い。相手の閲覧環境(OSやソフトのバージョンの違い)への配慮が欠けている。 |
ファイル名が「職務経歴書.pdf」など初期設定のまま | 誰の何の書類か一目でわからず、管理の手間を増やしてしまう。多数の応募書類を扱う採用担当者への配慮が足りない。 |
パスワードを記載したメールとファイルを同じメールで送る | セキュリティ意識が低いと判断される。情報管理に対する姿勢が問われる重大なマナー違反。 |
ファイルサイズが数MBを超えるなど非常に大きい | 企業のサーバーに負荷をかける可能性がある。データを圧縮するなどの配慮ができない、ITリテラシーが低いという印象を与える。 |
メール本文・送信に関するNGマナー
メールの件名や本文は、あなた自身の第一印象を決定づける重要な要素です。雑なメールは、志望度が低い、あるいはコミュニケーション能力に問題があると見なされる可能性があります。
NG例 | 採用担当者が抱く懸念・マイナス印象 |
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件名が「応募の件」など、具体的でない | 誰がどの職種に応募してきたのか件名だけで判断できず、確認の手間がかかる。要点を簡潔に伝える能力が低いと思われる。 |
本文に宛名や署名が一切ない | ビジネスマナーの基本が身についていない。誰宛のメールなのか、誰から送られてきたメールなのかが不明瞭で、無責任な印象を与える。 |
挨拶や自己紹介がなく、いきなり用件から始まる | 社会人としてのコミュニケーション能力を疑われる。機械的で冷たい印象を与え、入社後の人間関係構築に不安を感じさせる。 |
CCやBCCに他の応募企業のメールアドレスが入っている | 個人情報保護の意識が著しく欠如している。極めて重大なミスであり、一斉送信していることで志望度が低いことも露呈してしまう。 |
郵送でのNG例
郵送は、メールに比べて手間がかかる分、応募者の丁寧さや人柄が伝わりやすい提出方法です。だからこそ、雑な対応は悪目立ちしてしまいます。一つひとつの準備を怠らないようにしましょう。
書類・封筒準備のNGマナー
封筒や同封物に不備があると、書類を開封する前から「準備不足」「大雑把な性格」といったネガティブな印象を与えてしまいます。
NG例 | 採用担当者が抱く懸念・マイナス印象 |
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応募書類をクリアファイルに入れず、直接封筒に入れる | 書類を丁寧に扱う意識が低い。雨による濡れや配送中の折れ・汚れから書類を守るという配慮ができない。 |
添え状(送付状)が同封されていない | ビジネスマナー違反。誰が・何を・何のために送ったのかが不明瞭で、採用担当者を混乱させる。 |
書類を三つ折りや四つ折りにしないと入らない小さな封筒を使う | 受け取った側が読みにくく、ファイリングもしづらい。相手の都合を考えられない自己中心的な人物だと思われる可能性がある。 |
修正テープや修正液を使った跡が目立つ | 準備に時間をかけていない、雑な仕事をするという印象を与える。ミスをした場合は、新しい封筒に書き直すのがマナー。 |
郵送手続きのNGマナー
ポストに投函して終わりではありません。郵送の最終段階でのミスは、社会人としての信頼性を損なう致命的なものになり得ます。
NG例 | 採用担当者が抱く懸念・マイナス印象 |
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切手の料金が不足している | 企業側が不足分を支払うことになり、多大な迷惑をかける。コスト意識や確認能力が欠如していると見なされる最悪のケース。 |
封筒の糊付けが甘い、またはテープで雑に留めている | 配送中に開封され、個人情報が漏洩するリスクがある。重要な書類の管理能力を疑われる。セロハンテープでの封緘はビジネスマナー違反。 |
締め切り当日の集荷が終わった後にポストへ投函する | 締め切りを守れない、計画性がない人物という評価に繋がる。期限管理能力は社会人として必須のスキル。 |
手渡しでのNG例
面接官と直接顔を合わせる手渡しは、あなたの立ち居振る舞い全てが評価対象となります。書類の準備だけでなく、渡す際の所作にも細心の注意を払いましょう。
準備段階でのNGマナー
面接会場に到着するまでの準備が、あなたの評価を左右します。万全の状態で面接に臨めるよう、細部まで気を配りましょう。
NG例 | 採用担当者が抱く懸念・マイナス印象 |
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書類を封筒に入れず、クリアファイルやカバンから直接出す | 書類を丁寧に扱っていない印象を与える。正式なビジネス文書を提出する際の常識が欠けていると判断される。 |
封筒がカバンの中で折れ曲がったり、汚れたりしている | 持ち物への配慮が足りず、自己管理能力が低いと思われる。大切な書類を最高の状態で渡すという意識が欠けている。 |
封筒の宛名書きがない | 手渡しであっても、誰宛の何の書類かを明記するのがマナー。準備不足であり、細部へのこだわりがない人物だと思われる。 |
当日の渡し方のNGマナー
どんなに良い書類を準備しても、渡し方一つで印象は台無しになります。相手への敬意と配慮を忘れないようにしましょう。
NG例 | 採用担当者が抱く懸念・マイナス印象 |
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受付でいきなり渡そうとする | 相手の状況や指示を待てない、自分本位な行動と見なされる。面接官に直接渡すのが基本。 |
面接官から促される前に、自分から机の上に置く | タイミングを計れない、自己中心的な人物という印象を与える。コミュニケーションの基本である「相手の指示を待つ」ことができていない。 |
相手が読みにくい向きのまま、片手で差し出す | 相手への配慮が完全に欠けている。横柄な態度と受け取られ、社会人としての基本的な所作ができていないと判断される。 |
無言で差し出す、または「どうぞ」とだけ言って渡す | コミュニケーション能力の低さを露呈する。「こちらが職務経歴書です。本日はよろしくお願いいたします」など、一言添えるのがマナー。 |
まとめ
職務経歴書の提出は、選考の第一歩であり、ビジネスマナーが問われる重要な場面です。メールでのファイル形式、郵送時の添え状や封筒の書き方、手渡しする際のタイミングなど、それぞれの方法に応じたマナーを守ることが、採用担当者への好印象に直結します。なぜなら、書類の扱い方一つで、仕事への姿勢や人柄が判断されるからです。この記事で解説したチェックリストや注意点を参考に、丁寧な対応を心がけ、万全の準備で選考に臨みましょう。
