【転職回数が多い…】その職務経歴書の書き方で大丈夫？プロが教える必勝テンプレート

「転職回数が多いと、職務経歴書で不利になるのでは…」「“長続きしない人”だと思われて、書類選考で落とされてしまうかもしれない」そんな不安から、職務経歴書の作成に頭を悩ませていませんか。転職回数の多さがコンプレックスとなり、転職活動に自信が持てずにいる方も少なくないでしょう。

しかし、ご安心ください。結論から言えば、転職回数の多さは書き方次第で、不利になるどころか「幅広い業界知識」や「高い適応能力」といった強力なアピールポイントに変えることができます。採用担当者は、転職の回数そのものよりも、その背景にある「一貫性」や「再現性のあるスキル」を見極めようとしています。

この記事では、多くの転職者を成功に導いてきたプロの視点から、採用担当者の懸念を払拭し、あなたの豊富な経験を“強み”として伝える職務経歴書の書き方を徹底解説します。すぐに使える例文やテンプレートも交えながら、書類選考の通過率を格段に上げるための具体的なテクニックを学び、自信を持って次のステップへ進みましょう。

転職回数が多いと不利になる？採用担当者の本音とは

「転職回数が多いと、書類選考で不利になるのでは…」と不安に感じていませんか。確かに、転職回数の多さをネガティブに捉える採用担当者がいるのは事実です。しかし、一概に不利になるとは限りません。大切なのは、採用担当者が抱く懸念を理解し、それを払拭するような職務経歴書を作成することです。

ここでは、採用担当者が転職回数の多い応募者に対してどのような「本音」を抱いているのか、そして、その懸念をいかにして「強み」に変えることができるのかを解説します。このポイントを理解するだけで、あなたの職務経歴書は格段に説得力を増すはずです。

採用担当者が懸念する3つのポイント

採用担当者は、採用活動に多くの時間とコストをかけています。そのため、「採用した人材には長く活躍してほしい」と考えるのが自然です。転職回数が多いという事実から、主に以下の3つのポイントについて懸念を抱く傾向があります。

懸念ポイント	採用担当者の本音（なぜ懸念するのか）
1. 定着性への懸念	「採用しても、またすぐに辞めてしまうのではないか？」という不安です。採用や教育にはコストがかかるため、早期離職は企業にとって大きな損失となります。特に、短期間での転職を繰り返している場合、ストレス耐性や忍耐力に疑問符がつくことがあります。
2. スキル・専門性の深さへの疑問	「一つの会社に腰を据えていないため、専門的なスキルが身についていないのではないか？」という懸念です。様々な業務を経験している一方で、それぞれの経験が浅く、即戦力となるだけの専門性が不足している「器用貧乏」なタイプだと判断される可能性があります。
3. 人間関係や環境への不満	「職場での人間関係の構築が苦手だったり、環境への不満を抱えやすかったりするのではないか？」という人物面での不安です。退職理由が明確でない場合、本人の計画性のなさや、組織への適応能力の低さを疑われてしまうことがあります。

書き方次第で転職回数は強みになる

採用担当者の懸念を理解すれば、対策は可能です。転職回数の多さは、伝え方次第でネガティブな印象を払拭し、むしろ魅力的な強みとしてアピールできます。

例えば、転職回数の多さは以下のようなポジティブな見方に変換できます。

• 多様な環境への適応力：異なる企業文化や業務フローを経験してきたことは、新しい環境へスムーズに順応できる能力の証明になります。
• 幅広い経験とスキル：複数の企業で培った知識やスキルは、一つの会社に長く勤めていては得られない貴重な財産です。異業種の知見を組み合わせることで、新たな価値を生み出せる可能性を秘めています。
• 明確な目的意識と行動力：一貫したキャリアプランに基づいた転職であれば、それは目的意識の高さと、目標達成のための行動力を示すものになります。

重要なのは、これまでのキャリアに一貫したストーリーを持たせ、「なぜ転職を繰り返したのか」ではなく、「転職を通じて何を得て、それを今後どう活かせるのか」を明確に伝えることです。次の章から、これらの強みを職務経歴書に落とし込むための具体的な書き方を解説していきます。

転職回数が多い人向けの職務経歴書の基本構成

転職回数が多いという事実を、採用担当者にネガティブに捉えさせないためには、職務経歴書の「構成」そのものが極めて重要になります。どの情報を、どの順番で、どのように見せるか。その戦略的な選択が、書類選考の通過率を大きく左右するのです。ここでは、あなたのキャリアの魅力を最大限に引き出すための、最適なフォーマット選びと基本構成について解説します。

職務経歴書のフォーマットはどれを選ぶべきか

職務経歴書には、主に「逆編年体形式」「編年体形式」「キャリア式形式」の3つのフォーマットが存在します。それぞれに特徴があり、ご自身の経歴や応募する企業によって最適なフォーマットは異なります。転職回数が多い方がそれぞれの特徴を理解し、戦略的に使い分けることが成功への第一歩です。

まずは、各フォーマットのメリット・デメリットを比較してみましょう。

フォーマット名	特徴	メリット	デメリット	おすすめな人
逆編年体形式	職歴を新しいものから古いものへと遡って記述する、最も一般的な形式。	直近の経験やスキルを最初にアピールできる。採用担当者が最も慣れている形式で読みやすい。	転職回数の多さや在籍期間の短さが目立ちやすい。	直近の職歴が応募職種と関連性が高く、アピールしたい人。
編年体形式	職歴を古いものから新しいものへと時系列に沿って記述する形式。	キャリアの成長過程やストーリーを伝えやすい。	直近のスキルや経験が最後にくるため、アピールしにくい。転職回数が多いと経歴が冗長に見えがち。	社会人経験が浅い第二新卒や、キャリアの一貫性を伝えたい人。
キャリア式形式	時系列ではなく、職務内容やスキル分野ごとに経歴をまとめて記述する形式。	キャリアの一貫性を強調できる。在籍期間の短さやブランクが目立ちにくい。特定のスキルを強くアピールできる。	どのようなキャリアを歩んできたのか時系列が分かりにくい。作成に手間がかかる。	転職回数が多い人。異業種・異職種へ挑戦する人。専門職や技術職の人。

編年体形式と逆編年体形式

一般的に最も多く使われるのは「逆編年体形式」です。採用担当者は最新の職務経歴から候補者のスキルを判断するため、直近の経験を最初に伝えられるこの形式は非常に合理的です。もし、直近の会社での経験が応募職種と親和性が高く、実績をアピールできるのであれば、転職回数が多くても逆編年体形式を選ぶのは有効な選択肢です。一方で、「編年体形式」はキャリアの成長を示しやすいものの、転職回数が多い場合は経歴が煩雑に見え、アピールしたい点が伝わりにくくなる可能性があるため、慎重に検討する必要があります。

キャリア式形式の賢い活用法

転職回数が多い方に最もおすすめしたいのが「キャリア式形式」です。この形式の最大の強みは、時系列の呪縛から解放され、あなたの「できること」を軸に経歴を再構築できる点にあります。複数の企業で培った経験の中から、応募職種に関連するスキルや実績だけを抽出してグループ化することで、一見バラバラに見える職歴に一貫性を持たせることが可能です。

例えば、「法人営業経験」「プロジェクトマネジメントスキル」「Webマーケティング実績」といった項目を立て、それぞれの項目に関連する経験を会社名とともに記述します。こうすることで、採用担当者は「この人は複数の環境で、これだけの専門性を培ってきたのだな」とポジティブに解釈しやすくなります。短期間で離職した会社の経歴も、スキルを証明する一つの要素として効果的に見せることができるのです。

【項目別】転職回数が多い場合の職務経歴書の書き方

転職回数の多さが懸念材料にならないよう、職務経歴書の各項目で戦略的にアピールすることが重要です。採用担当者は、あなたの経験に「一貫性」と「再現性」があるかを見ています。ここでは、職務要約から志望動機まで、各項目であなたの強みを最大限に引き出す書き方を具体的に解説します。

職務要約で一貫性のあるキャリアをアピールする方法

職務要約は、採用担当者が最初に目を通す最も重要な項目です。ここで「ただ転職を繰り返してきた人」ではなく、「一貫した目的を持って多様な経験を積んできた人材」という印象を与える必要があります。ポイントは、これまでの経験を棚卸しし、共通する「キャリアの軸」を見つけ出して提示することです。

例えば、「顧客折衝能力」「業務改善」「新規事業開発」など、業種や職種が変わっても共通して発揮してきたスキルや経験を軸として設定します。その軸に沿って、これまでのキャリアを3〜5行程度で簡潔にまとめましょう。

NG例：単なる経歴の羅列	OK例：キャリアの軸を明確に示す
株式会社Aで3年間営業を経験後、株式会社Bで2年間マーケティングを担当。その後、株式会社Cで1年間、Webディレクターとして勤務しました。	一貫して「顧客ニーズを起点とした売上向上」をミッションとして、キャリアを積んでまいりました。営業職として3年間で培った顧客折衝能力と、マーケティング職で習得したデータ分析スキルを掛け合わせ、WebディレクターとしてWebサイトのCVRを150%改善した実績がございます。貴社でも、これまでの多様な経験で培った課題発見力と実行力を活かし、事業成長に貢献できると考えております。

職務経歴は実績を具体的に記述する

職務経歴の欄では、単に担当業務を書き連ねるだけでは不十分です。特に在籍期間が短い場合、「どのような貢献をしたのか」が伝わりにくくなります。各職歴において、具体的な「実績」を数字を用いて示すことが極めて重要です。「何を課題とし（Situation/Task）」「どう行動し（Action）」「どんな結果を出したか（Result）」を意識して記述しましょう。

数字で示せる実績がない場合でも、「業務フローを改善し、月間10時間の工数削減を実現」「マニュアルを作成し、新人教育の期間を2週間短縮」のように、具体的な行動と結果を記述することで、あなたの貢献度をアピールできます。

自己PRで再現性のあるスキルを伝える

転職回数が多いことは、見方を変えれば「多様な環境への適応力」や「短期間で成果を出すキャッチアップ能力」の証明にもなります。自己PRでは、これまでの複数の企業経験を通じて得られた「ポータブルスキル（持ち運び可能なスキル）」を強調しましょう。

ポータブルスキルとは、特定の企業や業界に依存しない、汎用性の高い能力のことです。例えば、以下のようなスキルが挙げられます。

• 課題解決能力
• プロジェクトマネジメント能力
• コミュニケーション能力（交渉力、調整力など）
• 新規環境への適応力

これらのスキルを、具体的なエピソードを交えて説明することで、あなたがどの職場でも活躍できる「再現性」の高い人材であることを説得力をもって伝えられます。「前職の〇〇という課題に対し、△△の経験で得た知識を応用して解決しました。この経験から得た課題解決能力は、貴社の〇〇という事業においても必ず活かせると確信しております」といった形で、応募先企業への貢献イメージを明確に示しましょう。

志望動機で入社意欲の高さを示す

採用担当者が最も懸念するのは、「この人もまたすぐに辞めてしまうのではないか」という点です。この懸念を払拭するために、志望動機では「なぜこの会社でなければならないのか」を明確に伝え、「ここで長く働きたい」という強い意志を示す必要があります。

そのためには、徹底した企業研究が不可欠です。企業の事業内容、理念、今後のビジョンなどを深く理解した上で、これまでの経験で培ったスキルがその企業でどのように活かせるのか、そして自分自身がその企業で何を成し遂げたいのかを具体的に語りましょう。「これまでの転職を通じて〇〇というキャリアの軸を模索してきましたが、貴社の△△というビジョンに強く共感し、自身の経験の集大成として貢献したいと強く考えております。これが最後の転職であるという覚悟です」といった熱意を伝えることで、採用担当者の不安を払拭し、入社意欲の高さをアピールできます。

【例文あり】今すぐ使える職務経歴書テンプレート

ここでは、転職回数が多い方が、自身のキャリアを効果的にアピールするための職務経歴書テンプレートと例文をご紹介します。ご自身の状況に合わせてカスタマイズし、採用担当者の心に響く書類を作成しましょう。

ポジティブな転職理由の伝え方 例文集

転職回数が多い場合、採用担当者は「なぜ短期間で辞めてしまったのか」「入社してもまたすぐに辞めるのではないか」という懸念を抱きます。退職理由を伝える際は、ネガティブな表現を避け、前向きな姿勢と将来への意欲を示すことが重要です。以下の例文を参考に、あなた自身の言葉に置き換えてみてください。

よくあるネガティブな退職理由	ポジティブな変換例
人間関係が悪かった	チームで成果を最大化するため、より円滑なコミュニケーションが取れる環境で貢献したいと考えました。
給与・待遇に不満があった	成果が正当に評価され、自身の成長と会社の発展に貢献できる環境で、より高い目標に挑戦したいと考えております。
事業の将来性に不安を感じた	貴社の〇〇という事業の将来性に強く惹かれております。これまでの経験を活かし、成長分野で自身の専門性を高めたいと考えました。
希望の仕事ができなかった	〇〇のスキルを追求し、専門性を高めることがキャリアの目標です。貴社でなら、その目標を実現できると確信しております。

短期間の職歴を効果的に見せる書き方

在籍期間が1年未満など、短期間の職歴は書き方に工夫が必要です。単に事実を羅列するのではなく、その短い期間で何を得て、次にどう活かせるのかを明確に伝えましょう。

ポイント1：得られたスキルや経験を具体的に記述する

たとえ短い期間であっても、何かしらのスキルや経験は得られているはずです。その経験を具体的に記述することで、「無駄な期間ではなかった」ことをアピールできます。

【書き方の例】

（Before）
株式会社〇〇（2023年4月〜2023年9月）
営業部にて法人営業を担当。

（After）
株式会社〇〇（2023年4月〜2023年9月）
【業務内容】IT業界向けの新規法人営業
【実績・経験】
・5ヶ月間で新規顧客を15社開拓。特にSaaS製品の提案資料作成スキルと、顧客の課題をヒアリングする能力を重点的に磨きました。
・短期間でしたが、CRMツール（Salesforce）の基本的な操作を習得しました。

ポイント2：応募職種との関連性を強調する

複数の職歴がある場合、すべてを同じ熱量で書く必要はありません。特応募する職種と関連性の高い経験を厚めに記述し、関連性の低い職歴は簡潔にまとめましょう。これにより、採用担当者はあなたが求めるスキルを持っていることを瞬時に理解できます。

【書き方の例：Webマーケターに応募する場合】

株式会社△△（2022年10月〜2023年8月）
【業務内容】Webメディアのコンテンツ企画・編集
【実績・経験】
・SEOを意識した記事コンテンツを毎月20本以上企画・編集し、担当メディアの月間PV数を半年で150%向上させました。
・Google Analyticsを用いたアクセス解析と、キーワード調査に基づくコンテンツ改善提案を主導しました。

株式会社□□（2022年4月〜2022年9月）
【業務内容】ECサイトの運営アシスタント
【経験】
・商品の受発注管理、顧客対応を担当。

このようにメリハリをつけることで、アピールしたいスキルが明確になり、一貫性のあるキャリアプランを持っている印象を与えることができます。

やってはいけない 転職回数が多い職務経歴書のNG例

転職回数が多いという事実を、さらにネガティブな印象に変えてしまうのが「NGな書き方」です。良かれと思って書いた内容が、実は採用担当者に「採用リスクが高い」と判断される原因になっているかもしれません。ここでは、多くの人が陥りがちな職務経歴書のNG例を2つ紹介します。ご自身の書類と見比べながら、致命的なミスを犯していないか確認しましょう。

言い訳がましい退職理由

採用担当者が最も懸念するのは、「入社しても同じ理由でまたすぐに辞めてしまうのではないか」という点です。退職理由が他責や環境のせいになっていると、「主体性がない」「環境適応能力が低い」といったマイナス評価に直結します。たとえ事実であったとしても、会社の批判や人間関係の不満などをそのまま書くのは絶対に避けるべきです。あくまで「自身の成長のため」というポジティブで前向きな理由に変換して伝えることが重要です。

NG例	改善例
人間関係のトラブルで働きにくくなったため退職しました。	個人の成果が正当に評価される環境で、より高い目標に挑戦したいと考えたためです。
会社の将来性に不安を感じたため、退職を決意しました。	成長市場である貴社の事業に携わり、自身のスキルを活かして貢献したいという思いが強くなりました。
残業が多く、体力的に厳しかったためです。	業務効率化の経験を活かし、より生産性の高い働き方を実現できる環境でキャリアを築きたいと考えています。

職歴の羅列だけで終わっている

転職回数が多い場合、職務経歴が単なる「所属部署と業務内容のリスト」になってしまいがちです。これでは、採用担当者はあなたが「何をしてきたのか」は分かっても、「何ができるのか」「どんな成果を出せるのか」を判断できません。これまでの経験から得たスキルや実績が伝わらなければ、採用するメリットを感じてもらえないでしょう。一社一社の経験は短くとも、そこで何を学び、どのような実績を上げたのかを具体的な数値を用いて示すことが不可欠です。あなたの強みと再現性のあるスキルを明確にアピールしましょう。

NG例	改善例
株式会社△△（2021年4月～2022年3月） 営業部に所属し、法人向けの新規開拓営業を担当。	株式会社△△（2021年4月～2022年3月） 【事業内容】中小企業向け勤怠管理システムの開発・販売 【職務内容】フィールドセールスとして、従業員50名～300名規模の企業様を中心に新規開拓営業に従事。テレアポから商談、クロージングまで一貫して担当しました。 【実績】 ・2021年度下期：目標達成率130%（チーム内1位） ・新規契約獲得数：15件/月（チーム平均10件）

これらのNG例を避けるだけで、職務経歴書から受ける印象は大きく変わります。採用担当者の懸念を払拭し、「会ってみたい」と思わせる書類作成を心がけましょう。

職務経歴書とあわせて準備すべきこと

素晴らしい職務経歴書が完成しても、それだけで転職活動が終わるわけではありません。特に転職回数が多い場合、書類選考を通過した後の面接で、採用担当者は経歴の背景にある「あなた」という人物を深く知ろうとします。職務経歴書の内容と面接での発言に一貫性を持たせ、採用担当者の懸念を払拭するために、以下の2点を必ず準備しておきましょう。

面接での伝え方を想定しておく

職務経歴書は、いわば面接への「招待状」です。書類に書かれた内容について、面接ではより具体的な質問が投げかけられることを想定し、回答を準備しておくことが不可欠です。転職回数の多さというウィークポイントを、あなたの強みや熱意でカバーするための重要なステップとなります。

想定問答集で一貫性のあるストーリーを準備する

面接官は、あなたの転職理由やキャリアプランに一貫性があるかを見ています。職務経歴書に記載した内容を元に、さらに深掘りされた質問に答えられるよう、自分だけの想定問答集を作成しましょう。特に、転職回数が多い場合に頻出する質問への回答は、ポジティブかつロジカルに組み立てることが重要です。

想定される質問	回答のポイント
なぜ転職回数が多くなったのですか？	キャリアアップやスキル習得など、一貫した目的があったことを具体的に説明します。「様々な環境で経験を積むことで、〇〇という専門性を高めてきました」のように、ポジティブなストーリーとして語れるように準備します。
短期間で退職されたご経歴がありますが、理由は何ですか？	やむを得ない事情があった場合は簡潔に事実を伝え、他責にしない姿勢が大切です。その経験から何を学び、次にどう活かそうとしているのか、前向きな視点を加えることで、学習能力の高さを示せます。
弊社では長く働いていただけますか？	「腰を据えて貢献したい」という強い意志を伝えることが重要です。これまでの経験が応募企業でどのように活かせるのかを具体的に述べ、「御社でこそ、私のキャリアプランが実現できると確信しています」と、入社意欲の高さをアピールしましょう。

転職エージェントの活用も検討しよう

転職回数の多さに不安を感じるなら、転職のプロである転職エージェントを頼るのも有効な手段です。客観的な視点からあなたをサポートし、一人では難しい企業とのコミュニケーションを円滑に進めてくれます。

プロによる書類添削と面接対策

多くの転職者を見てきたキャリアアドバイザーが、あなたの職務経歴書を添削してくれます。採用担当者に響くアピール方法や、懸念されがちな点の伝え方など、プロならではの具体的なアドバイスをもらえるでしょう。また、模擬面接を通じて、本番での受け答えをブラッシュアップすることも可能です。

企業への推薦で懸念点を払拭

転職エージェントは、求人企業に対してあなたの推薦状を提出してくれることがあります。そこでは、職務経歴書だけでは伝わらないあなたの強みや人柄、入社意欲などをプッシュしてくれます。転職回数の多さという懸念点についても、事前にエージェントから企業へ補足説明をしてもらうことで、書類選考の通過率を高める効果が期待できます。

非公開求人とのマッチング

転職エージェントは、一般には公開されていない「非公開求人」を多数保有しています。中には、経歴の回数よりもスキルや経験を重視する企業や、特定のポジションを急募している企業の求人もあります。あなたのキャリアプランや強みを理解した上で、最適な求人を紹介してもらえるため、効率的に転職活動を進めることができます。

まとめ

転職回数が多いことは、必ずしも選考で不利になるわけではありません。採用担当者が懸念する「定着性」や「キャリアの一貫性」といったポイントを理解し、それを払拭する職務経歴書を作成できれば、むしろ豊富な経験や高い適応能力を持つ人材として評価される可能性があります。

重要なのは、職歴をただ羅列するのではなく、職務要約でキャリアの軸を示し、各職務経歴では具体的な実績を数字で語ることです。そして、自己PRで再現性のあるスキルを、志望動機で「長く貢献したい」という熱意を伝えることで、採用担当者の不安を払拭し、入社意欲の高さをアピールできます。

この記事で紹介した書き方のポイントや例文を参考に、あなたの経験が持つ価値を最大限に伝える職務経歴書を作成してください。一人で進めるのが不安な場合は、転職エージェントのようなプロの力を借りるのも有効な手段です。あなたのこれまでのキャリアを強みに変え、希望の転職を実現させましょう。