職務経歴書のサンプルやテンプレートをお探しですか?
この記事では、WordやExcelですぐに使えるテンプレートを無料でダウンロードできるだけでなく、営業・ITエンジニア・事務職など職種別の豊富なサンプルと書き方のポイントをプロが解説します。
職務要約から自己PRまで、採用担当者に響く書類作成の秘訣が満載です。
この記事のノウハウを実践すれば、あなたの経歴の価値を最大限に引き出し、書類選考の通過率を飛躍的に高めることができます。
【無料ダウンロード】すぐに使える職務経歴書テンプレート Word/Excel対応

転職活動の第一歩は、応募書類の準備から始まります。特に職務経歴書は、これまでのあなたのキャリアやスキルをアピールするための最重要書類です。
ここでは、書類選考の通過率を高めるために、様々な状況や職種に対応できる3種類の職務経歴書テンプレートをご用意しました。すべて無料でダウンロードでき、Microsoft WordとExcelの両形式に対応しています。ご自身の経歴や応募する企業に合わせて最適なフォーマットを選び、効率的に書類作成を進めましょう。
シンプルな標準フォーマットのテンプレート
初めて職務経歴書を作成する方や、どのフォーマットを使えばよいか迷っている方におすすめなのが、このシンプルな標準フォーマットです。時系列に沿って職歴を記述する「編年体式」と呼ばれる形式で、採用担当者が最も見慣れているため、経歴をスムーズに理解してもらいやすいというメリットがあります。幅広い業界・職種に対応できる汎用性の高さが魅力です。
項目 | 内容 |
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形式 | 編年体式(経験した時系列順) |
特徴 | キャリアの変遷が分かりやすく、採用担当者が最も慣れ親しんだ形式。汎用性が高く、どんな職種にも応用可能。 |
おすすめの人 |
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対応ファイル | Word (.docx), Excel (.xlsx) |
【Word形式】シンプルな標準フォーマットをダウンロード
【Excel形式】シンプルな標準フォーマットをダウンロード
実績をアピールしやすいフォーマットのテンプレート
営業職や企画職、マーケティング職など、具体的な数値実績をアピールしたい方に最適なフォーマットです。最新の職歴から順に記述していく「逆編年体式」をベースにしており、直近の業務内容や成果を最初に伝えることで、即戦力であることを強く印象付けられます。各経歴の中で「主な業務内容」と「実績・成果」を明確に分けて記載する欄を設けているため、アピールポイントが伝わりやすい構成になっています。
項目 | 内容 |
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形式 | 逆編年体式(新しい経験から遡る形式) |
特徴 | 最新のスキルや実績を最初にアピールできるため、即戦力性を強調したい場合に有効。具体的な数値を交えて成果を伝えやすい。 |
おすすめの人 |
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対応ファイル | Word (.docx), Excel (.xlsx) |
【Word形式】実績をアピールしやすいフォーマットをダウンロード
【Excel形式】実績をアピールしやすいフォーマットをダウンロード
キャリア式フォーマットのテンプレート
専門職や技術職の方、または転職回数が多い方や経歴にブランクがある方におすすめなのが「キャリア式(職能別)」フォーマットです。この形式は時系列ではなく、「〇〇のスキル」「△△の業務経験」といったように、経験やスキル分野ごとに職務内容をまとめて記述します。これにより、特定の専門性やポータブルスキルを一貫してアピールすることが可能です。時系列が重視されないため、ブランク期間や転職回数の多さを目立たなくさせる効果も期待できます。
項目 | 内容 |
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形式 | キャリア式(職能別形式) |
特徴 | 時系列ではなく、スキルや職務内容ごとに経歴をまとめる形式。専門性や特定のスキルを強調するのに適している。 |
おすすめの人 |
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対応ファイル | Word (.docx), Excel (.xlsx) |
【Word形式】キャリア式フォーマットをダウンロード
【Excel形式】キャリア式フォーマットをダウンロード
【職種別】職務経歴書サンプルと書き方のポイント
職務経歴書は、応募する職種に合わせて内容を最適化することが、書類選考を通過するための鍵となります。採用担当者は、その職種で求められるスキルや経験を持っているか、即戦力として活躍できるかを判断しています。
ここでは、主要な4つの職種について、評価されるポイントと具体的な職務経歴書のサンプル(例文)を紹介します。ご自身の経歴に合わせてカスタマイズし、魅力的な職務経歴書を作成しましょう。
営業職の職務経歴書サンプル
営業職の職務経歴書で最も重要なのは「実績」です。売上高、目標達成率、新規顧客獲得数など、具体的な数値を必ず記載しましょう。どのような市場で、誰に対して、何を、どのように販売し、どのような成果を上げたのかを明確に伝えることがポイントです。また、目標達成のために工夫した点や、顧客との関係構築能力、課題解決能力などもアピールできると評価が高まります。
書き方のポイント
- 実績は具体的な数字で示す:「売上目標120%達成」「新規開拓社数〇〇社」「担当エリア内シェアNo.1獲得」など、誰が見ても成果がわかるように記述します。
- プロセスを明確にする:どのような戦略や工夫で成果を出したのか、具体的な行動を記述することで、再現性のあるスキルを持っていることをアピールします。
- 再現性をアピールする:培った営業スキルやノウハウが、応募先企業でも活かせることを示唆します。
営業職のサンプル(例文)
【職務要約】
株式会社〇〇商事にて、法人向けクラウドサービスの新規開拓営業として5年間従事してまいりました。主に中小企業を対象に、課題ヒアリングからソリューション提案、導入後のフォローまで一貫して担当。常に顧客の課題解決を第一に考えた提案を心がけ、4年連続で売上目標120%以上を達成しました。特に、既存顧客へのアップセル・クロスセルを得意としており、顧客単価の向上に貢献してまいりました。この経験で培った課題発見力と提案力を活かし、貴社の事業拡大に貢献したいと考えております。
【職務経歴】
20XX年4月~現在 株式会社〇〇商事
期間 | 業務内容 |
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20XX年4月~現在 | 事業内容:法人向けクラウドサービスの開発・販売 資本金:1億円 従業員数:300名 所属:営業部 第1課(メンバー5名) 【業務内容】
【実績】
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【活かせる経験・スキル】
- 法人向け無形商材の新規開拓営業経験(5年)
- 課題解決型のソリューション提案力
- Salesforce、kintoneなどのSFA/CRMツールの使用経験
- PCスキル(Word、Excelでの資料作成、PowerPointでのプレゼンテーション)
【自己PR】
私の強みは、顧客の潜在的な課題を引き出し、解決策を提示する「課題発見力」と「提案力」です。現職では、単に製品を売り込むのではなく、顧客の事業内容や業務フローを深く理解することから始めました。その上で、自社サービスを導入することで「どのような業務が効率化され、どのような利益が生まれるか」を具体的な数値で示しながら提案することで、多くの顧客から信頼を獲得し、4年連続の目標達成に繋げることができました。この経験を活かし、貴社の〇〇(製品・サービス名)をより多くの企業に届け、顧客と貴社の双方の成長に貢献してまいります。
ITエンジニア・技術職の職務経歴書サンプル
ITエンジニア・技術職の職務経歴書では、どのようなプロジェクトで、どのような役割を担い、どのような技術を使ってきたのかを具体的に記述することが不可欠です。担当したフェーズ(要件定義、設計、開発、テスト、運用保守など)やプロジェクトの規模(人数、期間)、自身の貢献度を明確にしましょう。技術スキルについては、言語、フレームワーク、データベース、OS、クラウド環境などを網羅的に記載することで、スキルレベルを正確に伝えることができます。
書き方のポイント
- プロジェクト概要を明確に:関わったプロジェクトの目的、規模、期間、体制などを具体的に記述します。
- 担当業務と役割を具体的に:担当フェーズ(要件定義、基本設計、詳細設計、実装、テストなど)と、チーム内での役割(リーダー、サブリーダー、メンバーなど)を明記します。
- 使用技術を網羅的に記載する:言語、フレームワーク、DB、OS、クラウド、ツールなどを正確に記述し、スキルの幅と深さを示します。
ITエンジニア・技術職のサンプル(例文)
【職務要約】
Webアプリケーションエンジニアとして5年間、主にECサイトや業務システムの開発に携わってまいりました。Java、PHPを用いたサーバーサイド開発を得意とし、要件定義から設計、開発、テスト、運用まで一貫した経験がございます。特に、大規模ECサイトのリニューアルプロジェクトでは、サブリーダーとしてメンバー3名の進捗管理を担当し、フレームワークの刷新によるパフォーマンス改善を実現しました。今後は、これまでの開発経験を活かし、貴社のサービス開発に貢献したいと考えております。
【職務経歴】
20XX年4月~現在 株式会社テックソリューション
期間 | プロジェクト概要・業務内容 |
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20XX年1月~現在 | [プロジェクト名] 大手アパレルECサイト リニューアルプロジェクト [概要] 既存ECサイトの老朽化したシステム刷新と、UI/UX改善による売上向上を目的としたリニューアル。 [役割] 開発サブリーダー(メンバー3名) [担当フェーズ] 基本設計、詳細設計、実装、コードレビュー、結合テスト [開発環境]
[業務内容・実績]
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20XX年4月~20XX年12月 | [プロジェクト名] 〇〇銀行向け 顧客管理システム開発 [概要] 既存の顧客管理システムをWebシステム化するプロジェクト。 [役割] プログラマー [担当フェーズ] 詳細設計、実装、単体テスト [開発環境]
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【活かせる経験・スキル】
■テクニカルスキル
- 言語:Java, PHP, JavaScript, Python, SQL
- フレームワーク:Spring Boot, Laravel, Vue.js, jQuery
- データベース:MySQL, PostgreSQL, Oracle
- インフラ:AWS(EC2, S3, RDS, Lambdaの基本的な知識・構築経験), Docker
- OS:Linux, Windows
- ツール:Git, Jenkins, Backlog, Slack
【自己PR】
新しい技術を積極的に学習し、業務に活かす姿勢を大切にしています。現職のECサイトリニューアルプロジェクトでは、パフォーマンス改善のために新しいフレームワークであるSpring Bootの導入を提案し、採用されました。導入にあたり、自身で技術検証や学習を行い、チーム内にナレッジを共有することで、スムーズな開発移行を実現しました。結果として、サイトの表示速度を大幅に改善し、売上向上に貢献できたと考えております。貴社においても、常に技術トレンドをキャッチアップし、サービスの品質向上と事業の成長に貢献できるエンジニアでありたいと考えております。
事務職・アシスタント職の職務経歴書サンプル
事務職・アシスタント職では、業務の正確性、迅速性、そして業務改善への意欲が評価されます。担当していた業務内容を具体的に記述するとともに、どのような工夫をして業務を効率化したのか、ミスを減らしたのかといったエピソードを盛り込むと効果的です。また、Word、Excel、PowerPointなどのPCスキルは、どのレベルで使いこなせるのか(例:ExcelであればVLOOKUP関数やピボットテーブルが使えるなど)を明記すると、スキルの客観的な証明になります。
書き方のポイント
- 担当業務を具体的に記述する:「書類作成」「電話応対」だけでなく、「〇〇に関する請求書・見積書の作成」「月間平均〇〇件の電話・メール応対」のように具体的に書きます。
- 業務改善の実績をアピールする:マニュアル作成、フォーマット統一、RPA導入支援など、業務効率化やコスト削減に貢献した経験を数値で示します。
- PCスキルを詳細に記載する:使用できるソフト名だけでなく、どの機能を使えるかまで具体的に記述します。(例:Excel:VLOOKUP、IF関数、ピボットテーブル、マクロ作成)
事務職・アシスタント職のサンプル(例文)
【職務要約】
株式会社△△製作所にて、営業事務として5年間勤務し、受発注管理、請求書発行、売上データ集計などを担当してまいりました。Excelのマクロや関数を活用して定型業務の自動化を進め、部署全体の月間残業時間を10%削減することに貢献しました。常に先を読んで行動し、営業担当者が本来の業務に集中できる環境を作ることを心がけてきました。この経験で培った正確な事務処理能力と業務改善スキルを活かし、貴社に貢献したいと考えております。
【職務経歴】
20XX年4月~現在 株式会社△△製作所
期間 | 業務内容 |
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20XX年4月~現在 | 事業内容:電子部品の製造・販売 資本金:5,000万円 従業員数:150名 所属:営業部 営業サポート課(5名) 【業務内容】
【業務改善の実績】
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【活かせる経験・スキル】
■PCスキル
- Word:ビジネス文書作成、差込印刷、表作成
- Excel:VLOOKUP・IF等の各種関数、ピボットテーブル、グラフ作成、マクロ(記録・簡単な編集)
- PowerPoint:プレゼンテーション資料作成、図形・グラフの挿入、アニメーション設定
- その他:会計ソフトfreeeの使用経験(1年)
■その他
- 日商簿記検定3級
- 秘書検定2級
【自己PR】
私の強みは、課題を見つけて改善する「主体性」です。現職では、毎月手作業で行っていた売上データの集計作業に時間がかかり、ミスが発生しやすいという課題がありました。そこで、Excelの関数やピボットテーブルを活用した集計フォーマットを独自に作成し、作業の自動化を提案しました。その結果、作業時間は従来の3分の1に短縮され、入力ミスもなくなりました。このように、日々の業務に漫然と取り組むのではなく、常に「もっと効率的にできないか」と考え、行動に移すことができます。貴社においても、正確かつ迅速な事務処理はもちろんのこと、業務改善の視点から組織に貢献してまいります。
販売・サービス職の職務経歴書サンプル
販売・サービス職の職務経歴書では、売上実績はもちろんのこと、顧客満足度向上のための取り組みや、店舗運営への貢献(後輩育成、在庫管理、VMDなど)をアピールすることが重要です。個人の売上だけでなく、店舗全体の目標達成にどう貢献したかを具体的に示しましょう。また、お客様とのエピソードを交えながら、自身の接客スタイルやホスピタリティを伝えることで、人柄や仕事への姿勢を効果的にアピールできます。
書き方のポイント
- 売上実績を具体的に示す:個人売上や店舗売上の目標達成率、客単価、セット率などを数値で示します。
- 顧客満足度向上の取り組みをアピールする:リピーター獲得のための工夫、顧客からの感謝の言葉、顧客満足度アンケートの結果などを記述します。
- 店舗運営への貢献を記述する:VMD(ビジュアルマーチャンダイジング)の改善、在庫管理、新人スタッフの教育など、売上以外の貢献もアピールします。
販売・サービス職のサンプル(例文)
【職務要約】
株式会社セレクトスタイルが運営するレディースアパレルブランド「〇〇」にて、販売スタッフとして4年間勤務してまいりました。個人売上目標を3年連続で達成し、20XX年には店舗のサブ店長に就任。スタッフの育成やVMDにも携わり、店舗売上の前年比110%達成に貢献しました。お客様一人ひとりに寄り添った丁寧な接客を心がけ、多くの顧客さまからご指名をいただいております。この経験で培った販売スキルと店舗マネジメントの視点を活かし、貴ブランドの発展に貢献したいと考えております。
【職務経歴】
20XX年4月~現在 株式会社セレクトスタイル
期間 | 業務内容 |
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20XX年4月~現在 | 店舗:レディースアパレル「〇〇」新宿ルミネ店 役職:サブ店長(20XX年4月~) 店舗規模:スタッフ10名 【業務内容】
【実績】
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【活かせる経験・スキル】
- アパレル製品の販売経験(4年)
- 店舗マネジメント経験(サブ店長として1年)
- VMD(ビジュアルマーチャンダイジング)の知識・実践経験
- 新人スタッフの育成・指導経験
- PCスキル(Word、Excelでの売上レポート作成、PowerPointでのスタッフ向け資料作成)
【自己PR】
私の強みは、お客様のニーズを深く理解し、期待を超える提案ができる「傾聴力」と「提案力」です。お客様との何気ない会話からライフスタイルや好みを把握し、潜在的なニーズに合ったコーディネートを提案することを常に心がけています。その結果、多くのお客様から「〇〇さんに選んでもらいたい」とご指名をいただけるようになり、店舗のリピート率向上に大きく貢献することができました。また、サブ店長としては、個々のスタッフの強みを活かした役割分担や、成功事例を共有するミーティングを企画し、チーム全体の接客スキル向上とモチベーションアップに努めました。貴社でも、お客様に最高の購買体験を提供するとともに、チーム全体のパフォーマンス向上に貢献していきたいと考えております。
採用担当者に響く!職務経歴書の書き方
職務経歴書は、あなたのビジネススキルと実績を伝えるための重要なプレゼンテーション資料です。採用担当者は毎日多くの書類に目を通しており、一目で「会ってみたい」と思わせる工夫が不可欠です。
ここでは、数多くの応募書類の中からあなたの職務経歴書を際立たせ、書類選考の通過率を劇的に高めるための具体的な書き方のポイントを4つの要素に分けて徹底解説します。
職務要約は3行で実績を伝える
職務要約は、採用担当者が最初に目にする最重要項目です。ここで興味を引けなければ、その先の詳細を読んでもらえない可能性すらあります。多忙な採用担当者でも瞬時にあなたの価値を理解できるよう、これまでのキャリアと強みを3〜5行程度で簡潔にまとめましょう。
職務要約に盛り込むべき要素は以下の3つです。
- キャリアの概要:どのような業界で、どのような職種を、何年経験してきたのかを簡潔に記述します。
- 具体的な実績・スキル:最もアピールしたい実績を、具体的な数字を用いて示します。専門性や得意分野もここで触れておくと効果的です。
- 入社後の貢献意欲:自身の経験やスキルを活かして、応募先企業でどのように貢献したいかを述べ、熱意を伝えます。
以下の良い例と悪い例を比較して、その違いを確認してみましょう。
項目 | 悪い例(NG例) | 良い例(OK例) |
---|---|---|
具体性 | 大学卒業後、IT企業で営業として5年間勤務しました。法人営業を担当し、顧客との良好な関係構築に努めてきました。コミュニケーション能力には自信があります。 | 大学卒業後、株式会社〇〇にて5年間、法人向けSaaS製品の新規開拓営業に従事。担当エリアの顧客との関係構築に注力し、2023年度には売上目標150%を達成。この経験で培った課題解決型の提案力を活かし、貴社の事業拡大に貢献したいと考えております。 |
ポイント | どのような実績を上げたのかが不明で、人物像が伝わりません。抽象的な表現が多く、他の応募者との差別化が困難です。 | 「SaaS製品」「新規開拓営業」「売上目標150%達成」といった具体的なキーワードと数字により、スキルレベルと実績が明確に伝わります。入社後の貢献意欲も示せています。 |
職務経歴は具体的な数字で説得力を持たせる
職務経歴欄は、あなたの業務経験と実績を具体的に示すセクションです。「頑張りました」「貢献しました」といった主観的で曖昧な表現は避け、誰が読んでも客観的に評価できる「数字」を積極的に用いることが重要です。数字はあなたの実績に説得力と信頼性を与える強力な武器となります。
職務経歴を記述する際は、以下の点を意識してください。
- 担当業務を箇条書きで分かりやすく:所属部署、役職、在籍期間を明記の上、担当した業務内容を箇条書きで整理します。
- 実績を数字で示す:売上高、目標達成率、顧客獲得数、コスト削減率、業務効率化の時間など、定量的に表現できるものはすべて数字に落とし込みます。
- 再現性を意識させる:どのような工夫や行動(Action)によって、その成果(Result)を上げたのかを具体的に記述することで、入社後も同様の活躍が期待できる「再現性のあるスキル」を持っていることをアピールできます。
数字を用いた表現の具体例
抽象的な表現 | 数字を用いた具体的な表現 |
---|---|
売上向上に貢献しました。 | 新規顧客を〇〇件開拓し、チームの売上を前年比120%に向上させました。 |
業務を効率化しました。 | RPAツールを導入し、月間20時間の定型業務を自動化、人件費を年間〇〇万円削減しました。 |
Webサイトの改善を行いました。 | WebサイトのUI/UX改善プロジェクトを主導し、直帰率を15%改善、コンバージョン率を1.3倍に引き上げました。 |
チームのマネジメントを行いました。 | リーダーとして5名のメンバーをマネジメントし、プロジェクトを納期通りに完遂させました。 |
活かせる経験・スキル欄の書き方
この欄では、職務経歴で示した経験をさらに整理し、応募職種で直接的に活かせるスキルを分かりやすくアピールします。採用担当者が求めるスキルとあなたのスキルが合致していることを明確に示し、「即戦力」として活躍できる人材であることを印象付けましょう。箇条書きを用いて、見やすく整理するのがポイントです。
PCスキル
Word、Excel、PowerPointなどの基本的なOfficeソフトは、単に「使用可能」と書くだけでなく、どのレベルまで使いこなせるかを具体的に記述します。応募職種で求められるレベルを想定して記載しましょう。
- Word: 報告書・契約書作成、差込印刷機能の活用
- Excel: VLOOKUP・IF関数、ピボットテーブルを用いたデータ集計・分析、マクロ(VBA)による業務自動化
- PowerPoint: 顧客向け提案資料の作成、アニメーション機能を用いたプレゼンテーション
語学スキル
語学力をアピールする場合は、TOEICやTOEFLなどのスコアを明記します。スコアだけでなく、ビジネスシーンでの具体的な使用経験(海外企業とのメール対応、英語での電話会議、英文契約書の読解など)を補足すると、より実践的なスキルとして評価されやすくなります。
- 英語: TOEIC 850点(ビジネスレベル)。海外支社との定例会議(TV会議)でのファシリテーション、英文での技術仕様書の作成経験あり。
資格・専門スキル
応募職種に直接関連する資格や専門スキルを優先的に記載します。取得年月日も忘れずに明記しましょう。複数の資格を持っている場合は、関連性の高いものから順に並べます。
- 日商簿記検定2級(2021年11月取得)
- 基本情報技術者試験(2022年4月取得)
- 普通自動車第一種運転免許(2018年3月取得)
自己PRで貢献意欲をアピールする
自己PRは、職務経歴だけでは伝えきれないあなたの強みや仕事に対する姿勢、そして「なぜこの会社で働きたいのか」という熱意を伝えるための項目です。これまでの経験を応募先企業でどのように活かし、貢献できるのかを具体的に示しましょう。
効果的な自己PRを作成するための構成は以下の通りです。
- 結論(あなたの強み):まず最初に、自分の最もアピールしたい強みを「私の強みは〇〇です」と明確に述べます。
- 具体例(裏付けとなるエピソード):その強みが発揮された具体的なエピソードを職務経歴の中から引用します。どのような課題に対し、どのように考え、行動し、どのような結果を出したのかを簡潔に説明します。
- 貢献(入社後の活かし方):最後に、その強みを活かして、応募先企業でどのように貢献していきたいかを具体的に述べ、締めくくります。企業の事業内容や求める人物像と結びつけることが重要です。
【自己PRの例文(営業職の場合)】
私の強みは、顧客の潜在的なニーズを的確に捉え、課題解決に繋げる「提案力」です。前職のSaaS製品の営業では、単に製品を売り込むのではなく、顧客の業務フローを徹底的にヒアリングし、製品導入による具体的な業務効率化のシミュレーションを提示することを心がけてきました。その結果、あるクライアントからは「自社でも気づいていなかった課題を発見できた」と評価いただき、競合他社とのコンペで受注を勝ち取り、2023年度の売上目標150%達成に繋げることができました。
この経験で培った課題発見・解決能力を活かし、貴社の〇〇事業においても顧客との強固な信頼関係を築き、事業拡大に貢献できると確信しております。

【状況別】職務経歴書の書き方サンプルと注意点
転職活動における経歴は人それぞれです。未経験の職種への挑戦、転職回数の多さ、あるいは経歴上のブランクなど、一見すると不利に思える状況でも、職務経歴書の書き方次第で採用担当者に好印象を与えることが可能です。
ここでは、応募者の状況別に、強みを最大限にアピールするための書き方サンプルと注意点を詳しく解説します。
未経験職種に応募する場合のサンプル
実務経験がない未経験職種への応募では、「ポータブルスキル(持ち運び可能なスキル)」と「学習意欲」をアピールすることが重要です。これまでの経験の中から、応募職種でも活かせるスキルを抽出し、入社後に貢献できる人材であることを具体的に示しましょう。
書き方のポイント
- ポータブルスキルを強調する: 前職で培ったコミュニケーション能力、課題解決能力、プロジェクト管理能力、PCスキルなどを「活かせる経験・スキル」欄で具体的にアピールします。
- 親和性の高い経験を具体的に記述する: 例えば、営業職からマーケティング職へ応募する場合、「顧客データの分析を通じて、次のアプローチ戦略を立案した経験」など、応募職種と関連性の高い業務経験を強調します。
- 熱意と学習意欲を示す: 応募職種に関連する資格の取得やセミナーへの参加、独学で学んでいることなどを記載し、主体的にスキルを習得する姿勢をアピールします。自己PR欄で志望動機と絡めて述べると効果的です。
【例文】活かせる経験・スキル
■ PCスキル
・Word:報告書、議事録、提案資料の作成
・Excel:関数(VLOOKUP, IF)、ピボットテーブルを用いた売上データ集計・分析
・PowerPoint:顧客向けプレゼンテーション資料の作成(図解やグラフの挿入)
■ 課題解決能力
前職の営業活動において、顧客の潜在的なニーズをヒアリングし、自社サービスの特性と結びつけたソリューション提案を50件以上実施。その結果、担当エリアの売上を前年比120%に向上させました。この経験で培った課題発見力と解決策の立案能力は、貴社の企画職においても顧客満足度の高いサービス開発に貢献できると考えております。
注意点
OKな書き方 | NGな書き方 |
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応募職種で活かせる経験やスキルを具体的に記述する。 | 「未経験ですが、やる気はあります」といった抽象的な表現に終始する。 |
なぜその職種に挑戦したいのか、前向きな理由を明確にする。 | 前職への不満など、ネガティブな転職理由を記載する。 |
転職回数が多い場合のサンプル
転職回数が多い場合、採用担当者は「すぐに辞めてしまうのではないか」「一貫性がないのではないか」という懸念を抱きがちです。これらの不安を払拭するため、これまでの経験に一貫した「軸」があること、そして転職を通じて着実にスキルアップしてきたことを示す必要があります。
書き方のポイント
- キャリア式フォーマットを活用する: 時系列で記述する編年体式ではなく、経験やスキルごとに経歴をまとめるキャリア式フォーマットが有効です。例えば「法人営業」「プロジェクトマネジメント」といった項目を立て、関連する経験を複数の会社から抜粋してまとめます。
- 一貫したキャリアの軸を伝える: 職務要約や自己PRで、「〇〇の専門性を高めるため」「より上流の工程に携わるため」など、転職の背景にある一貫した目的やキャリアプランを明確に示します。
- 各社での実績を数字で示す: 在籍期間の長短にかかわらず、各社でどのような成果を上げたのかを具体的な数字を用いて示し、貢献度の高さをアピールします。
【例文】職務経歴(キャリア式)
■ 法人向けソリューション営業(2015年4月~現在)
株式会社〇〇(2020年4月~現在)
・業務内容:中小企業向けクラウド型会計システムの新規開拓営業
・実績:
- 2022年度:売上目標130%達成(チーム内1位/10人)
- 新規顧客獲得数:年間60社
株式会社△△(2015年4月~2020年3月)
・業務内容:大手企業向け勤怠管理システムのルート営業およびアップセル提案
・実績:
- 既存顧客への追加提案により、担当アカウントのLTV(顧客生涯価値)を平均150%向上
注意点
OKな書き方 | NGな書き方 |
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転職を通じて得たスキルや経験の繋がりを明確にする。 | ただ職歴を羅列し、一貫性のなさを感じさせてしまう。 |
短期間で退職した企業についても、得られた経験をポジティブに記述する。 | 短期間の職歴を省略する(経歴詐称とみなされるリスクがあります)。 |
経歴にブランクがある場合のサンプル
病気療養、介護、育児、留学、資格取得の勉強など、様々な理由で経歴にブランク(空白期間)が生じることがあります。採用担当者の「業務勘は鈍っていないか」「就業意欲は高いか」といった懸念に対し、ブランク期間をポジティブに説明し、働く意欲が高いことを示すことが重要です。
書き方のポイント
- ブランクの理由を簡潔に説明する: 職務経歴の時系列の中に、ブランク期間とその理由(例:「2021年4月~2022年3月 育児のため休職」)を簡潔に記載します。家庭の事情など、詳細を書きにくい場合は「一身上の都合により」としても構いません。面接で質問された際に、誠実に答えられるように準備しておきましょう。
- ブランク期間中の取り組みをアピールする: 応募職種に関連するスキルアップのために行っていたことを具体的に記載します。例えば、「Webデザインのオンライン講座を受講」「TOEICスコア〇〇点取得」「日商簿記2級の資格取得」など、ブランクを無駄にしなかった姿勢をアピールします。
- 働く意欲と貢献への自信を示す: 自己PR欄で、ブランクの理由となった問題が解決しており、現在は業務に支障がないことを伝えます。その上で、ブランク前の経験とブランク中に得た知識を活かして、企業に貢献したいという強い意欲を示しましょう。
【例文】職務経歴
2018年4月~2021年3月 株式会社〇〇 経理部
(月次・年次決算業務、請求書発行、経費精算などを担当)
2021年4月~2022年9月
家族の介護に専念するため退職。介護の傍ら、クラウド会計ソフトの知識習得や、日商簿記2級の資格取得に励んでおりました。現在は介護の必要がなくなり、フルタイムでの就業が可能な状況です。
注意点
OKな書き方 | NGな書き方 |
---|---|
ブランクの理由と、その期間中の前向きな取り組みを記載する。 | ブランク期間について一切触れず、経歴の空白を作ってしまう。 |
現在は就業に支障がないことを明確に伝える。 | 理由を長々と書き、言い訳がましい印象を与える。 |
そもそも職務経歴書とは?履歴書との違いを解説

転職活動を始めると、必ずと言っていいほど提出を求められる「職務経歴書」と「履歴書」。両者は似ているようで、その役割や目的は全く異なります。この違いを正しく理解することが、採用担当者に響く応募書類を作成するための第一歩です。
ここでは、それぞれの書類の役割と違いを分かりやすく解説します。
職務経歴書の役割とは?あなたの「実務能力」を伝えるプレゼン資料
職務経歴書は、これまでの業務経験や実績、培ってきたスキルを具体的に示し、自身が企業の求める人材であることをアピールするための書類です。採用担当者は職務経歴書を通して、「応募者が入社後にどのような活躍をしてくれるか」「自社の戦力となり得るか」といった実務能力やポテンシャルを判断します。
決まったフォーマットはなく、これまでのキャリアをどのように見せるかを自分で構成できる自由度の高さが特徴です。そのため、単なる経歴の羅列ではなく、自分の強みを効果的に伝えるための「プレゼンテーション資料」と捉えることが重要です。具体的な業務内容や実績を数字を用いて示すことで、あなたのビジネスパーソンとしての価値を客観的に証明する役割を担います。
履歴書の役割とは?あなたの「基本情報」を伝える公的書類
一方、履歴書は、氏名、年齢、住所、連絡先、学歴、職歴といった応募者の基本的なプロフィールを、企業側が正確に把握するための書類です。JIS規格のフォーマットが広く使われていることからも分かるように、公的な性格が強く、応募者が募集要項の条件を満たしているかなどを確認する一次的なスクリーニングの役割を果たします。
採用担当者は履歴書から、あなたの経歴の概要や人柄、基本的なPCスキル(丁寧な作成から判断されることもあります)などを読み取ります。職務経歴書が「何を成し遂げてきたか(実績)」を伝えるのに対し、履歴書は「どのような経歴を歩んできたか(事実)」を伝えるための書類と理解すると良いでしょう。
一目でわかる!職務経歴書と履歴書の比較表
職務経歴書と履歴書の主な違いを以下の表にまとめました。それぞれの特徴を把握し、目的に応じた書類作成を心がけましょう。
項目 | 職務経歴書 | 履歴書 |
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目的・役割 | 実務能力やスキル、実績を伝え、即戦力であることをアピールする | 応募者の氏名、学歴、職歴などの基本情報を正確に伝える |
採用担当者の視点 | 「何ができるのか」「どんな実績があるのか」「入社後どう貢献できるか」を知りたい | 「どんな人か」「経歴に間違いはないか」「募集条件に合っているか」を確認したい |
書式・フォーマット | 決まった形式はなく自由。パソコンでの作成が一般的(A4サイズ1〜2枚程度) | JIS規格などの市販・ダウンロード様式が一般的。手書き・パソコン作成どちらもあり(A4またはB5サイズ2枚) |
主な記載内容 | 職務要約、職務経歴(担当業務、役割、実績)、活かせる経験・スキル、自己PRなど | 基本情報(氏名、住所など)、学歴、職歴、免許・資格、志望動機、本人希望欄など |
重要視される点 | 具体性、客観性(実績の数値化)、プレゼンテーション能力 | 正確性、網羅性、丁寧さ |
なぜ両方提出する必要があるのか?
では、なぜ企業はこれら2種類の書類の提出を求めるのでしょうか。それは、採用担当者が異なる視点で応募者を多角的に評価するためです。
まず、採用担当者は履歴書に目を通し、応募者の年齢や学歴、職歴の概要といった基本的なプロフィールを確認します。ここで、募集しているポジションの必須条件と合致しているかを判断します。いわば、選考の「入口」となる書類です。
次に、履歴書で基本的な条件をクリアした応募者について、職務経歴書を読み込みます。ここでは、「これまでの経験でどのようなスキルを身につけ、どんな実績を上げてきたのか」「その経験を自社でどう活かせるのか」といった、より詳細な実務能力を評価します。職務経歴書は、面接で候補者の話を深く聞きたいかどうかを判断するための重要な材料となるのです。
このように、履歴書で「応募者の全体像」を把握し、職務経歴書で「専門性や実績」を深掘りするという、二段階の評価を行うために両方の書類が必要とされています。それぞれの役割を理解し、内容に一貫性を持たせながらも、それぞれの目的に沿った情報を的確に記載することが、書類選考を通過する上で非常に重要です。
まとめ
本記事では、書類選考の通過率を高める職務経歴書のテンプレートと、採用担当者に響く書き方のポイントを解説しました。
職務経歴書は単なる経歴の羅列ではなく、あなたの強みと貢献意欲を伝えるための重要なプレゼン資料です。
ご紹介したWordやExcelのテンプレートや職種別のサンプルを参考に、具体的な数字を用いて実績をアピールすることが、採用担当者の目に留まる秘訣です。
この記事を参考に、あなただけの魅力が伝わる職務経歴書を作成し、希望の企業への転職を成功させましょう。
